RC 2.4GHz換装 実験

Converted to 2.4 GHz radio control experiment.

1.おもちゃのラジコン(RC) 2.4GHzに換装 実験

  おもちゃのラジコンは、2.4GHzが全盛ですが、日本では、ラジコンは27MHZと40MHZに限定されており、2.4GHzのラジコンは、独自に技適を取得する必要があり、一般的には使用できなくなりましたが、昔ながらのアナログの27、40MHzラジコンでは、電池電圧も6Vから9Vと高く回路回りも複雑でした。

 2.4GHzの無線にはnRF24L01(RF送受信機モジュール)をArduino(MCU)使って2.4GHz帯の通信を行う方法はありましたが、これでは、趣味的なものでおもちゃの修理には簡単には手がでませんでした。

何とか昔のラジコンを2.4GHzに換装できないかと思っていたところ、

 Aliexpressに、RF+MCU付きの安価なモジュール($0.8程度)が販売されていました。これなら2.4GHzのデジタルラジコンとして、換装できそうなので、実験してみることにしました。

 他にも使いみちがありそうなJDY-40というモジュールを2個使います。送信機も受信機も同じモジュールで初期設定でいろいろな機能をもたせられます。

 モジュールに6Pinの端子を付加し、デフォルト値から送受信機用に変更してやります。

2.RC用 接続テスト回路

 このモジュールは、Arduinoや、スマホなどのMCUを経由した通信方法もありますが、ここでは、ラジコン(RC)用にシンプルな通信設定とします。

 送信用モジュール側にテスト用のスイッチ回路を付加します。受信用は、3V出力端子に1KΩ(保護抵抗)をつけてLEDを付加しましす。電源は3.6V以下なので、3.3Vの三端子レギュレータ経由とします。

 モジュールの入出力端子数(GPIO)は、最大8個、インジケータに使っても7個まで使えます。普通のラジコンには十分なGPIOです。設定は、送信ボタン押下時、受信側は3Vの出力で離したときに0Vにすることとします。

3.初期設定用USBアダプター

 モジュールの初期設定用にUSBシリアル変換アダプター(USB-TTL変換)

を使います。使う端子は、VCC、TX、RXとGNDのみなので、送受信モジュール側のCS、SETのPinは、GNDに落として使います。

電圧は3.3V設定で使います。またRXとTXは相互に反対接続になります。

4.Arduino IDEのシリアルモニター

 モジュールの初期設定用の端末は、Tera Term等何でも可能ですが、使い慣れたArduino IDEのシリアルモニターを使いました。

初期設定のコマンドはATコマンドで説明書通りにすれば簡単です。USBアダプターを接続して、ポートと書き込み装置(BusPirate as ISP)を選択して、シリアルモニタを、9600B/sとCR+LFを設定してやります。

5.モジュールの初期設定

 モジュールの説明書をもとにシリアルモニターからATコマンドを叩きます。

AT+RAIDで+RAID=4 :(9600B/s)と応答があれば、モジュールは正常動作しています。応答がないときは、誤配線か、ハンダ付け不良による通信不良です。

ATコマンドは、説明書の順番に入力してみて、デフォルト値かどうか確かめられます。送受信チャンネル、送信パワー、通信方法等、必要なパラメータ設定し、OK、STARTと表示されでば設定完了です。

 実験では、ほとんどデフォルト値ですが、送信側は、AT+CLSSはC0で、受信側はC4としました。


英文モジュール説明書


6.動作確認

 ブレッドボートにモジュールを組み込み2.4GHzの通信の確認です。送信側のPin端子と受信側のPin端子が一致していれば、送信側のPin端子の押下で受信側のLEDが点灯します。距離を約10mほど離しても届きました。何でも説明書では120mと書かれていましたがこれはなんとも眉唾です。

これならラジコン用に使えます。パワーはデフォルトMaxで+12dbmとなっていますが、国内法では、微弱電波は3mで35μV/m以下(到達距離は数十m)と決まりがあるため、約30m以下になるようにパワー設定する必要があります。また、送信電流40mA、受信電流24mAで待機電流は、5μAとしていますのでかなり省エネになっています。

 このモジュールを使えば、サーボ方式(PWM等)の本格的なラジコンには無理でも、大抵のおもちゃのラジコンは、このモジュールで換装することが可能になります。

昔のラジコンも蘇ること間違い無しです。

(GPIOのPinの3V出力をHドライブがトランジスタ入力の場合は0.5〜1KΩ程度の抵抗経由、ICの場合はそのまま入力とします。換装では多分基板が設定済み)

   また、2.4GHzの無線リモコンとしても使えそうで、スマホやネットから家電等を制御したり、いろいろと面白いものができそうです。これはいいです。

7.設定値

1.電波法上 10mw以下にすること 6を設定する

dbm -15     -5        0    3    6    9    10    10    12

mw   0.03    0.32    1    2    4    8    10    10    15.8 


2.回路図

2.4GHz JDY-40 利用例

ATtiny JDY-40 利用例

ATtiny 通信チェック JDY-40利用例

         出力設定(規格)

        1         2        3    4    5    6    7        8        9


(追補:PWM(2K〜50K)の速度制御の実験では、スイッチのチャタリング防止のためか、高速ON/OFF制御が不可なため、デューティ比の変更できませんでした。)


8.追補

 初期設定は面倒という場合には、価格が少々高めになりますが、初期設定済みのペアモジュール(TY24D-TX、RX)のセットものも有ります。

(GPIO数は6個で、チャンネルやパワー等の設定値は不明です。)

 消費電力(待機時8mA)も多少多めになりますが、1対Nの組み合わせが可能なため、当初のみRXのB7端子をGNDにし、TXのA7を押下してペアリング(送信側を特定)を行います。また、RXのB8を+VCCとすることで、TXのGPIOボタン(ON:GND)の押下時間に連動します。

  Pin端子をつけて動作確認してみました。これも問題なく使えそうです。

なお、このICチップ(BK2461)のモジュール商品は、外観が同じように見えても、他商品(L24YK、JDY-40等)とは、お互いプログラムが異なり互換性はなさそうです。