ハコベ ナデシコ科
ハコベは日本全土に分布し、平地に生える。春から秋に、枝先に白い花をつけます。ハコベは小鳥の餌や春の七草の一つとして親しまれています。平安時代から食用の記録が『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に、野菜(当時は文字どおりの野の菜)の一つとして、波久倍良(はくべら)の名が有るようです。鎌倉時代では宮中で七種菜(ななくさのな)に蘩蔞ら(はこべら)の名が有ります。ハコベの語源は 「はびこる →はこびる →はこべら →はこべ」に変化したと考えられています。
平安時代にもハコベ汁等として食べられていたようです。また、干した粉と塩を混ぜた「ハコベ塩」は歯磨に使用します。民間薬では歯茎の出血を予防する目的で用いられています。更に、関節炎、リウマチ、便秘の改善、膀胱炎、虚弱体質の改善、最近の研究より葉緑素の抗菌作用による歯槽膿漏の予防、更にコレステロールの抑制、高血圧予防、胃腸粘膜の保護などが報告されています。
春の七草「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」と言える人も多いと思います。ハコベ(ヒヨコ草):歯茎の出血、他は、セリ:健胃・整腸、ナズナ(ペンペン草):目の充血・利尿、ゴギョウ(ハハコグサ):咳・痰等、ホトケノザ(コオニタビラコ):解熱・解毒・潰瘍、スズナ(カブ):利尿・便秘、スズシロ(大根):健胃・せき止め・冷え性に効果があります。普通の野菜としてセリ、カブ、ダイコンは食べています。
皆様の周りには食べられる物(植物、虫、動物)が沢山有ります。巧く使って下さい。野菜は全ての部位がだいたい食べられます。例えば、機能性成分を沢山含む、白菜の外葉、根、芯の部分を廃棄し、リンゴ等果実の皮を剥いて捨てるのはもったいないですね。また、米は、タンパク質、ミネラル、ビタミン等の機能性成分を多く含む糠を除き廃棄し、デンプンが主の白米(「粕」と書く人もいます)を私たちが食べています(糖尿病の原因かも)。しかしタンパク質、ミネラル、ビタミンは独特の味がありますので、味覚を重視すると美味しく無いと言われることも有ります。私たちは何を重視するのでしょうか? 身体は何を欲するのでしょうか??
人は食べ過ぎです、1日3食は、身体を動かさない時代には多過ぎます。お腹がすいた時に食せば、生活習慣病になることは無いのですが、過剰摂取によるブドウ糖・脂質・タンパク質・核酸および関連物質の体内蓄積で、多数の病気を発症し病院は大繁盛の状態ですね。
濃い味(アミノ酸、核酸、糖、塩)のインスタント食品・食品会社の食の戦略に乗って添加物・油(脂肪・油脂)を取り過ぎていませんか??(平均で、添加物を年間2〜3kg/人を摂取)
食を考え、身体を動かさないのに「1日3食」等と思い込まないことが大事ではないかと考えます。
2月1日から「成人スチル病(難病指定)の治療」のため、「多量(50mg/日(3週間で20%減量)〜スタート、現在30mg)のステロイド剤の経口摂取」による副作用の「高血糖コントロール食」を考えながら、食に関して再度考える機会がありました。
★4/1(土)に御幸病院を退院、以後リハビリを週2〜3回続けています。
ただ、美味しいので「甘い物・天ぷら」等も食べたいですね!!
2017年3月31日
熊本有用植物研究所 矢原正治