ホップ Humulus lupulus L. var. lupulus
アサ科(旧クワ科)
ホップの雌花(毬果(きゅうか))
新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
年末年始、色々なアルコール類を飲まれた方も多いと思います。今月はビールの製造過程で用いる「ホップ」にしました。別名をセイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)と言います。
ホップは、ヨーロッパ原産といわれ、古くからビールの醸造の原料として利用されています。北半球の冷涼な地域に広く生育している雌雄異株の蔓性多年草です。日本には明治初期にビール醸造の目的で雌株(めすかぶ)が北海道に導入されたのが最初と言われています。雄株は日本では目にする機会はほとんどありません。
震災被害の復興中の「サントリー熊本工場」から2017年末に頂いたホップの雌株を、山口県山陽小野田市の小野田IC近くの、江汐公園内の山口東京理科大学薬学部附属の薬用植物園で栽培しています。2年になり大分大きくなり、今年も、淡緑色で鱗状の苞葉に包まれた「毬果(きゅうか)」を沢山つけました。
薬用では、毬果に、健胃、利尿、抗菌、抗酸化等の効果があります。ビールの醸造の過程で、酵母で発酵して出来るタンパク質の濁りをホップの成分のタンニンで沈殿し、苦み、香り等の風味を添加します。また、ビールを飲むと尿(小便)が出やすくなるのはホップの成分の利尿効果です。
現在のビール醸造過程は、細菌(雑菌)の侵入の(ほとんど)ない衛生管理の下、製造されています。しかし、昔は、大麦を粉末・加熱し、アルコール発酵させていたので、これでは雑菌が入り、美味しいビールが出来ないことが多かったようです。そこで抗菌性のあるホップを利用するようになりました。理由は「風味付けと、雑菌を抑制する」を目的で用い、美味しいビールが飲めるようになり、今日に至っています。
酒は百薬の長(適量の酒はどんな良薬よりも効果がある)と言われますが、日本人の半数は、アルコールを解毒する酵素が欠損している人がいます。何事もホドホドにし、元気(普通のエネルギー状態)で、普通に「食べ、寝て、出す、動く」を自分で行い、(寝て:寝るには体力が必要、脳を休める。出す:汗、大便&小便をきちんと出す)、寝たきりにならず、動く:関節&筋肉を動かす運動をし、ピンピン・コロリンを目標に、健康な一年をお過ごし下さい。
お時間がありましたら、山口県山陽小野田市、江汐公園内の薬用植物園(小野田IC近く)に、見学においで下さい。
2019年12月26日撮影の薬用植物園(3枚)
冬支度を終え、新年を迎える準備を整えた、薬用植物園
<薬用植物園便り>
1)ネパールでの講義&実習
1/22〜2/18の間、ネパールのカトマンズにある、AITM大学&KVC大学で、講義&実習を行いに出かけてきます。2016年2月〜3月、約一ヶ月で、AITM大学で行ってきた講義&実習の継続です。
2017年は、病気のため取り止めましたが、2018年から再開し、今回で4回目です。大学の方々、長期宿泊のゲストハウスの方々、周りの方々も親切にして下さいます。
PLAN S.YAHARA
Lecture
1) My introduction
2) I talk about basic
3) For example, organic chemistry, Stereochemistry
4) Simple analytic chemistry, IR, UV, NMR, and MS by structure analysis.
5) Explanation of Practical Training.
Practical class
1) (1) Extrac-on of Rurin from Sophora Japonica buds
(2) Training of TLC (Coloring Reagents: 10% sulfuric acid, 5% ferric chloride)
2) (1) Acid hydrolysis of Rutin,
(2) Isolated Camphor from Camphor tree leaves (Steam Distillation)
(3) Training of TLC (Coloring Reagents: 10% sulfuric acid, 5% ferric chloride)
3) Making of Creams (Red Cream & Yellow Cream)
4) Qualitative Simple Test
(1) FeCl3 test, (2) Saponin test, (3) Anthocyan test, (4) Flavonoid test (Mg+HCl)
5) Students Analysis (using NMR, IR, UV, MS data)