ハナスゲ Anemarrhena asphodeloides Bunge
ユリ科 (Liliaceae )
今月は、日中、毎日暑く、雨も少ないので、植物も人間も生き物がグッタリです。皆様、如何お過ごしですか? 夏バテ、クーラー病にならないように、汗をかいて、少しずつ水の補給をしていますか??
今月の薬用植物は「ハマスゲ」です、植物全体を観るとユリ科には見えませんが、小さな花を観察すると、テッポウユリのような形をしています。
ハマスゲの花は夕方にしか咲きませんので、6時位に撮影する必要があります。植物の花が咲いている時間帯を知っておく必要があります。
薬用としては「根茎」を用い、「知母(ちも)」といいます。成分は、ステロイド配糖体のチモサポニン類、キサントン類のマンギフェリン等が含まれ、血糖降下、抗菌などが報告されている。知母の名前の由来は「身寄りの無い薬草取りの老婆が、自分を母のように慕ってくれる夫婦に「母の心を知る息子に巡り会えた」と、ハマスゲの根を薬草であると教えたのに由来すると言われています。
漢方では、白虎加人参湯、清風散、酸棗仁湯などに処方され、清熱、滋養などの目的で配合されている。
8月に入り、焼けるような、体温に近い気温の毎日です。日中、日が当たっている道のアスファルトの温度は60℃近くになっています、小さな子供さんをつれて歩くのは気を付けて下さい。陽の当る駐車場に止めた車内の温度も60℃を超しますので、車内に人・動物を放置しないようにしましょう。
この暑さ、幸せに、停電は無く、クーラーがありますが、熱中症、クーラー病に気を付け、胃のバランスを崩し、夏バテにならないように、心身をご自愛下さい。
★ 35年の研究の集大成の一部として「くらしの中の薬草」を出版しました。150個位の植物の説明が入っています。定価は、格安の「500円」にしました。購入は、観察会等の参加のおり、又は直接メールでお願いします。
★ 送付の場合、1〜3冊まで「180円」(郵送)です。
写真撮影 2016年5月27日 金沢大学薬用植物園
文責 矢原正治