2.4GHz ラジコン(Jeep) 換装 修理

       2.4GHz radio control (Jeep) replacement repair.

1.2.4GHz ラジコン(Jeep) 換装 修理

 2.4GHzのラジコン W-DRIVE プラス JEEP ブラックが動かないという依頼です。陸上も水上も浮かんでガンガン走る! 水陸両用車で、超ゆっくり→超高速まで速度制御ができるというおもちゃですが、購入時から動作が不安定だったようで、いまではほとんど動かないというおもちゃのようです。

 事前確認でも、送信機からは、2.4GHzの電波はでているもののペアリングが全くできません。通常ならばIC不良として返却するところですが、おもちゃの通信モジュールを換装してみることにしました。



2.原因分析

  2.4GHzのラジコンでぺアリングができないおもちゃはあまり見たことがありません。送信機を分解してみると後輪側の制御は、ペアリング、前進、逆転、スピード制御の多機能を、5KΩボリューム1個の部品のわずかな抵抗値の範囲でコントロールしています。

 前進、逆転でプルダウン、プルアップを制御していると思われますが、通信モジュール基板からの電圧が0Vと0.12Vであり、前輪左右の操舵端子は、プルアップ(1.8V)でGND制御しています。

なお取り外した送信モジュールを再確認して見ましたが、3V入力でForword、Back端子には出力はなく、その他の端子は出力が有り、少なくともBack端子に出力がないとペアリングができません。COB(IC)不良と思われます。

また、新品なのに何度も基板を修復した痕跡がありました。

*参考) 送信機回路図

3.2.4GHz通信モジュール基板

 通信モジュール基板は、いままでの2.4GHzラジコンと同等なものでモータドライブ基板も同様です。ただ、ラジコンの通信ファームが異なっているようです。

通信モジュール基板以外の動作は特に問題が無いようです。

なお、送信機の電源は、単3 1.5Vx2の3V仕様ですが、電源に保護抵抗10Ω経由でさらに電圧を下げて使用しています(日本向けに送信出力を下げている?)。

そのため3V入力で2.6V程度まで落ちました。通信モジュールICは、BK2461(RF仕様2.2〜3.6V)ですが2.4V以上は必要と思われます。換装するにはスルーにして、送信モジュールの初期設定で出力を下げることとします。


4.通信基板の交換(JDY-40モジュールに換装)

 2.4GHzの通信モジュール基板は、送受信を同一モジュールにするため両方のおもちゃの通信モジュールの換装です。その後の調整が可能なように初期設定用6Pin端子は付けたままとしました。

このおもちゃの受信機側の基盤は、前輪操舵の制御が、SMDのY2(SS8550)とY1(SS8050)のトランジスタ式のHドライブになっています。

負荷電流を測定したところ前輪ロック等、過大な負荷がかかったとき1.4A程度流れます。9V電源なので、前輪の負荷が過大になったとき、電流オーバでトランジスタが破壊する可能性があります。1.1AのPCTヒューズとモータのインダクタンスによる逆起電力のキャンセラー回路(4個のダイオード)を前輪回路に追加しました。

  また、このおもちゃのお子さんは主に室内での遊びのようなので、特に対策はしていませんが、通信モジュールでの通信は一方向なので、電波が届かないところや、リモコンの送信機側から電源OFF(受信機側からOFFにすること)する場合は、制御不能になることがあります。

5.送信機の動作確認

 送信機の前後制御をプルアップ式にするためスイッチ式に変更します。基板にプリント基板上にスイッチを取り付けレバーでスイッチが動作するよう調整します。

なお、このモジュールでは、左右同時スイッチが可能なので、Hドライブを保護するために送信機側でスイッチの同時押下をさける必要があります。

 おもちゃの通信モジュールは、予め初期設定済みのもので、チャネル番号と、送信出力をデフォルトから大幅にさげて変更しています。なお送、受信機は1対1で複数コントールはできません。

また、おもちゃの通信モジュールのアンテナは基板のままでも電波が飛んでおり、そのまま送受信の通信テスト(受信側はブレッドボードでLED点灯確認)を行いました。


6.動作確認

 受信機側の基板を組み込み動作確認をします。電源ONしペアリングなしで、ラジコン(Jeep)カーはバッチリ動作し蘇りました。

 一応、動作確認が終了したら、ホットメルト等でモジュール、追加基板、配線等を固めます。2.4GHzのラジコンおもちゃの通信モジュールの換装は完了です。

 またサービスで電源ONのとき、ヘッドライト(LED)が点灯するよう追加しました。

基板の回路的にはサポートされていましたがLEDは省かれていました。

また、微妙なスピード操作はできなくなりましたが、そこは腕でカバーしてもらうことにします。

注 *リンク側のセキュリティにより参照できないことがあります。