LCRメータ KIT(改造版)の紹介 その5

Introduction of LCR meter KIT (modified version).

1.LCRメータ KIT(改造版2016年以降)

 Arduino 16MHzを使用したLCRメータの作成に手間取っていますが、この度、トランジスタテスター(ATmega328P)のKIT(2016年度以降)が販売されており、図形表示が気に入り、追加機能の確認とともに試作してみました。

液晶の画面表示が広くなり、表示MSGがカラー版で好みに変更が出来そうです。

 備考) KITは多くの種類が販売されていますが、ファーム改造のためIC交換、ファーム変更容易さ等からATmega328P-PU(28Pin)ものを選択しています。

2.旧版との改善点

 測定回路は、基本的な8MHz ATmega328Pを利用した回路は、ほとんど変更はありませんが、旧版にはなかった、周波数測定、電圧測定、ロータリエンコード等の当方で追加した回路が追加されています。

 大きな変更としては、7PIN ICユニバーサルソケット、 1.4インチのカラー液晶を使用し、さらに3つの測定端子をコンデンサー等の充電圧の影響をさけるために、アレスター(SRV5−4)等を回路に追加しています。

しかも価格的には大差なく、魅力的なKITになっています。ただケースが試作的なものしかなく唯一のウイークポイントです。

なお組立てと操作方法は旧版のドキュメントと同様です

3.ケースの作成

旧版では、機能改善するには、ケースが小さくいろいろ試行錯誤する必要がありました。リチウム充電方式をとらないのであれば、9V積層電池を利用する方法も有ります。

このさいDIYでケースを作ってみることにしました。

材料は、工作が簡単でホームセンターでも手に入る3mm厚のMDFボード(木目模様)の手作り観のケースです。


4.組み立て

さらに携帯電話の古い3.7vリチウム充電池、USB充電モジュールとDC-DC昇圧コンバータを使い、旧版との互換性から端子類も陸式ソケット用にケースも変更しました。また、ユニバーサルソケットのPinがケースまで届かないため工夫が必要です。

組み立ては、紙材料なため見た目は悪いですが、接着は木工用ボンドでよく工作も簡単でした。

KITのファームは、電圧測定のプログラムにバグがあるため若干バージョンが古いです。ファーム変更は、旧版と同様ですが液晶の型番7735用のものを使います。早速、メニューをローマ字版(V690+uF表示)に変更しました。

測定表示画面の文字は小さくなりましたが、1ページ内で全測定結果が見れるようになりました。また、回路的には、さらに熟成されています。

5.百均ケースの紹介

 ドクターHKさんが考案したケースの例です。

百均のスマホ携帯の置き台の活用です。

なんだか大変そうですが、出来上がりが楽しみです。

なお、次には、液晶画面が小さいので、ILI9341のSPIインタフェースで3.2インチ(または2.2インチ) カラータッチ液晶化(デジカメ並)への改造も期待できます。


6.百均ケース作成での問題点

 ケースで大変なのは、液晶がヨコ型のPin配置で設置方法に難があり、ICユニバーサルソケットが、基板貼り付けだと抑え込みPinがケースに収まらなくなることです。

これをHKさんは見事にクリアされています。

HKさんの設計図(例)ロータリーエンコーダの穴開け位置

<追補>H28.12.10

2016版LCRメータのマニュアル(英語版)とST7735液晶のSPI PINインタフェース等について

 

  (1)  2016版LCRメータマニュアル(英語版)

(2) 2016版LCRメータ回路図

  (3) ST7735液晶インタフェース

なおキットには、抵抗3.3KΩが33KΩと間違って梱包されているものがあるようです。(電圧表示に影響あり)

また、購入時期によって、ファームバージョンに差異があり、Ver(1.12K)の詳細は不明です。