はい、どうも皆さん待たせたな()。

これで四連勤のトリビアのお馬鹿さんこと溝口京矢です。


はじめから本題から脱線しますが、先月掲載した受験生向けメッセージにあった「EYE HAVE YOU」は、2008年発売のゲーム、「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」の登場人物である「ドレビン」のよく発する言葉です。

(メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット 2008年 小島プロダクション/コナミデジタルエンタテインメント 作中より)

意味はHPの中では「いつもあなたを見守っている」とありますが、「私はあなたの目を持っている」、つまり「いつもお前を監視している」の意味もあり、実際には後者の意味が強く、受験生の方々への応援メッセージとして掲載するにはあまり適当なものではないと解釈することもできたため、ご不快に思われた方、大変申し訳ございませんでした。



説明書とは

それでは気を取り直して、本編に入っていきましょう。

まず、今回のテーマは「説明書」です。え、そんなもんのどこに歴史と関係があんだよ、って?

お客さん、説明書を馬鹿にしちゃぁいけませんよ(居酒屋の店主風)。

詳しくは後述します。どうぞお楽しみに。

最初に説明書とはなにかということを一応解説しておきますと、説明書は、名前の通り物品に関する説明が書かれたもので、大抵は紙媒体として購入したものなどに付属しているものです。



説明書の重要性

前述の通り、説明書は買ったものに関する説明などが書かれた大切な書類です。ですがたまにいるんですよ、説明書速攻で捨てる筆者みたいな人。まぁそれに関しては個人のスタンスなので特に批判したりはしませんが。ですがまぁ、筆者みたいに買ったら速攻でポイ捨てする人は一度はやったことありませんか?そう、説明書をたいして読まずに捨てて、扱いになれて来た時に…

こんな感じで某ベレッタの銃みたいにスライドぶっ飛び事件を起こしたり…

(筆者蔵。こうなったのは筆者の責任です)

まぁ、ない人でも筆者の画像や説明からだいたいどういうことかわかるはずです。説明書の重要さが。

説明書がなかったらまずどうやって買った物を使うかもわかりませんし、買った物が破損した場合にも取り返しがつかないことが起きる場合があります。説明書があればもし買ったものが壊れても破損部分をPONと直したり、コールセンターに電話したりして対応を仰ぐことができます。説明書があれば、少なくとも買ったものがすぐに壊れて何もできずに損をするということもないはずです。


で、ここから今回の本題に移ります。さっき本題とか行ったのにまだ前置きかよ。

ここまで紹介してきたのはおもちゃや日用品の説明書について、というものが主でしたが、今回ご紹介するのは「武器兵器の説明書」です。

※本コーナーで紹介した写真の遊戯銃の破損は経年劣化、及び遊戯銃にとって過酷な環境に置いたことによるものです。遊戯銃メーカーの責任ではありません。当記事は遊戯銃の意図的な破損行為を促すものではありません。


兵器の説明書

みなさんが軍隊と聞いてすぐ思いつくであろう、銃や大砲。それらの兵器にも説明書がもちろんが存在します。というか説明書がないと基本的に誰も銃や兵器使えません。



(コマンドー/Commando 1985年 マーク・L・レスター/20世紀フォックス 劇中より)

上の画像は兵器の説明書の一例です。画像はロケットランチャーに説明書を直接張り付いてますね。

銃や兵器などの武器装備は非常に高度かつ繊細な工業製品なので、説明書を読ませたりして教育を徹底する必要があるのです。武器を正しく扱う、これ結構大事ですよ。え、映画とかだと銃で敵を殴ったりしてたりしてるけどあれは正しい使い方なのかって?あれは演出です(無慈悲)。

実際ストック(銃床)で敵を殴るのも銃の正しい使い方らしいですが、内部に少なからず何か影響があると思うのでやめておきましょう。

ちなみに銃の内部は発砲したときの発射ガスとかで結構汚れたりしやすいです。で、その汚れを長い間放って置くと故障の原因になったりするのでクリーニングはきちんとしてください。まぁそれをしなかったのがベトナム戦争の米兵ですが…あ、これは後述します。

戦場に送り出される兵士は、相棒となる銃や兵器のことを誰よりもよく知っておかなくてはなりません。それこそ、寝ていても武器を組み立てられるくらいに扱いなれておかねばばなりません。

敵をホールドアップして、その敵から「セwーwフwテwィwがwかwかwっwてwるwぞw新w兵w(ルーキー)」とか言われて不安になって確認して銃奪われるような兵士は「ルーキーだと!俺はこの道十年のベテランだ!」とか名乗ってはいけません。ただの新兵です(冷酷)。

まぁ、ここまで長々と訳のわからないことを喋っていましたが、要は、「どこで使い方を習った?」と聞かれたら、「説明書を読んだのよ」と切り替えせるようになるまで、徹底して武器のことを学べということです!


