ビャクダン(白檀) (ビャクダン科)
今年は寒さが厳しかった分、急に暖かくなりますので、花粉が多そうですが皆様如何ですか??
2/23 0:07に、私のネパールからの帰国を待っていたかのように母が94年の天寿を全うしました。2/14にカトマンズを発つ時は元気になったとの連絡が入りホッとしてたのですが最後のエネルギーだったのでしょう。カトマンズ盆地のPatan地区のKanabudda Gest House近くのお寺で毎日「苦しまずに安らかに休んでくれる」ように祈りながら朝の寺周りを日課にしていました。安らかなシワもシミもほとんど無い顔で休んでくれました。風になった母に会えるのを楽しみにお香の香りのするネパールにでけたいと思っています。
今月の薬用植物は、2014年3月に、私の後任の熊本大学薬学部の薬用資源エコフロンティアセンター長の渡邊高志教授と一緒に初めて出かけたミャンマーで出会った『ビャクダン(白檀)』です。初めて花、実をミャンマーで観ました。約5mmの小さな花で、濃い紫色であまり目立ちません。実も約1cmの楕円形で熟れると黒くなります。どちらも目立ちません。しかし、材は香りが良いので、お香、アロマセラピー等に用いられています。
材を「サンダルウッド」と言い大変高価です。その精油は、鎮静効果、消炎作用、利尿作用、免疫機能向上、抗菌作用等を有することが知られています。精油には抗マラリア原虫作用が有るとも言われています。
白檀の香りが良いのはもちろん、その煙りは浄化作用が強いということで、線香、香に配合されています。インドでは四千年以上前からスピルチュアルな香木として使われている記録もあります。日本では日本書記に記載があります。免疫力を上げますので、白檀を焚くことでインフルエンザ、花粉症等も予防できる可能性があると思います。
精油に入っている「良い香り」の成分は、Z-α-サンタロール、Z-β-サンタロール、Z-α-サンタラール等のセスキテルペン(炭素数15個のテルペノイド)です。しかし「強い油臭で臭いの良くない香り」の成分も微量ですが含まれています。E-α-サンタラール、E-α-サンタレニン等です。化合物名の記号が「ZとEの一カ所」違うだけで、香りが大きく違うというのも面白いなと思います。人の性格と同じですね。
「三大香木」という香りの強い花をつける樹木があり、「ジンチョウゲ(沈丁花)、クチナシ(梔子)、キンモクセイ(金木犀)」です。ジンチョウゲは春の香りを告げる香りですが、赤い実は有毒なので愛でるだけにして下さい。クチナシは夏を告げる香りの花でしょうか? 秋には橙赤色の実をつけ、山梔子(さんしし)といい、抗炎症作用があり薬用に、また食用、染色に多方面で用いられます。キンモクセイは、秋の訪れを告げる香りで、庭木等に植えられ、甲佐、熊本城等に大木があります。中国では花を砂糖漬け。リキュールにしています。鹿児島ではキンモクセイの葉をお茶にします。
花粉症は集中力が落ち、トラブルの原因になります。西洋薬で抑えると眠くなります。食用植物のお茶「ハチャメチャ菊茶」は、副作用はほとんど無いので一度お試し下さい。進めた私がビックリポンで効果が出ることが多々ありました!!
<山口東京理科大学 薬学部附属薬用植物園>
1)江汐公園内:3月中旬に市から大学に受け渡される予定で、その後植え込みを始めます。
2)大学構内:10月頃に出来る予定で、平成30年度末までには植え付けが終わる予定にしています。
3)薬用植物の譲渡:熊本大学、九州大学、姫路獨協大学、摂南大学、富山大学、金沢大学、星薬科大学、昭和薬科大学、東京都薬用植物園、武田薬品京都薬用植物園、日本新薬京都薬用植物園、新日本製薬、内藤記念くすり博物館附属薬用植物園、サントリー熊本工場などから分けていただく予定にしています。
4)山口の薬用植物:譲渡をしていただける方がおられましたら、矢原までご連絡下さい。
メール:yaharashoji@gmail.com、電話:080−2711−5248 にお願いします
5)お近くにおいでのおりは『薬用植物園にお茶を飲み』にお立ち寄り下さい。
お待ちしています!!
2018年2月28日 文責:矢原正治(山口東京理科大学 薬学部設置準備室)