周波数カウンター、電圧計の追加及び測定精度 その3

Addition of frequency counter and voltmeter.

1.周波数カウンター、電圧計の追加

 主な追加機能は、周波数カウンター、電圧測定への改造、電解コンデンサーのVloss補正、及びバグ等吸収ファームのアップデートです。(Ver1.12 rev626 1/24版)

周波数カウンターと電圧測定は、別のミニ端子とし、スイッチで切り替える方法としました。

 またついでに、わかりにくいメニュ表示を、変えてみました。(日本語は別途検討)

<補足>

 購入時とファーム更新時は、キャブレーションを行い、測定精度を確かなものにします。(取扱い説明書参照)

なお、おもちゃ病院用の説明書は改造バージョンで、購入キットの作成マニュアルとは異なり、操作、表示内容を変更し購入キットより最新で機能もバージョンアップしています。

2.周波数カウンター

 この機能は、この16☓2のLCD液晶タイプでは、周波数カウンターの入力と、LCDのキャラクタ制御端子が競合するため、ファームを改造する必要がありました。

最新の購入Kitは、周波数カウンターとロータリエンコーダの機能が、組み込み済みのファームになっているようです。

 手持ちのDDS発振器の三角波の111111Hzの周波数で111.111KHzと測定されました。

どちらかがわずかな誤差がありそうですが、通常使用するには問題なさそうです。

25KHz(±1Hz)以上は、周期表示がないですが、8MHz程度まで測定出来そうです。サイン波、方形波、三角波、鋸歯状波等の測定ができました。

3.電圧測定

 DDS発振器の電圧を測定してみました。約120mVと表示されました。小数点2桁の電圧から50Vまで測れそうです。

バルボル電圧計がないため、どの程度誤差があるか分かりませんが、目安程度の測定に使えそうです。

 改造は、180KΩと20KΩの抵抗で分圧して、端子(回路図参照)に接続し、Makefileを変更します。

 この回路にVCCを加えると5V以下のツェナーダイオードの動作電圧の測定ができます。回路基板等で実際使われているものが、何Vなのか測定が可能になります。今回は、VCCの印加はしていません。


4.抵抗値による精度確認

 LCRメータはどの程度の精度なのか、アナログテスターを混じえて抵抗で確認しました。

470Ωの5%誤差の抵抗値を中級アナログテスターで測定したところ、詳細な目盛りがわからず大体450Ω付近を指しています。

次にデジタルテスターで測定したところ、469Ωまたは、470Ωを交互に表示しました。

 LCRメータでは、469.6Ωを表示しました。0.01Ω(分解能)まで可能なため何だか正確に思えます。

 抵抗値は5%の誤差内にあるので、使う分にはどの計測でも問題ないですが、アナログテスターではあまりにも大まかであり、LCRメータが一番詳細な表示です。

5.Kitの課題について

 このキットの一番の課題は、使用する電源です。あまり消費電力は少ないものの9Vの006Pの積層電池を使います。また、ロータリエンコーダを組み込んだため9Vの電池スペースがなくなったことと、この電池は長期的に使うのには少々不便な電池です。

 なお、回路的には、5V程度の電源があれば液晶、IC関連は動作するのでUSBモバイルバッテリーや携帯電話、スマホ等のリチウム電池が使えないかという課題があります。

 当面は、USBアダプター電源から9Vに昇圧するアダプターや9V電源アダプターを使用することになります。

6.Kitのまとめ

 Kitを作成する段階で、いろいろなことがわかってきました。

このKitを購入しないと機能が実現出来ないということではなく、フリーなプログラムが提供されているため、もっとシンプルな回路で作成することができます。(回路図参照)

消費電力を抑えたり、DC/DCコンバータを使えば、1.5Vや3Vの乾電池での動作も可能です。さらにほとんどの機能は、抵抗6本で測定しているため、Arduinoでも利用出来そうです。