2025.05.19|Mon
2025.05.19|Mon
〈開催日:2024年12月8日/場所:東洋大学赤羽台キャンパス/協力:地域支援活動団体TOMONI〉
2024年12月8日、福祉社会デザイン学部社会福祉学科「社会福祉学総合演習Ⅱ」の授業の一環として、 東京都北区に住む外国籍家庭(主にバングラデシュ人)の支援を目的としたイベントを開催しました。本イベントは、地域支援活動団体TOMONI様のご協力を得て、『おにぎりづくり&室内レク』というテーマで実施されました。イベントには、本学科外の学生や地域の方々含め約30名の方にご参加いただきました。
本イベントは、開会式から始まり、「おにぎりづくり」、「室内レク(なんでもバスケット)」、最後に閉会式という順番で進行しました。
おにぎりづくりでは約五種のおかずを用意し、子供たちが食べたい味を自分で選んで作れるようにしました。このおにぎりづくりの食材を選ぶ際には、参加者の宗教的背景に配慮し、「ハラル」に対応したものを選びました。準備段階では、多くの食材がハラルの決まりに引っかかってしまいとても大変でしたが、イベント当日に楽しそうにおにぎりを作る子供たちの顔を見ると、しっかり準備をしてよかったと感じることが出来ました。
室内レクでは「なんでもバスケット」を行いました。バングラデシュの子供たちにとって「なんでもバスケット」は初めての遊びだったらしく、最初はルールを教えるのが大変でしたが、ジェスチャーを交えてルールを伝えることで子供たちにルールを教えることができ、最終的にはとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
また、本イベントの大きな特徴であり、意義深い点は、「TOMONIに通うバングラデシュの子どもたちの意見を反映した企画」として実施されたという点です。今回のイベントはまさに子どもの意見表明権(子どもの権利条約第12条)を具体的に体現した取り組みとなっており、地域支援の新たなあり方のモデルとなるような内容でした。現在東京都北区では、区内の中学生が北区の子どもの権利委員会に子ども委員として参加しています。この事例のように、社会では「子どもの意見をどのように反映させていくのか」という点で注目が集まっており、TOMONI では今後外国籍家庭のようなマイノリティの子どもたちの意見を聞く場として機能していくことが期待されます。
実際、本イベントに参加していたKさんのお子様が「俺がおにぎり作りやりたい!って言ったんだよー」と誇らしげに話していた姿が印象的でした。今回の経験を通して、子どもたちが自らの力に可能性を感じ、今後も市民として意見を表明し、それを大人たちが丁寧に受け止め、社会に反映させるという一連の流れの第一歩になったのではないかと感じています。
今回の経験を踏まえ、今後のTOMONIのイベント企画においても、子どもたちの声を聞く姿勢を大切にしていく必要があるということを改めて実感しました。イベントを「してあげる」という姿勢ではなく、「ともに作り上げる」という姿勢が、よりよい地域共生の土台を築いていくと信じています。
執筆担当者:都築 郁昭(福祉社会デザイン学部社会福祉学科二年)
【授業担当:孫 心悦先生】