サウンド新幹線N700 修理

Sound Shinkansen N 700 repair.

1.サウンド新幹線N700 修理

 新幹線N700のおもちゃの配線が切れたという依頼です。

 このおもちゃは4つのボタン操作で案内、警笛、発車ベルなどの音がでてモータ動作とともにLEDが光るおもちゃです。音は途中で止められませんが、かなり大きなリアルの音なので周りがびっくりします。


 東京発 新大阪着で発着のJR東海の案内サウンドが鳴りますが、一応、名古屋飛ばしのサウンドになっています。笑

2.ICチップ回路の基盤取り外し

 配線がきれたということなので、ICチップ回路のスイッチ基盤の取り外しです。

 縦型にICチップ(COB)が付けられ、スイッチ及びコンデンサー程度で電源SW、フューズ等もなくシンプルな回路のようです。このICチップを交換することでスーパーこまちやサウンドJR等他の種類のサウンドおもちゃに変更できるようにしてあります。


 モータを動作させると電圧降下のためかLEDが発光しません。釦操作は、警笛が3回ならないと次の釦操作が動作しないようなIC回路の仕組みです。大きな音を途中で止められず待たなければなりません。釦操作をしたら止まるかと思い、これも動作不良なのか悩みます。

このスイッチ基盤だけでも外部電源をつけることで動作確認ができそうです。

3.不明な基盤

  配線が切れてどこに取り付けてあったのか、不明な基盤でした。

トランジスタもどきのものが2ケ、ダイオードが2ケ、あとは電解コンデンサーがあり、インダクタンスが1ケ付いています。

シンプルなトランジスタ回路と思ってしまったのが運の付きで、回路的にショートすることになり、スイッチ基盤からの配線をどこにどう取り付けたら良いのやら試行錯誤で、各ドクターも悩むことになりました。

 結論的には、2組のDCーDCコンバータの昇圧回路で黄色○側が4V、水色○側が6Vの定電圧の出力が出てきています。どうも赤色○の電源からインダクタンス経由で昇圧するIC(表示は501C)が左右に入っています。

なぜ2組の電圧が必要なのか、これはこれで悩むことになりました。

 電源は、単2乾電池の3V仕様です。2.5V程度に落としてもモータもICチップも動作します。LEDは3V以下では発光しないので、4Vの行き先はわかりました。

しかし6V端子(水色○)の行き先がわかりません。使えるところがありません。ただ同じICなのに出力電圧が異なるのもおかしいものです。

6V端子は、LED配線にすると48Ωの制限抵抗(6Vなら200Ω程度)のみになり問題がありそうです。なお、そのままICチップの電源にもできないので、使わないこととします。

 結局、3V(赤色○)の電源端子に、モーター及び、ICチップ電源に、昇圧後3V出力端子(青色○)にLED配線としました。GND端子は電解コンデンサのマイナス側としました。

4.回転台式駆動輪

 回転台の駆動輪が前進方向に進み、車体に何かが当たると方向転換する仕組みです。

 なおモータなしでも動かせる用に車輪の中央にスライド釦があります。これで車輪を上下に移動させ駆動輪を外す仕組みがあります。

 回転台の駆動輪はよく車輪に負荷がかかり動かなくなることがあります。車軸のクラウンギヤがスリップします。軸に新たに凹凸をつくり、瞬間接着剤を軸とギアの間にしみこませ、元の位置に戻すことで何とかなりました。


追補 (左側のICの6V出力はバラツキ品で、本来は、4V出力でLED配線用、右側ICの3VがICチップの電源用にする方法だと思われます。モータを起動した時はかなり電圧が下がるためその時のLED及びICの動作を保証するためだと考えられます。)

 左右対称な回路なためICチップ用電源として6V出力の左側のICを→3.3Vにする調整抵抗等を追加してみることにします。