ただまぁ、武器は自分の手で扱う分、文字で淡々と書かれても分かりづらい感じはしますけどね…ということで、古今東西の軍の偉い人は「どうやったら兵士たちに武器の扱い方をわかりやすく効率的に教え込めるのか?」ということに頭を悩ませて来たわけです。そこで生まれたのが、これから紹介する二つの説明書です。



説明書の究極系一:マンガ調

みなさん、テストを受けた経験があると思います。大抵のみなさんは勉強してからテストに挑みますよね?そうするとまず、勉強するには参考書や教科書が必要になります。

そして、本屋に行くと「マンガでわかる!〇〇試験!」みたいなマンガ形式で説明してくれる本を多く見かけますよね。まぁ見たことなかったら某ゼミの広告マンガを思い浮かべてください。人にもよりますが、大体の人は難しいことがたくさん書かれている文字ばっかりの参考書よりも、挿絵や図解があったほうが解りやすいですし、惹かれますよね?

人間、教科書や説明書には図解が必要なんです。

もちろんそれは軍隊にも共通で、軍隊にもマンガ形式で書かれた武器説明書が存在します。

今回紹介するのは、ベトナム戦争時代に米軍で配布されたこの”The M16A1 Rifli Operation and preventive maintenance”(表紙より)。直訳で「M16 A1ライフル 操作と予防安全」という意味です。筆者の英語力ではこれが限界で某翻訳ソフトみたいな翻訳になってしまいますが、要は説明書です(強引)。著作権的な問題が怖いので画像は載せません。

この説明書は文字通り米軍の昔の主力小銃、M16の取り扱い説明書です。M16なんていう超有名な銃を作者の貧弱な知識で説明すると怒られるので説明は

「M16!M16!M16!M16ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!

あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!M16M16M16ぅううぁわぁああああ!!!

あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん

んはぁっ!M16A1たんの黒色のバレルをクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!

間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!バレルモフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!

ベトナム戦争のM16A1たんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!

採用決まって良かったねAR-15たん!あぁあああああ!かわいい!M16たん!かわいい!あっああぁああ!

追加発注もされて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!

ぐあああああああああああ!!約束なんて確実じゃない!!!!あ…SR-15もAR−15もよく考えたら…

AR-15 ち ゃ ん は 軍用 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!

そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!アメリカぁああああ!!

この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙のM16ちゃんが僕を見てる?

表紙絵のM16ちゃんが僕を見てるぞ!M16ちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のM16A2ちゃんが僕を見てるぞ!!

記録映像のXM16E1ちゃんが僕に発砲してるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!

いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはM16ちゃんがいる!!やったよM4!!ひとりでできるもん!!!

あ、コミックのM16ちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!

あっあんああっああC7様ぁあ!!け、K2!!CQ 311ぃぃぃぃ!!!65式歩槍ぁあああ!!

ううっうぅうう!!俺の想いよM16へ届け!!世界のM16シリーズへ届け!」

というくらいM16シリーズの好きな方にお譲りします(茶番)。

ですがこの説明書の生まれた経緯も説明しないといけないので、本当にかんたんに説明します。


まず、M16シリーズは1960年から現在まで米軍で採用されている、超絶ロングセラーレイフルです。で、この銃が戦場に登場した時代はベトナム戦争の真っ只中、当時の銃はAK-47やM14のように銃床やグリップが木製の銃が多く、プラスチックやアルミを多様したM16はその近代的な見た目でかなり目立ちました。ちなみになんで木製からそういった今までなかった素材を使い始めたのかと言うと、答えはかんたんで、ベトナムの環境が木製の銃には厳しすぎるからです。M16の先輩であるM14先輩は木製銃床の銃で、高温多湿なベトナムでは撃った時に反動で腐った銃床が折れたりしたようです。あとは突発的なゲリラ戦が多く発生したベトナム戦争では、銃身の長いM14は取り回しが悪く、またジャングルでは自慢の長射程も活かせなかったというのもM16への置き換えの一因であるそうです。諸説ありますが。

