スーパーコントロール ベイブレイドの修理 (その2)
Repair of Super Control BeyBlade (Part 2).
1. スーパーコントロール ベイブレイドの修理
スーパーコントロール ベイブレイドBBC-01ビッグバンペガシス (2011年製)のリモコン送信側のICチップの不良で修理不能と一旦お返したおもちゃです。メーカ問い合わせでも補修品はなし、修理不可というおもちゃです。
この度、お客様がネット等でBBC-02(BBC-01の兄弟商品)の動作品をお探しになり再度、修理依頼されました。
お客様の熱意により、修理を引き受けることにしました。
青い色のおもちゃがBBC-01(リモコン送信機不良)、白い方がBBC-02です。違いはBBC-01が右回転、BBC-02が左回転で、お互い戦うとケンカ四つみたいなリモコン式のベイゴマのおもちゃです。
Rボタンで右回転、Lボタンで左回転の設定です。従って、BBC-01とBBC-2の違いは、ボタン配列が逆なのとケースの色違いぐらいです。
2. BBC-02の赤外線リモコン信号
動作品のBBC-02のリモコンでBBC-01のベイゴマが問題なく動作します。従って、BBC-02の赤外線リモコンの出力波形をArduinoを使って分析します。
波形は、単純なものでリーダ+4ビットの信号で、0ビット符号が一般的でない特殊な形をしています。波形は正論理で出力されています。(受信側は負論理)
Ach及びBchの各コマンドを調べます。TURBOは、単独ではなく、L+TURBO、R+TURBOの複合ボタンになっています。
ストップ信号等これ以外のものはありません。
3. PICマイコンでプログラム作成
8Pin DIPのPICマイコン(12F509)でアセンブラで信号作成しました。おもちゃ本体では、2MHzのセラロックを使っていますが、部品点数削減のため4MHzの内部発振を使いました。
BBC-02のリモコン波形と作成した波形をそれぞれ比較してみましたが、ほとんどぴったりの信号波形が設計通りに出せました。
(リーダビットについては作画のため調整)
忘備録 プログラムバージョン V24R00
2x :プルアップ X1:プルアップなし
VxxR00
x4 :ICout負論理 x2:ICout正論理
4. 動作確認
ブレッドボード上に組み込みベイコマの動作確認をします。
ベイゴマは、ボタン電池(SR44x3 4.5V)の試験中の消耗を防ぐため、直接、外部電源に配線してAch、Bchの各コマンドを確認しましたが、問題なく動作しました。
ベイゴマは、待機電流はほとんど流れませんが、モータ回転時は約20mAほど流れます。やはりSR44のボタン電池の消耗が気になります。
5. マイコンチップの組み込み
SMDのマイコンチップであれば問題なく収められますが、中華品では部品の書き込み時のキャリブレーションデータがない等信頼性がないため、8Pin DIPの国内購入品としました。なお、プログラムの変更が可能なようにソケット付きで検討しますが、収めるスペースがありません。
わずかにケース下にスペースが見つけられたのでそこから長い配線を行うこととしました。8Pinの丸Pinのソケットにプリント基盤の穴を1.5mmに拡大し背丈をなるべく低くして、何とかPICマイコンが収めることができました。
また、スペース上、追加部品を削減するため、基盤部品の流用可を図りました。LED出力トランジスタは、PNPの2TY(S8550)のためマイコンチップの出力を負論理とし、出力波形は正論理になるようにしました。
なおボタン入力キーについても、マイコンチップのプルアップ(GR0、GR1、GR3)指定とし、GR5のみをSMD抵抗4.7KΩを基盤に貼り付けて、入力をプルアップ(負論理)にしています。
6. 最終動作確認
ブレードを挿入したときRIP信号として、電源の+3VがONになっています。これは、ベイゴマを装着時、ブレードを挿入しベイゴマを回転させるまで、赤外線信号を発生しないようにするためです。
対策としてLED出力トランジスタのベースに配線し、トランジスタをOFFにするようにしました。
マイコンチップを組み込みBBC-01、及びBBC-02のベイゴマが各チャネルとも問題なく動作することを確認をしました。今回は、修理としてはなかなか大変でしたが、面白いおもちゃでした。