プラレールの修理

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プラレールの修理について

About Plarail Repair.


 修理依頼で比較的件数が多いのがプラレールの故障です。

モータ部を酷使するためか、いろんな故障の症状がでます。

今回は、プラレールの修理内容を紹介します。

(プラレールの歴史は長く、常に改良されており、分解方法や、

修理方法は、それぞれ異なる場合があります。)

1.プラレールの修理

 トミカのプラレールについては、一度に沢山の修理を依頼されることが多いため、各ドクターが分担して修理します。

  「モータが回りません」とか「動かないです」と依頼されますが、故障内容は同じではなく、それぞれ異なることが多いものです。

Photo 電気機関車EF66の修理

2.分解方法

 まず症状から、電池接点・スイッチ系統なのか、モータ系統の故障なのかおおむね目安をつけて分解にかかります。

<簡単な主な故障診断>

電池(1.5V)の電圧が十分あることが前提です。

(1) カバーを外して、電池なしでスイッチをONにした状態で、車輪を正転、逆転させギヤがかみ合っていれば回転しませんが、回転すれば車軸のギヤ割れです。

(2) モーターが回転していて車輪が回らなければモータのギヤ割れの可能性が高いです。

(3) モータが回転していなければスイッチ、配線系統の可能があります。また、モータの端子に直接1.5Vの電圧をかけてモータガ回らない場合はモータの故障です。

(4) 回転が遅い場合は、ほこりゴミの詰まり、ギヤ割れ等がありそうです。

車体を外すのに、通常はプラスネジ止めですが、三角ネジを使っているものもあります。

Photo 赤丸は、モータの回転確認、及び半田付けを外す場所

3.ギヤBOXの分解

 モータ部の分解は、ケースをプラ板のはめ込み、または接着付なのでカッターナイフ等で切り込みプラ板を外します。

なお、モータ部の半田付をとり、ギヤBOXのビス、カバー噛み合せロックを外しますと、左右のカバーブロックからモータ、ギヤ類、バネ等が見えてきます。

  プラスチックギヤ類は、バラバラになりますので、噛み合い方法を覚えておきます。

4.故障診断

  モータが故障なのか、ギヤBOXの歯車の破損なのか、またON/OFFスイッチ等の不良なのか調べます。

Photo モータ以外の構成部品

5.モータの分解

 この電気機関車EF66の場合は、どうもモータの故障のようです。分解は、ケースの爪を外すと整流子側とブラシ側に分かれますが、組み立て時に、ブラシの上下を間違えると、回転方向が逆になるため外す方向を見ておきます。

  モータ内部を分解するとブラシ、モータ回転軸の汚れが激しく、接触不良のようです。 ブラシとモータ回転軸の整流子の汚れをアルコール等で清掃します。 

 なお、ブラシ自身が破損している場合は、モータの交換、ドクターによってはブラシを作成される方もいます。

整流子とブラシにグリスを若干塗布しておきます。

Photo モータ内部特にブラシの汚れが激しい

6.モータ ギヤBOXの組み立て

  モータ単体で、力強く回転するのか動作確認します。

OKであれば、プラスチックギヤ等を組み合わせギヤBOXを取りつけていきます。(写真例 モータ、オモリ、ギヤ類を組み立て)

組み立てやすい向きがありこの辺は経験です。

Photo ギヤBOXの組み立て


7.動作確認

  ギヤBOX、連結器等をプラレールの本体に取り付け、スイッチのON-OFF動作等の確認して完了です。

8.その他の修理事例

 プラレールの故障の症状を、今回各ドクターが修理した内容を紹介します。

(1)ギヤBOXの分解清掃のケース

 ギヤ軸のホコリ等により動作が悪くなっている場合。

(2)電池端子の不良及び電子回路の不良のケース

 電池の液漏れ等により端子のさびついたケース。電池端子は、磁石で吸い付く場合は、鉄製なので、さびを落としただけではダメで、リン青銅板などで端子を作るか、リサイクル部品等を利用します。

 音がでる電子回路をもつプラレールの場合、通常はスピーカの断線、配線切れ、等の場合が多い。

(3)ギヤBOXとゴムタイヤ交換のケース

 ギヤBOXのギヤ割れの場合は、端数の合うギヤと交換です。ゴムタイヤや連結器は、ジョーシン等の街のおもちゃ屋でも補修品を売っており、誰でも交換が可能です。

  よく割れるギヤの歯数は、モータが8T、車軸が12T、または14Tの力のかかるギヤが多い。

(4) 車輪軸のギヤの破損のケース

 ギヤプーラで車輪とギヤを外し交換します。

   同じ修理依頼のプラレールで、症状が同じでも、故障原因がマチマチです。子供さんが同じように遊んでいても、それぞれ故障内容が違うのも面白いものですね。