ベトナム紀行一日目

みなさん、こんにちは。初めましての方ははじめまして。歴史研究同好会からベトナムに派遣されました、特派員のKです。

私は、2023年3月22日から、ベトナム南部の都市ホーチミン市(旧南ベトナム首都サイゴン市)に滞在し、今年度文化祭の企画展示をさらに意義あるものにするための現地取材を行いました。

本記事は、滞在一日目の内容をまとめた記事になります。

一日目の初めは、南ベトナム共和国の大統領府であった統一会堂を訪問しました。

統一会堂の全景

統一会堂を広場から望む

統一会堂は、現在のベトナム南部に存在した南ベトナム共和国の大統領府であった建物で、主に南ベトナム第二代大統領であったグエン・ヴァン・チューによって使用されました。この建物は、南ベトナム政府崩壊後には、会議場や博物館として用いられており、内部には歴史的な史料などが展示されています。

統一会堂の史料は、建物外にも展示されており、外には

統一会堂への突入時に門を押し倒した戦車

北ベトナムのスパイが乗り込み、統一会堂を爆撃した戦闘機

北ベトナム(現在のベトナム)軍が統一会堂に突入するときに門を押し倒した戦車や

戦争時に北ベトナムのスパイが乗り込み、統一会堂を爆撃した南ベトナム軍の戦闘機などが展示されています。

建物内は、会議室や大統領寝室などが当時のままの状態で残されており、

閣僚会議室

大統領執務室

グエン・ヴァン・チュー大統領私邸

先述の戦闘機の爆撃によって破壊された中央階段

また場所によっては当時の機器などがそのまま残されているところもあります。特に会堂の地下には、戦争中に使われていた地下司令部が残されており、戦争の面影を生々しく伝えています。

会堂内の小劇場に残された日本製映写機

ヘリポートで展示される大統領専用ヘリコプター

グエン・ヴァン・チュー大統領の乗った車

地下司令部の通信機

統一会堂は、ホーチミン市内でも特に人気の高い観光名所のため、滞在時は毎日のようにバスが止まり、観光客で広場が溢れているのを見ることが出来ました。

統一会堂二階のバルコニーから通りを望む

統一会堂訪問後は、ベトナム戦争の歴史を解説する戦争証跡博物館を訪問しました。

戦争証跡博物館で展示されるUH-1

展示される米軍のUH-1ヘリコプター。ベトナム戦争では、ヘリコプターが多用された

博物館ということで、あまり写真を撮ることができず、皆様に具体的に内容をお伝えすることはできませんが、ご了承ください。

戦争証跡博物館では、主にベトナム戦争や、それ以前の近現代の戦い(ディエン・ビエン・フーの戦いなど)をテーマに展示を行っています。中でも、ベトナム戦争の展示では、戦争でベトナムの市民達が受けた被害がこれでもかというほどにありありと表されており、特に枯葉剤被害に関する展示は、枯葉剤の影響により奇形児として生まれてきた子供たちの写真が展示してあったり、ホルマリン漬けにされた死産の子供の遺体が展示されていたりと、非常に衝撃を受ける内容になっていました。


その後、筆者は博物館から離れ、ホーチミン市の中心街にあるホーチミン人民委員会庁舎(旧サイゴン市庁舎)を見学しました。

夕暮れにホーチミン人民委員会庁舎とホーチミン像を遠景から望む

遠景より、夕暮れの人民委員会庁舎とホーチミン像を望む

この施設は、ベトナムの地方行政機関である人民委員会の使用する建物のため、訪問はできず、撮影も遠方からのみとなってしまいましたが、遠目からでも、夕暮れの空に聳える白い建物と、その上にはためく赤いベトナム国旗は綺麗に見ることが出来ました。


一日目は、時間の関係上、これほどしか回ることはできませんが、大変有意義な時間でした。

二日目の記事は、ホーチミンから少し離れた町、クチのゲリラ基地について扱います。


Tạm biệt!