『エージェント・オレンジ』のこだわり③

三矢監督が前作『アナザー・サン』の公開時メッセージでも語っていた通り、歴史研究同好会制作の舞台では、時代感の演出にこだわっています。

中でも、小道具と衣装は三矢監督の意向によって、一般的な学生演劇では見られないほどのこだわりが見られます。

『エージェント・オレンジ』では、様々な小道具が使用されており、それらの多くは歴史的考察に基づいているものでした。

例えば、こちらの写真は、南ベトナムの大統領官邸(現在の統一会堂)内という設定の場面を切り取ったものですが、机の配置は、実際の南ベトナムの大統領執務室を模して行っており、写真では見えませんが、電話の配置等も再現されています。

前作『アナザー・サン』に引き続き、使用する銃器にも気を使いました。今作でも、前作を踏襲し、登場する銃器は基本的に当時のものを模した物を使用し、登場人物が当時で言うところの西側の人物か、東側の人物かで厳格に使用する銃器を分け、撮影に臨みました。


その分野のファンが多い分、小道具については試行錯誤を重ねましたが、その結果、良い方向に舞台を導けていたと思っています。


執筆:総帥