LP500 ランボルギーニ カウンタックの修理

LP500 Countach Repair.

1.LP500 ランボルギーニ カウンタックの修理

かなり古い1977年代の40MHzのラジコンです。

 一度修理しましたが、CR部品もかなり劣化しており、温度、電池電圧の低下等で発振パルスの制御間隔が不安定で動作不良になることから再入院されたおもちゃです。

 全体的に老朽化による部品の劣化と故障箇所が複数見られます。送信機では、電波の制御信号の不安定とスティック棒のネジ止めの破損等が見られます。

 受信機側では、超再生検波のため受信電波の不安定、前輪サーボモータのギヤ破損とガタが見受けられ、制御回路用ICが不良で代用が不可になっています。

 そのため、送受信回路を2.4GHzに換装する予定でしたが、中国製部品のため、日本のラジコン電波は、27MHzと40MHzに規定されており、2.4GHzの電波は、技適取得がないと抵触する恐れがあり、既存回路の改造及び調整することとしました。

2.制御方法

 送信機は、トランジスタ単安定マルチバイブレータ3連結で、0.1~0.2msのパルス幅を1制御単位として3個生成し、パルス間隔0.5から1.5msのパルス幅で、1つ目から2つ目のパルス間隔で前輪左右、2つ目から3つ目のパルス間隔が後輪前進、バックを制御しています。全体幅は10ms内で制御パルス間は、約20ms単位の繰り返しで停止信号はありません。電源ONでは常に電波出力状態となります。

R:0.5ms~1ms、L:1ms~1.5ms

F:0.5ms(低速)~1ms(高速) B:1ms~1.5m

 中央の1ms辺りの間隔が停止位置です。この短いパルスの間隔を、単安定マルチでのCR値だけでパルス幅を制御するというシンプルな制御方法を、ラジコン用ICがないアナログ時代に、よく考えられたなと思います。(制御方法が簡単で、さらに超再生検波方式なため、ラジコンとしては、誤動作や、不安定になりがちです。)

 修理おいては、不安定なパルス幅をアナログ制御することは、現状では、部品調達含めて、そう簡単ではないため、受信機側の超再生検波回路からのパルスを取得するため、マイコンチップ(Arduino ProMini 5V16MHZ) を導入することにしました。

写真は、定電圧電源導入後の送信出力波形(電波はこれに40MHzのAM搬送波が乗ります。)

3.受信機側修理

 前輪サーボモータは、ラジコン用サーボモータも大昔のもので、パルス数で、左右を回転させる仕組みでかなり大型ものです。モータギヤ(交換)とギヤにガタがあり、及び制御するICが不良でこれは修理ができません。そこで左右の方向舵の角度まで回転させるマイコンのプログラムで制御します。ストッパーは、パルス数カウンター、及びR:0.5ms以下、L:1.3ms以上(要調整)のパルス幅でモータ停止する仕組みです。

 また、超再生検波の出力波形が不安定なので、検波回路を改造しパルス波形をコンパレータで整形してマイコンに入力させました。

 マイコンでは、パルス幅をチェックし、前輪にはモータドライバー(MX612)を介して左右方向舵制御をします。

 後輪では、スピード制御のためPWM出力で後輪の既存H-ドライバー回路に直結させましたが、このH-ドライバー回路が曲者でバック信号の入力は、+電位で停止、それ以下のマイナス電位で走行するという、PNPトランジタで動作する入力回路でした。そのため、電池の電圧変化で勝手に動作するという不安定な代物でした。勝手に暴走するという意味がわかりました。

 マイナス制御は、マイコンに馴染まないので、NPNトランジスタを噛ませ反転させて、ドライバー入力信号としました。

 また、マイコンを動作させるため006P9V電源と単2、4本6Vの電源を一本化し、6V電源からDC-DCコンバータを追加し9V電源を生成しました。

 これにより、超再生回路の9V電源は不要になり、安定化が図れました。

4.送信機側修理

 ラジコンの動作不安定は、電解コンデンサー等の部品を交換したものの、0.1msのパルス幅制御は、006P 9Vの電圧降下特性や、使用部品の精度、老朽化等によるCRの時定数が変化して、パルス幅が不安定によるものもありました。

 特に電池の電圧変化(降下)によるものが大きく、そのために制御信号を安定させるため、006P9Vを単3、2本3VからDC-DCコンバータで9V電源化としました。

 また、電池の容量チェック用と電源のON/OFF視認用に赤色LEDを追加しました。

 動作確認では、方向舵の動作音は、相変わらず大きく、その他は特に問題なくラジコン走行できました。

 周囲温度など環境の違いで、まだ、まだ動作が不安定なところがありますが、スティック棒下のトリム調整ボリュームがありますので、これで、不安定な場合は、パルス幅を調整していただくこととします。

 防備録:

送信機 回路図

受信機 回路図