CANDYBONG-Zの修理

CANDYBONG-Z repair.

1.CANDYBONG-Zの修理

 ペンライトのCANDYBONG-Zが、スイッチを押しても光らなくなったという依頼です。スイッチを押下すると一瞬、白く光りますが、後はスイッチに反応しません。

 TWICEの公式ペンライトで最新版のようですが、スマホからBluetooth経由でアプリをダウンロードできる仕組みがあります。


2.分解

 修理ができるように作られていないので、分解はかなり困難です。

 Sドクターが何とか乳白色カバーを外し、分解することができました。グリップのバッテリーケース内の4本のビスを外すと付け根が少し緩むので、乳白色カバーのX形の位置に4つの突起があり、それを起こして行くと外れそうです。

(スイッチ側がLED発光体のネジ部がありよさげ)

使用部品:IC(CSR1020:マイコンチップ)、219AF828(2.4GHz送受信機)、2H907(SPI-FLashメモリ)を、レギュレータ(HX330)で3Vに落として使っています。

 発売メーカは韓国ですが、主要部品、製造は中国製になっています。

 LED発光体(両面)は、外周と中央に分かれており、片面外周は、マイコン内蔵フルカラーRGB LED(WS2812Bx12個)とSMD白色LED(12個)からできており、中央は、3原色用のLEDx3個配置されています。マイコン内蔵LEDは、マイコンから通信することで、配色をコントールしています。また、それ以外のLEDは、プルアップ制御で点滅制御が可能になっています。

 LED発光体との接続端子は、Vcc、R、B、G、W、OL、GndになっておりR、B、Gが中央のLEDで、W、OL(マイコン内蔵LED)が外周のLEDです。

 故障の原因は、基板のIC(マイコンチップ)が発振していません。

  IC不良です。

3.Arduinoで代用修理

 IC不良のため代用マイコンにて換装します。

 マイコン内蔵LED(WS2812B)は、Arduinoマイコンでもライブラリ(Adafruit_NeoPixel)があり、サンプルスケッチで点滅制御が可能です。

 Arduino-UNOでArduino-IDEを使ってLED発光体に接続(Vccは、UNOの+3V)し、ライブラリの単独動作確認を行い、さらに、パワーダウンの電源管理をするため、押ボタンスイッチによるスリープ機能の動作確認も行いスケッチを作成します。

  配色は光の三原則の7色が基本です。

マイコン内蔵LED仕様


4.Pro-Miniに換装

 おもちゃへの収納と、バッテリー電源が、単4x3 4.5Vなので持ち合わせのPro-Mini168P 8M3.3Vに換装します。

   何とか収納スペースもあり、換装ができそうです。基板は、スイッチ、電源、回路配線等を若干改造し流用します。

 ローカルテストでは、マイコン直接出力の負論理で可能ですが、実装するには、マイコン内経由でLEDが点灯するため、正論理をNPNトランジスタ等で反転(負論理)にする必要があります。

5.動作確認

 CANDYBOMGのおもちゃは、そもそもアイドルグループのファン用アイテムなので、発行する色は、好みがありそうです。

 なお、マイコンを換装したことで、Bluetoothによるスマホからのアプリのダウンロードはできなくなりますが、メーカでは、ダウンロードアプリは、いまのところ考えていないとのことです。

 これをガラスの花瓶の下に置くと光のアクセサリーになりそうです。


6.カラーバリエーション 制作例

 せっかくのカラーLEDなので、以下の6種類のパターンを作りました。

(SWはスイッチ押下(4回)、表示は表裏面同じ)

         外周 中央 点灯 回転速度

・SW1:      白 白 連続 なし

       ・SW2:      白 マゼンタ 連続 普通

・SW3: 各8秒点灯 普通

パターン1: 白 マゼンタ

パターン2: 赤/青/緑 緑

パターン3: 青 黃

パターン4: マゼンタ/黄/青 白

パターン5: 赤/マゼンタ 赤点滅 (2分割 擬似(Twice風))

・SW4: SW2と同じパターン 各8秒点灯 速い

・SW5: パワーオフ(cpuスリープ)

 なおカラーバリエーションのパターンは、外周と中央の組み合わせとなりますが、表面実装のLED数(54個)が多く、パターンによっては消費電流(maxパターン:400mA超)が多くなり電池が長持ちません。また、パワーオフでもマイコン内蔵LED(24個)に常に電流(20mA)が流れ消耗している状況です。

 消費電流を少なくするため明るさ設定で調整しましたが、max150mA程度までが限度でした。なお、動作中のProMiniは、約20mA、スリープ中でも0.9mAです。

この電気大食いのため電源オフするスイッチを組み込みたいのですがケースにスペースがありません。

 そのためなのか分かりませんが、バッテリーホルダーの電池の+接点がスプリング式になっており、バッテリーケースを緩めることで電源を完全にシャットオフできます。

(注)

 パターン5:オリジナルでは、外周:赤/橙に見える?(2分割) 中央:赤の点滅ですが、擬似的に赤/マゼンタ(2分割) 中央:赤点滅パターンとしました。