そして、このままでは流石にまずいということと、他にも米軍が求めるものが多くあったのとが重なってM14はM16にだんだん更新されていきました。

で、話を戻すと、今までの伝統的なM14から、いきなり近代的なM16を持たされることになった兵士たち。M16の時代を先取りしたデザインはおそらくみんなから好かれたことでしょう。


しかし、その時代を先取りしすぎたデザインによってアホな兵士たちから「WoW!こいつぁすげぇ近代的なライフルだぜ!折れたり膨らんだりするM14とはわけが違う!こんなすげぇ銃なんだからきっとものすごい技術で作られているに違いない!多分自動でメンテナンスする機構が付いてるんだ!ならメンテいらねぇな!なんかピン押し込んだらボルト開放されるけど!!Fuuuuu!これであのめんどくさい整備から開放されるぜ!」なんて言われて、銃には必須なメンテナンス不要なんて勘違いされ始めたんです。というか銃のクリーニングキットも少なかった上に、そもそも製造元のコルト社が「M16は先進的なライフルだから、メンテナンスいらないよ」なんて広告してたらしいです。そしてだんだん軍内では「M16は最新技術を使っているのでメンテナンス不要」なんて俗説が広まっていきます。お前ら大丈夫か。


まぁ、メンテをサボれば当然銃は故障しますし、さらにM16に使われていた作動方式は内部がかなり汚れやすいダイレクト・インピンジメント方式(DI方式)だったので、普通の銃よりメンテナンスをしっかりしなければ動作不良を起こしやすくなります。こうして、前線で銃も撃てない本物のルーキーたちがバタバタと倒れていくわけです。ぶっちゃけ、M16の(AKと比べて)信頼性低い神話が始まったのはここらへん。そして、さすがにまずいと思ったのか、軍はこの問題の対処に乗り出します。そして登場したのが、この説明書です。この説明書、ジャム(弾詰まり)を起こしたときの対処法や扱うときのアドバイス、そして一番重要なメンテナンス方法などが図解でわかりやすく説明されています。アメリカン美人と一緒に。この説明書、ただ説明するだけでなく興味を持ってもらうためにあえてこういう要素を入れて書いているんですね。さすが米軍。

画像はネットで「M16 説明書」と打って貰えば出てきます。ほんとにアメコミみたいな感じの絵が載ってるのでアメコミ好きの方はぜひ。


あ、ちなみにM16、昔は改造したら日本でも猟銃として所持許可が出たそうです。今は法律が厳しくなったりして、もしかしたらダメかもしれません。まぁ弾をばらまいてなんぼな側面を持つアサルトライフルを猟銃に変えただけでは損な気がしますが…個人的には猟銃を買われる方はショットガンならレミントンのM870、ライフルならレミントンM700をおすすめします。銃で構造の単純さ、扱いやすさは重要です。

余談ですが、レミントンM870、つまりショットガンで西部警察思い出した人に向けていいますけど、本来ショットガンは狙撃に向いてません。弾がバラけるのでヘリに乗りながらスコープをマウントしたショットガンで狙撃する、なんてこと、やっても当たらないので意味がないと思います。スラッグ弾なら多少いけるかも知れませんが…

とにかく散弾銃で無理な長距離狙撃を試みるのは弾とお金の無駄遣いになるので避けましょう(当然ですが、法律や使用場所、使用用途を守った上で)。



説明書の究極系二:まさかの擬人化

最近、擬人ゲー増えてますよね。銃やら軍艦やら果ては基地まで擬人化される世の中、昔から擬人化の考えはあるとはいえ、無機物まで擬人化してしまうというのは現代日本人くらいなのでは…って思ってたら先人がいました。しかも戦時中。

どうせ日本人だろ…と思いきや同盟国です。まさかのドイツという。

ということで、今回紹介するのは時代を先取りしていた説明書こと「Tigerfibel(ティーガーフィーベル)」。かなり有名なので、もしかしたらすでに知ってる方もいらっしゃるかもしれません。

この取扱説明書、ドイツの超有名な戦車、Ⅵ号戦車ティーガーの搭乗員向けに作られた説明書です。最近だと某戦車道なアニメにはもちろん登場しますし、なんならこち亀にも出てきます。ちなみにティーガーの読み方はタイガーだのティーゲルだの色々ありますがここではティーガーで統一します。

さて、この説明書、もう冒頭や小見出しから想像がつく通り、ティーガーをエルヴァイラという女性に擬人化した説明書で、搭乗員はこのエルヴァイラさんとの婚約を得るためにさまざまな技能を習得していく、という従来の説明書の概念をぶち壊す説明書です。これが意外とわかりやすくて、ほんとの恋愛指南書のように戦車のメンテナンス方法や敵との距離の測りかたなんかを書いてるんです。しかしまぁ、これ戦時中、しかも軍の戦車取扱説明書じゃなかったら、同人誌って言われても普通に納得できるんだよなぁ…

