時が経てば救われると
昔 母が言った
信じたくて でも 信じられなくて
私はずっと 迷える子羊
たくさんの羊飼いに会った
それぞれが私に
ナビゲーションを与えてくれた
けれど 羊飼いを信じきれない子羊は
愛されそうになるたびに
闇の中に身を隠した
子羊が子羊でなくなるころ
あのひとに出会った
子羊は震えた
子羊は泣いた
そして 子羊は
闇を葬ることを決意した
そのひとの笑顔は
無上のときめきをくれる
子羊は自由を捨てても
そのひとに縛られたいと
切に願った
救済の時が来た
子羊は
そのひとの瞳の色を心に刻み
山の端から ありふれた朝日が昇ってゆくのを
幸福だと感じている