揺れるコスモスの花影に
ひっそりと佇む幼き子
虫たちのさえずりにも
秋をまだ知らない幼子は
だだ ゆっくりと
母を待つ
甘瓜を抱えて木の下で遊ぶ
あなたくらいの年の
あなたの母は
セピアになりかけた
写真の中で笑っている
あなたは母に
少しだけ似ていて
でも
母の幼いころよりずっと
やんちゃ娘で
――むしろ私に似ているのかも知れない
姪よ
あなたの瞳の光に
ただ癒される私は
いつまであなたの成長を
見つめ続けられるのかと
思いつつ――吐息
この病がなければ
私も抱いてみたかった――わが子
姪よ
あなたがまぶしくて
目を細めてしまう
薄紅のコスモスは
今は盛りと咲き誇り
あなたの姿を隠して
私に
「もういいよ」
とかくれんぼする