まさか、これほど武器の取り扱い説明書っぽくないのが出てくるか… と筆者も驚きました。

ちなみにこういった感じの説明書、ドイツはいろいろなところに取り入れていたらしく、パンター戦車や空軍にもこういった取扱説明書や教本が存在したようです。



まとめ

結局、説明書ってのは挿絵を使ったりして解りやすいものが至高なんですよ(結論)。

というわけで今回は身近なものである説明書を題材にトリビアを書かせていただきました。

ほんとは筆者的にはM16のくだりとかもっと説明したかったんですが、前述の通り筆者のお粗末な頭と貧弱な知識では何を言われるかわからないので…

というわけで、ここ間違ってるぜ!とか、ここおかしいぞ!とかの意見がある方はどしどしHPアンケートに書き込んでください。といっても筆者はその回答を閲覧する権限を持ってないので見れないんですが。記事の質が上がったりするかも知れません。

あと、先月も言った気がしますが、「このこと取り上げて!」とか、「こんなネタがあるぞ!」みたいなご意見も歓迎です。



あとがき

はい、完璧にやらかしてしまった感じのする溝口です。

えー、はっきりいいます。ティーガーの説明書ネタが書きたかったんです()。というわけでもしかしたら文章が変だったり、言ってることが変だったりするかもしれないので発見された方はご連絡ください。修正します。

あ、そういえば途中スライドが壊れた写真で某ベレッタの銃ことM9を引き合いに出してましたが、別にベレッタ社が嫌いなわけでもM9が嫌いなわけでもありません。実際筆者の最近の愛銃はM9です。

なんなら誕生日が山本五十六連合艦隊司令長官と同じ某ある先輩も最近買ったらしく、無理やり付けたサプレッサーとフラッシュライト付けて運用する予定だそうです。スライドぶっ飛びといってもすべてのM9がそうというわけではなく、そういう事故があったのはNavy SEALsのみです。実際、強化してない 標準スライドが10万発の使用に耐えるというデータもあります。なので実際にはM9はそこまで壊れやすい拳銃ではありません。まぁ銃の耐久なんて射手の扱い方によるところもあるので、乱暴に扱えば寿命は縮みますし、丁寧に扱えば何年でも持ちます。

ちなみに今回、一番大変だった箇所はなんだと思いますか?まぁ、みなさんお分かりかも知れませんが、ルイズコピペです(迫真)。固有名詞をいちいち入れ替えるのがめっちゃ大変でした。なので一部意味が通じなくなってるとこがあるかも知れません。 

今回は少し画像を使用してみたのですが、もし著作権に引っかかってたらご連絡ください。すぐに削除します。


あと、記事の該当部分にも書いたんですが、今回はエアガンなどの遊戯銃の破損した画像がありますが、これは筆者の自己責任ですので、メーカーさんに責任はありません。特定のメーカーさんを誹謗中傷する意図もありません。また、掲載画像には遊戯銃の破壊、改造を煽る意図は決してありません。なお、この記事の画像で子供が真似をして怪我をした、壊した物が戻せなくなった、などには責任を負いかねます。

ちなみに、遊戯銃、特にガスガンやエアガンなどを改造して威力を上げると殺傷能力を持つ空気銃扱いになって銃刀法に触れますので、みなさん改造はやめましょう。ガンマニアの信用が落ちてしまいます。

まぁ暗い話になりましたが、要は法律に触れるようなことをしなければいいのです。


相変わらずのグダグダっぷりですが、今月のトリビアコーナーはこれで終わります。


Laugh and grow fat!

以上、トリビアコーナー四連勤の溝口でした!




*本記事内ではM16自動小銃を「信頼性の低い銃」と解釈できる記述を行っていますが、記述にはメーカーやユーザー、アメリカ軍、M16小銃を中傷する意図は一切ありません。あくまでベトナム戦争当時の米軍の敵対勢力が主に使用していたAK-47などと比べて信頼性が低いと思われていた、という意味です。実際、M16シリーズに使用されるダイレクト・インピンジメント方式(DI方式、ガス直噴方式)は他の作動方式に比べて汚れやすく、整備を怠れば動作不良を起こしやすいという点があるものの、しっかりと整備点検を行えば問題なく射撃を行うことができます。