フェラーリ ラジコン 修理

RC repair of Ferrari.

1.フェラーリのラジコン修理

フェラーリのラジコンが動かなくなったという依頼です。

使用周波数帯は40.68MHzと書かれています。

安全のためか車体にアンテナが立っていません。アンテナはボディの裏側に貼り付けてあります。

おもちゃ名:電動R/C 1/24 フェラーリ 458

2.原因探索

まず、送信機の電波状態を調べます。

オシロでは送信周波数は、41.7MHzを示しました。商品表示と約1MHzの誤差ありそうです。

次に、波形を検波して信号を測定します。

1KHzの矩形波です。

4個の制御波形後のパルス数で前後左右をコントロールする仕組みのようです。

信号の矩形波は、かなり崩れた波形ですが、送信機としては、問題なさそうです。

これで故障の原因は、受信機側にありそうです。

3.車体側の受信機の調査

  分解すると、回路基板に、RX-2BというICを使っているようです。さっそくネットからデータシート(PDF)を取得し、規格、チップ配線、回路図等を参考にします。

 受信機のチップは、3PINが入力信号、14PINが、受信電波増幅後の入力、6PIN、7PINが左右操舵、10PIN、11PINが前後走行の出力PINだとわかります。

このおもちゃは、超再生検波方式のようです。

ちなみに、ICのVccは、13PINで3V仕様です。

RX-2Bのサンプル回路

4.故障原因

 受信機の電源系等は問題なく、受信電波の増幅後の14PINの状態をオシロで観測します。

受信周波数は、41.7MHzでした。このおもちゃは、送信機と受信機とキッチと合わせているようです。

 3PINの入力信号は、検波された1KHzの信号波でしたが、なんと矩形波ではなくほとんどサイン波の波形でした。コントロールには問題が無いでしょうが、受信回路は、問題なし。

 6、7、10、11PINと確認しても、ICからの出力信号は出ていません。ちなみに、Vccの13PINは電圧が出ません。電源は正常なのに13PINはアースにどうも落ちています。ICの故障です。

 サンプル回路では、ICのVcc電圧を規制するため3Vのツェナーが入っていますが、現物には外してあります、なんらかの過電圧が、ICに加わったのでしょうか。

また、他のモータドライブ系の、トランジスタの導通を調べてみましたが、問題なさそうです。

ICのRX-2Bを交換すれば、治りそうな感じです。パーツの入手待ちとなりました。

  このICは、12PINにTubo機能があります。

 部品を少し追加すれば簡単に改造でき、同一機種と競争するにはおもしろそうです。