LCR-T4 トランジスタテスター 改造

LCR-T4 Firm Upgrade.

 改造は、操作性、機能性を向上するためファームの変更等を行います。

 電池式を充電池式に変更(既成品でも充電池式に対応したものもあります。)や、ファームの変更でコンデンサーの1PFの測定、基盤付の配線済みコンデンサーの測定、赤外線コードの測定、周波数カウンター等いろいろな機能追加が可能になり、メニュー表示も好きなように変更することも可能になります。

. LCRメータ(Transistor Tester) LCR-T4 ファームアップ

 既製品のLCRメータ(トランジスタテスター)LCR-T4を1pFのコンデンサー測定をできるように改造したいというドクターSKさんの要望で、現行での最新版のファームにアップデートすることになりました。

 この商品は比較的安価なためか非常に多く出回っており、コピー商品も多いのが特長です。機能はメニュー表示はなくLCRとTrテスターのみですが、ほとんどのコピー商品も含めて基盤回路は同じなので、ファームのアップデートは可能です。

 ただ、中国語表示の独特の画面はなくなり、KiTのような多様な改造にも困難なものです。

. バッテリー仕様に改造


 ドクターSKさんは、3.7Vリチウム充電池を9VまでDC-DCコンバータで昇圧して使用されていました。充電はUSBから行います。

 ケースは何でも百均の画鋲Pinのケースだそうです。LCR-T4がバッテリー含めてうまく収まっています。

追補 ファームのアップデートで何ができるか。kitで紹介(ページ下段)工事中


. ISP端子改造

 このLCR-T4タイプは、現在でもアマゾン等販売されていますが、どうも2種類のモデルがあり、丸い押しボタンが黄色のものは古いモデルのようです。押し釦が青いボタンのものが新しいモデルのもので、違いはLCDへの結線とISP端子Pinの向きが左右逆になります。

 ドクターSKさんのモデルは電源ボタンが四角い黄色のボタンですが、ISPの結線をみると青色のボタンのモデルと同じようです。

 6個のISP端子にPin端子を着けて頂きました。これでファームのアップデートが安全に可能になりました。

. ファームのアップデート

 既製品のLCRメータ(トランジスタテスター)のファームのアップデート手順(工事中)は既にこのHPで紹介している方法で可能になります。ただし本家のHPは、約3年以上も更新されていないようですが、問題なくダウンロードできると思います。

 このLCR-T4のファームは、「mega328_T4_v2_st7565」フォルダのものを使います。Makeは必要に応じて変更しますが、一応、たじみおもちゃ病院特製のメニューに変更してアップデートしています。ちなみに古い黄色のボタンのLCR-T4は「mega328_T3_T4_st7565」のフォルダで可能になるはずです。

 キャリブレーションを行い、ご要望の1pFのコンデンサーの測定が可能になりました。

 メニューにより測定機能が増え性能も向上するファームのアップデートは、コンデンサーが、1pFまで測定できるだけでも価値があるかも知れません。

追補  写真のメニュー表示は、たじみおもちゃ病院特製の改造メニューです。

.さらに基盤改造

 ロータリーエンコーダ用、電圧計等の機能追加のためIC基盤から配線引き出しの改造をされました。ICチップからの配線引き出しは、一度仮プリント基盤へ引き回し後、改造用プリント回路へ配線を行っています。

 あまり例をみない改造ですが、綺麗に収まっています。

.操作性向上

 このLCR-T4の一番の課題は、操作性の問題です。押ボタンからロータリエンコーダを追加することで飛躍的に操作性が向上します。

 LCR-T4でここまで改造されるのは、ドクターSKさん以外みたことがありません。非常に使いやすくなったとご満悦でした。