ゲンジンの花(1cm位で、小さな花です)
ゲンジン Scrophularia ningpoensis
ゴマノハグサ科
今月は「ゲンジン」にしました。山陽小野田の薬用植物園で咲きました。あまり見たことのない、聞き慣れない植物だと思います。私も花を初めて観ました。根を「玄参」といい、生薬として、消炎、解熱、鎮痛などに用いられる。
『本草綱目』に「五参はその五色がそれぞれ五臓に配すると記してある。紫:牡蒙(アキノタムラソウの根とされる)は肝に入るから紫参といい、赤:丹参は心に入るから赤参という、黄:人参は脾に入るから黄参といい、白:沙参は肺に入るから白参といい、黒:玄参は腎に入るから黒参といい、」のように五行に関連付けた記載があります。玄参の名称については同じく『本草綱目』に「玄とは黒色のことで」、玄参は黒い人参を示しています。
『木(春)(肝、青(紫))、火(夏)(心、赤)、土(土用)(脾、黄)、金(秋)(肺、白)、水(冬)(腎、黒)』
玄参&地黄が黒くなる原因は、含まれるイリドイド配糖体のメーラード反応(重合反応)によるためと考えられます。玄参と乾地黄(ジオウの根)はいずれも滋腎の効能を有する点で共通しています。乾地黄は甘潤で滋養の力が玄参より強く、玄参は苦鹹(苦い塩い)の味で、降泄(水の低下を治し)し降火(虚熱を普通にする)の力が強く、乾地黄は降血不足に適し、玄参は陰虚火盛(腎陰虚による虚熱)に適するほか解毒にも働き瘰癧瘡毒(抗梅毒)にもよく用いるとされ、それぞれ使い分けがなされています。
ここで出てきました「地黄」は、1998年7月の今月の薬用植物
( http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/flower/H1007.html )に掲載しています。玄参は、漢方処方で、睡眠障害等に用いる「加味温胆湯」位しか処方されないのですが、地黄は六味丸(六味地黄丸)、八味丸(八味地黄丸),四物湯,炙甘草湯などに、補血,強壮,緩下などの目的で用いられます。
ジオウの花は結構大きく綺麗ですが、ゲンジンの花は、植物背丈の割には小さく、余り目立たないように感じます。
雨が毎日降り、降り過ぎも困ったもので、雨の降らなかった7月中旬〜八月中旬を考えると、贅沢な思いをしています。
気温差が大きいので、夏バテが出る、風邪を引いたりする方が多いのでは?
早めの体調管理をして、楽しい、食欲の秋をお迎え下さい。
ただ、食べ過ぎて、胃腸を弱らせないよう、程の程にしましょう!!
2019年8月28日 文責 矢原正治
<今月の薬用植物園>
1)8/29に無事に移動できたら、追加記載します(8/28記)
2)29日、雨がおさまったので、朝10時に、熊本の家を出発、〜植木IC〜(高速)〜久留米IC、久留米IC手前で豪雨に遭い、10分位60km位で走行、久留米ICを出る頃には、小雨に、〜朝倉53号線、〜200号線〜飯塚〜直方〜八幡(北九州都市高速)で門司へ、関門トンネル手前で、下関〜小郡の中国高速道路が不通のため、トラック類が3km位の渋滞、2車線になる所で横道を抜け、15分位待って、関門トンネルへ。下関へ出てすぐ又渋滞2km、山側の道へ迂回、ナビに従って、少し早めに曲がり、長府方面へ、トンネル過ぎてすぐの道に出〜2号線バイパスへ。下りは3km位の渋滞、小野田方面は空いていた。15時前に、市場で買い物し、15時に薬用植物園に着。普通は4時間30分弱なので、30分遅れだけで、スムーズに移動できてのは、幸いでした。
3)雨が多くて、アシタバ、木立チョウセンアサガオ、ケイトウ、ゴマ、菊芋等の、根腐れをしている植物有り、またウリ類の果実が随分腐っていたのは残念。ただ他は、水のお陰で元気です。(8/30記)
4)31日は、お袋と親父の墓参りに、岡山に日帰りで帰省します