様々な顔が
脳裏を横切り
消えてゆきます
――暴風雨の深夜
眠れないのは風音のせいじゃない
何もできない私に
返す恩のある人が
あまりにも多いためです
気づかなかった
私には
こんなにたくさんの宝物が
心の中にあることに――
だから
今からでも遅くない
大切な人たちを
守るため
助けるため
幸せにするために
私はこの心と体と頭を
命の限り用いて
生き抜いていきたいのです
恨んでいた人たちも
今はこの温かいところで
仏のようになっています
恨んだはずの人たちも
本当はこんなにも温かかった――
風がやんだら
さっそく
歩き始めよう
この大切な一歩から――