百均防犯ブザーのスピーカチェッカー

Speaker checker of one hundred yen security check buzzer.

1.百均防犯ブザーによるスピーカチェッカーの作成

  百均の防犯ブザーをスピーカチェッカーに改造する方法は、ネットでも数多く紹介されています。

おもちゃのスピーカの良し悪しを判定するのに便利なツールです。

 この度、ドクターOさんが日本おもちゃ病院協会の研修会で作成されたスピーカチェッカーを各ドクターに作り方も含め横展開され大変好評となっています

2.分析

 この防犯ブザーがどのようなものなのか、分析してみました。電源は単4電池2個で、回路はマグネットが離れリードスイッチが切れることでICが動作し、圧電スピーカがピーピーと鳴りかなり大きな音がします。

 L(昇圧コイル)の一次側で、10V程度、2次側では25V位までに昇圧されたパルスが出力されます。

Lは、4端子(旧製品)と3端子(2端子が直結)があり、昇圧の仕組みは同じです。

安価の割によく出来た商品と思います。

3.簡単な改造

 簡単なスピーカチェッカーへの改造は、高出力する昇圧コイルを外して、そこにスピーカチェックの端子にして、音出しができるかチェックしようとするものです。

波形観測を8Ωの抵抗で測定すると、約3Vの2KHzの方形波が観測されました。

ところが被測定スピーカを接続してみると、方形波の先端に約3倍のピークノイズが発生することが分かりました。

 (オシロ測定は約2V時)また、スピーカからの音量はかなり大きく五月蝿い程になります。

 最近のICは、3V動作するものが多く、もし、スピーカをIC回路に接続したまま、チェックしようとすると、ICが破損する可能性がないとも限りません。

4.さらに改造

 スピーカチェッカーをさらに試作的に改造してみることにしました。

① スピーカ接続でのパルス性ノイズを削減する。

② スピーカ出力を好みの音量で調整する。

③ 出力端子のショート(短絡)防止をする。

④ 判定の良否を音以外でも可能にする。

 これは断線チェッカーとしても使えるかも。

ICの出力回路に1uFのコンデンサーと2色LED、端子に220Ωのボリュームを追加してみました。

ICは、YL3710という表示の8PinDipですが、4Pinしか使ってなく仕様がよく分かりません。1.5Vから5V程度までは問題なく使えるICのようです。

なお、改造回路のリードスイッチ部は、基板から部品を外すのが面倒のためそのままにしました。

5.改造後

 圧電スピーカを取り出し、ボリュームを配置し適度に音量を調整できるようにしました。

 パルス性のノイズを吸収するためIC出力に1uFのコンデンサーを追加しましたが、容量が大きすぎるのか補正が効きすぎています。0.1uF以下でも良いかも。

音量調整のボリュームが、被測定回路の保護をしつつ適度の音量でチェックが出来そうです。

6.試作の完了

 百均の単4充電池x2を入れて見ました。2.4Vでも問題なく動作します。

スイッチオンでもスピーカ端子を接続していないときは、LEDが赤色が発光し、スピーカを接続すると緑色が発光します。発光の明るさは、接続するLEDの抵抗値で適当に好みで調整します。

 この回路の場合、赤色は常時発光なので明るさを落とすため100K、緑色は100Ωとしています。試作の完了です。 後は使いながら様子見とします。