2025.04.17|Thu
2025.04.17|Thu
2025年3月29日から31日までの3日間、東洋大学富士見高原セミナーハウスにて能登半島地震被災地の子どもたちを招待して「春休み富士見高原ツアー」を実施しました。小学生から高校生までの子どもたち21名(石川県・能登半島の珠洲市、志賀町などの出身)が参加しました。NGOピースウィンズ・ジャパン様のご協力を得て、社会学部社会福祉学科(現:福祉社会デザイン学部社会福祉学科)小野ゼミと国際学部国際地域学科藪長ゼミの学生21名が実施しました。このツアーは、2024年3月末にも実施しており、今回で2回目の開催になりました。
1日目の朝8時にバスが珠洲市を出発すると、金沢までの各地で子どもたちが乗車し、途中休憩をとりながら16時過ぎにセミナーハウスに到着しました。学生たちが「ようこそ!」のウェルカムボードで歓迎する中を、子どもたちは緊張とワクワクが入り交じったような表情でセミナーハウスに入ってきました。そのあとの「はじまりの会」では、子どもと学生が仲良くなるためにいくつかのゲームを実施しました。体を動かしながらクイズに答える中で、子どもや学生たちの間で自然と笑いが生まれ、初対面の緊張も少しずつほぐれ、子どもたちの心が開いていく様子が感じられました。
そのあとは、子どもたちと一緒に夕食の配膳を行い、一緒にテーブルを囲んで食事を楽しみました。みんなで準備したごはんを囲む時間はより一層距離を縮めるきっかけとなりました。夕食後には、トランプをしたり卓球をしたりと、学生と子どもたちが思い思いに交流を楽しみ、温かい時間が流れていきました。
2日目は、アクティビティを中心に活動しました。午前中には、体育館でコミュニケーションを取り入れたレクリエーションやスポーツをしました。子どもも学生も思い切り体を動かし、全力で楽しみました。午後には、魚釣り、お菓子作り、カフェ巡りなど、子どもの希望に沿った活動をしました。自分の好きなことを学生と一緒に体験することができ、子どもたちにとって素敵な思い出になったと思います。
そして、夜には皆でバーベキューをしました。また、バーベキューのあとには子どもの方から「一緒に卓球したい!」、「トランプしよう!」などと学生を遊びに誘ってくれることがあり、親交を深められたことを実感できて嬉しかったです。
3日目の朝食の際には、3日間の感想を一人ずつ発表する機会がありました。子どもたちは「普段は関わることができない大学生と関われて楽しかった」、「大学生が優しく接してくれて嬉しかった」などと話してくれました。子どもたちにとって、思い出に残る時間を提供することができたのではないかと思い、やりがいを感じました。子どもをお見送りするときには、学生と子どもが互いに「来年も行くから来てね。」と、別れを惜しむ姿も見受けられました。
2泊3日という短い時間でしたが、学生をはじめ参加者にとって忘れられない有意義な時間になったと思います。準備の段階では、子どものセーフガーディングに関する勉強会を行い、両ゼミの学生が担当グループに分かれてアクティビティの企画を考え、材料の買い出しや調べものなどをしたりしました。当日は、子どもに楽しんでもらえるよう一生懸命おもてなしをすることができたと思います。
日常ではなかなか関わることのない世代同士が同じ時間を過ごし、笑い合い、ときに真剣に向き合うことで、心が通い合う瞬間がたくさん生まれました。このツアーを通じて見られた子どもたちの笑顔や素直な言葉に励まされ、私たち学生自身も多くの学びと気づきを得ることができました。
最後になりましたが、被災した皆さまが一刻も早く安心できる生活を取り戻し、地域が復興することを、心より祈っています。
藪長千乃先生、小野道子先生、名誉教授の森田明美先生はじめ、セミナーハウスの管理人さん、バスの運転手さん、このツアーの開催にあたりご協力いただいた関係者の皆さま、そして大切なお子さまを送り出してくださった保護者の皆さまに、感謝申し上げます。
社会学部社会福祉学科 青木琉七
国際学部国際地域学科 長谷川結奈