ゴボウ キク科
昔のジトジト雨も嫌でしたが、ゲリラ豪雨もいやです。6/29(土)雨があまり降っていない間に、江汐公園内の薬用植物園から、2号線バイパス~関門トンネル~北九州都市高速~八幡~直方~飯塚~朝倉~久留米IC~高速~植木IC~家と、車を運転し4時間30分位で家に着きました(高速を使うと3時間30分位)。朝倉を走っているときに携帯に大雨の警報が入り、後ろを見ると、黒い雲が帯状に迫ってきていましたが無事に抜け、小雨で家に着きました。
今月は『ゴボウ(牛蒡)』です。食用にする肥大根はよく見ますが、花がこんなに綺麗だとは知らない人が多いのではないでしょうか?ヒゴタイも青紫で球状の花をつけますが、ボクチの仲間、今月のゴボウの花は、スポットライトの様な形で、濃い赤紫の可愛い花をつけます。しかし可愛いからと安易に触ると、とげ状になった萼で、くっつき虫に、実を「悪実」といい、実ると刺で手を傷めることがありますので注意して下さい。
薬用には、種子を用います。牛蒡子[ゴボウシ、別名 悪実(アクジツ)]と言い、性味は辛苦・涼、帰経は肺、胃、効能は風により発病する熱を除く、消炎消腫等を目的に、消風散、柴胡清肝湯、駆風解毒湯に配合されています。牛蒡子の抽出液には、抗真菌活性、抽出物には子宮収縮、血糖降下、Arctiin(上の構造式のArctigeninの配糖体)には強直性痙攣改善、血管拡張等の作用が見られます。癌細胞に対する細胞毒性も確認されています。民間薬としては、根を食欲増進、発汗利尿に、果実を利尿、瀉下、風邪の発熱の解熱、咳、扁桃腺炎等に、生の葉を肝臓の病気に飲用、湿疹、ただれに外用します。食用としては知られていますが、意外と薬用として使い道の多い植物です。
ポリフェノールが良いと言って昨今ゴボウのアク抜きをしない牛蒡チップス等のお菓子を売っています。日本では、牛蒡はアク抜きをして料理するの
が経験的な方法です。アク抜きをしないで食べると胃を痛める可能性があるからです。しかし油で揚げますとアク(ポリフェノールを含む)もマイルドに感じ、沢山食べ過ぎます。そうすると、半日位して胃が重くなってくることが多々あります(私は胃が弱いのでアク抜きしない植物を食すと1時間位で胃が重たくなります)。ポリフェノールはタンバク質(胃粘膜もタンパク質で出来ています)と結合し胃の機能を悪くします。カテキン入りお茶も同じかもしれません。特に多湿の梅雨の時期、そのままでも胃腸に負担がかかり、胃が重くなる人が多くなります。胃は人のエンジン、メインテナンス、無理な使用は避けましょう。正しい、楽しい食事で ”強い胃にして、暑い夏を乗りきって下さい”。
<薬用植物園便り>