修理用電源アダプター

トピックス

充電池式 可変電源+電圧電流計

Rechargeable battery type variable power supply .

plus Voltammeter.

.充電池式 可変電源+電圧電流計

 おもちゃの修理完了時等の動作確認のためどうしてもバッテリーが必要になります。そのため、おもちゃを組立てからの動作確認をする場合が多く、万一修理不完全だとおもちゃを分解しなおさなければなりません。

そのため分解中でも動作確認をできるように、電源アダプター等を改造してきましたが、どうしても電源コードの不自由さがつきまといます。


 今回は、携帯に便利な充電池式の電圧が調整できる可変型の電源を作って見ました。(試作品)

よく使う電圧は、1.5V、3V、6Vの1A以下なので、この辺の性能がでるものにしました。またおもちゃの修理依頼時、バッテリーの消耗が激しいとよく言われますので、動作電流も測定できることが条件です。

  単独の電圧、電流測定も可能にします。

2.方式と部品等

充電池2.4Vを7.2Vまで昇圧し、それを必要な電圧をコンバータで落としていく方式です。効率は(0.9X0.9=0.8程度)悪くなりますが、小型化と、ある程度の容量が必要なためこの方式にしました。

7.2Vのリチウム電池から落とすという手がありますが、大きくて重たくなります。(次回でも検討)

現在、持ち合わせの部品を利用し、デジタル式の電圧電流計を手に入れました。

なお、1.5V程度に落とした時、表示用の電源(約3V)確保が必要になるので、電圧計は表示用と測定用端子が別れた商品が必要です。

また、小型にするためトランプケースのサイズを基本にしました。


<部品>

DC−DCコンバータステップアップMT3608 2A仕様

DC−DCコンバータステップダウンMP1584 3A仕様

                          (入力 4.5〜28v 出力0.8v〜30v)

電圧計:デジタル電圧電流計:100V10A仕様 最低10mA

ヒューズ:1Aポリスイッチ(出力電流制限)

可変抵抗器:100KΩ

電源スイッチ:3pinスイッチx2(外部電圧・電流測定の場合:3端子6pin)

電池ケース:単三X2本入りケース

ケース:百均のトランプケース

ワニ口クリップX2

ミニコネクタx1(電流計用)

基板・配線少々

+電流測定用配線(ミニプラグのワニ口配線)

※LCRメータの周波数カウンター用の配線を流用

3.回路図等

 回路はシンプルですが、電圧電流計の配線が、説明書もないため間違いやすいです。また、USBからリチウム充電するときは、TP4056を利用したUSBチャージャモジュール等を使います。(マイクロUSBタイプとminiUSBタイプがある)

電圧計と電流計それぞれ端子出力があり、黒線のマイナスがコモンになっているため、電圧計と電流計を併用する時は、電圧計の+と負荷側のマイナス側を電流計の+(青線)に接続します。

 電流計のシャントは内蔵式で10Aまで測定できるというものです。DCーDCコンバータのMP1584は、小型ですが温度補償回路が有り、1A程度ではヒートシンクなしでも問題ありません。

※基板実装なしのシャットダウン電力計算値

=150℃(TJ)ー25℃(周囲温度)/50℃(熱抵抗)=2.5W

5v500mA相当、基板実装時5V2A出力でシャットダウン動作。

  また、電圧調整用の抵抗値が100KΩなので、これを外付けの可変抵抗器に取り替えます。ステップアップ用のMT3608の抵抗器を調整するよりはるかに電圧調整が簡単です。(基盤の抵抗をはずさなくても外付けだけでも調整は可能)

  FUSEは、1AのPCT(ポリスイッチ)を内蔵しました。本来なら電圧計、シャント後に設置するべきですが、電流計が10Aと大容量なため基板配線上の都合でMP1584の出力回路に入れています。



備考  電圧・電流計用の電源を昇圧後の電源から取ります。また、効率の関係から入力電圧の3倍程度の昇圧とします。

  usbチャージャIC

  電圧・電流計結線図

(メータの結線が特殊なので、接続方法に注意します。

外部電流の測定は、プッシュSW押下するときのみ有効にします。)


4.組み立て

 トランプケースのスペースは、ほとんど充電池と電圧電流計が占めています。

配線して組み立てて行きます。DC−DCコンバータは基板に取り付け固定化します。なお電圧電流計のソケットがトランプケースより高く、配線が10A仕様なので細い配線等に加工します。

 トランプケースは透明なスケルトンなので、見た目でケース裏側から塗料の吹付けです。ケースは柔らかい素材なので加工は簡単でしたが、少々弱い感じです。

ケースに収納する前に、一応動作確認です。ステップアップは、7.2V出力に設定します。(効率の問題で昇圧は3倍以下にします。)

出力電圧の調整範囲は、0.9Vから6Vまでになります。

   このツールは便利です。テスターだとレンジ切替えが必要になりますが、電圧は、10mVから100Vまで、電流は、10mAから10Aまで切り替えなしで測定ができ、しかも電圧と電流が同時に測定ができます。

(デジタルテスター等で電圧・電流測定値の校正を行います。)

これでLCRメータとこれだけでほとんどのおもちゃ修理の測定・修理に使える便利なツールになりました。