2.4GHz ラジコン(Hummer)  修理(PWM換装)

 2.4GHz radio control (HUMMER) PWM conversion.

1.2.4GHz ラジコン(HUMMER)の修理 PWM換装(保護機能付)

 他のおもちゃ病院でリモコンの電波が出ていないということで修理不能として返却されたラジコン(HUMMER)のおもちゃです。遠方までお越しになられ依頼されましたので、その熱意にお応えするために修理させて頂くこととしました。

 2.4GHzのラジコンとしては、少し前のタイプのおもちゃですが、ただ、このおもちゃは室外で遊ばれていることもあり、保護対策等が必要になりそうです。

2.故障の原因と対策

 主な原因としては、ラジコンカーの後輪モータが全速ではなくチョロチョロしか回らずどうもICドライバー等の不良です。そのためなのか、回転させるためにリモコン側のボタン押下のため送信機に負担がかかり、リモコンの通信モジュールが焼損になった模様です。

 また、ギヤチェンジレバーが固くスピードは切り替えられなくなっています。修理方法としてプログラムはシンプルに、構成部品はなるべく少なく安価に押さえる等に配慮します。

<主な対策>

1: ラジコンカーの前輪側基板がトランジスタ式のHドライブである。

 →ショート対策としてソフト的にボタンの同時押下を回避させる。

2: スピード切り替えレバーが硬すぎる。

 →PWM制御によるスピード調整をする。

3: リモコンの前進/バックが抵抗式の検出である。

 →マイコンによるA/D変換で検出する。

4: 通信不良による制御不能対策。

 →通信パルスによる電波チェックを行う。等を検討してプログラムを作成します。


 リモコンの送信機側は、安価なATtiny13を使用します。A/D変換のアナログ入力により、前進2段、バック2段の電位差を読み取りTurbo、Forward、Backとして、送信します。

 なお、検出が5KΩボリュームのため抵抗値が小さいので追加してATtiny13の検出を良好にします。 残りのPinを使って、長間隔のパルス信号(数百m秒単位)を生成して通信状態の検出用にします。

3.後輪側対策

 後輪側もATtiny13を使いたいが、いかんせんPin端子数が不足するため、手持ちにPromini5v16Mがあったのでこれを使うこととしました。

ただし、ArduinoのPWM制御は周波数が約490Hz以上あり、通常のマブチモータでは反応しませんが、このおもちゃでは問題なさそうです。

 しかし、基板回路も反応しないためソフトウェアで周波数を変更する対応もありますが、今回は、基板のドライブIC等の変更も必要なため入力系をFETに置き換えました。この方が後輪側は部品数はかなり削減できます。

 全輪をPWM制御として速度制御を可能にして、後輪側は、ギヤレバーの2段式(固くて実際は使えない)とソフトの2段速合わせると、4段速の速度調整が可能になる。前輪は、左右で出力の回転力が異なるのでPWM値で調整が可能になった。リモコンボタンの同時押下対策もソフト的に対応しました。

 なお、 Prominiのプログラムを変更するため、SPI端子を基板に追加し、防水のため追加基板は、いままでの基板の反対側に接着し、若干の隙間を確保しました。

4.その他

 通信不能によるリモコンの制御不能回避として、ラジコンカーの停止と受信モジュールのリセット及び、ヘッドライトLEDの点滅をサポートしました。また、リモコン側にも電池チェッカーとして使えるようにLEDを追加しました。

これで、室外での電波が届かなくなっても安心して遊べそうです。

(リモコン側の青いLEDが点灯しているときは、リモコンの電源がONになっている場合です。)


 通信回路図、プログラム等は非開示です。