オシロスコープ

DSO150 オシロスコープキットの作成(2017年版)

DSO150 Oscilloscope.

1.DSO150 オシロスコープキットの作成

 デジタルのおもちゃの修理で、オシロスコープでの波形観測が必要ですが、据置き型の精度の良いものは大きくて高いものです。測定の仕方もチョットしたノウハウも必要です。

「おもちゃの修理で測定するぞ」と構えてやらなければならないので少々面倒くさいものでした。

そんな折、低周波に限定した最新版の1CHの簡易オシロスコープDSO150がキットとして販売されましたので作ってみることにしました。


 商品名:DSO Shell (DSO150) Oscilloscope DIY Kit

同じような商品にAVR DSO150と言うのがあり、2x DC チャンネル(最大5V.)ですが、ケースがなく白黒です。

表示の画面は、LCRメータの1kHZのPWM発生の状況です。Duty比19%程度ですが、波形観測もできて、電圧、周波数なども表示されます。

 非常に綺麗な見やすい波形表示で操作も簡単で、コンパクト(115mm X 75mm X 22mm )で軽い(100g)ため、じっくり測定するのは据置きに任せ、ちょっとしたサブオシロとして使います。

2.キットの中身

 DSO138という簡易オシロスコープが秋月電子でも売られ好評だったようですが、これはその後継機です。

改良点としては、電圧測定範囲が拡大(10mV−5V/divから5mVー20V/div)になり、ロータリエンコーダで操作性が向上しました。なんと言っても最大の改良はケース付になったことです。

 値段もDSO138と余り変わりません。ただコピー商品が数多く出回っているようです。(コピー商品である旨のMSGが立ち上げ時に出るそうですが、よく分かりません。)

 

<正規品の見分け方>

基板のシリアル番号が立ち上げMSGに表示される。

3.開封

 開封すると、アナログ部とデジタル部に基板が別れ、キットで作成するのは、主にアナログ基板です。表面実装等の部品はメーカで作成済みになっており、DSO138より改良されています。液晶は2.4インチの TFTカラーで 解像度は320 x 240です。

 このメーカでは、組み立ての前に電源接続して部品のチェックを要求しています。ここで問題があれば販売店またはメーカに連絡するように指示しています。

また完成するまで対応もしてくれるようです。


3.キットの作成

キットには、カラー版作成マニュアル(英語)2枚と回路図がついており、作成ステップ毎に、チェックマークを付けていけば、簡単に作成出来そうです。

CRの半田付けですが、作成する前に部品の数値の点検です。LCRメータでCRを測定していきます。抵抗は1%の部品となっていますが、かなり誤差のあるものもあります。

 

 精度を高めるには、フォーラムでは、R9は91Ωではなく90Ω、R15は680Ωではなく594Ωが良いとされます。できれば信号系のすべての抵抗を0.1%の許容抵抗で置き換えると精度が大幅に向上するらしいですが、部品が多数あれば選択も可能ですがこの辺が価格見合いですね。

 また作成後は、9V電源アダプターで基盤の電圧測定により、半田付け等の不良チェックが必要です。

最後に内蔵の1KHz方形波のキャリブレーションを行ってケースに組込み完成です。

 キャリブレーションの波形はノイズが乗っており、あまり綺麗とは言えません。9V外部電源アダプターもノイズの少ないものにしないと影響があるかも知れません。

なお電源ジャックは、5.5mm / 2.1mm DCプラグが使用されており、合うものを探しケース穴を若干広げました。