受験生の皆さんへ 

〜受験生へのダイアリー〜

2023年にも、ついに中学受験シーズンが訪れました。

受験生の皆様は、今日も志望校合格に向けて、必死にペンを動かして努力なさっていると思います。

小学校6年生というと、本来はまだまだ友達と遊びたい、勉強なんて投げ出して好きなことをしていたいお年頃でしょう。しかし、それにも関わらず、誘惑を自ら断ち切って、自身の合格のためにひたむきに努力する皆様の姿には、本当に頭が下がります。私も中学受験の経験者ですが、今あれと同じくらい勉強しろと言われても、20分ほどで投げ出してしまうと思います。私が受験中、塾の先生方に、「中学受験の期間は人生で一番勉強した期間になるだろう」と言われましたが、あれは正しく事実でした。当たり前です。皆様がやっておられる勉強は、一般の小学生がやっているものよりも格段に難しく、それを理解し、使えるようにするためには、人一倍どころか人二十倍以上の努力が必要なのですから。そんな努力を嫌がらず、進んで自ら行っていく皆様は、まさに英傑といって差し支えないでしょう。

努力は実る、努力は裏切らない、という言葉は、はっきり言って使い古された言葉で、真実を言い得ていない言葉であるかもしれません。しかし、仮に成績がご自身の努力を裏切っても、なにかに一生懸命に取り組んだ、という経験は決して無駄にはなりませんし、後の助けになるでしょう。


さて、ここまで中学受験の厳しさと、それに耐える皆さんの素晴らしさを書いてきましたが、実は私が伝えたいことはもう一つあります。

皆さんは、中学受験が終わり、もし希望の中学校に入学した後、どんな未来が待っていると思いますか?

勉強の結果が実り、もうあんな厳しい生活をする必要もなく、同じ苦楽を乗り越えた友人や先輩に恵まれ、将来が約束されたバラ色の生活を想像する方もいらっしゃると思います。

ですが、現実は違います。希望の中学校に入学したとしても、バラ色の生活など待ってはいません。

待っているのは、さらなる勉強と大学受験へのプレッシャーです。中学受験体験記によくあるような絵に書いたような成功者の生活ではありません。中学校からは勉強がさらに難しく、そして授業スピードも早くなります。また、更に言うと、中学校からはテストであまり良くない成績を取ると赤点というものがついてきたり、高校からはそれが重なると留年の可能性が高まったりして、これが皆さんを苦しめるようになります。

今まで小学校のテストでは満点を連発し、受験中の模試や塾のテストで高得点を叩き出していた受験生の方々は、「赤点なんて取るはずない」と思われるかと思います。確かに、赤点は普通に勉強していれば取りません。が、一度取ってしまうと、そのままズルズル何年間も付き合い続ける厄介な存在になってしまいます。実際に、私の友人には、入学時の成績は抜群に良かったものの、中学に入ってからは努力が追いつかず、赤点を重ねすぎてしまい、学校を去ることとなってしまった者が何人もいますし、そうはならずとも、いくら勉強しても成績が上がらず、苦しみ続ける人をよく知っています。

実際、私もそうでした。私は、小学校の頃から算数がどんな努力をしても全く理解できず、中学校に上がってからも赤点を取り続け、中学校1〜2年生のときには何度も担任教員から留年に関する話をされ続けるような人生を送ってきました。

だからこそ、私は後輩となる皆さんに私のような苦労をしてほしくないからこそ、受験生応援のこの場を借りてこの記事を書かせていただいているのです。

中学受験は厳しく、またその後の生活も非常に厳しいものです。しかし、上で書いたとおり、皆様がなにか一つのことに対して努力した、という経験は一生モノで、かならずあなたの助けになります。どうか向上心を忘れず、私とその友人たちの経験を乗り越えて、立派な学生になってください。

歴史研究同好会は、あなたを待っています。


2023年2月2日 開智日本橋学園歴史研究同好会 第四代総帥 竹内 春翔