Arduino LCRメータの作成 その2

Creating a Arduino LCR meter Part 2.

1.LCRメータの配線図

  ArduinoのLCRメータ回路図からFritzingを利用し部品の配線図を作ってみました。

配線図を作ると回路図、基板図も作られ便利ですが、相互の関連図は確認修正しながら行います。測定端子の抵抗680Ωと470KΩとPro Miniとの接続は、間違わないようにします。

  なおArduino Pro Miniと作成回路との照合は、端子図等を別途検索ください。Pin 11とpin 12の配置が逆なPromini もあるようです。

 <配線図(基本回路)の説明>

・電源は9V電池と外部電源をコネクタで切り替え

・電源スイッチはマイナス側でオン・オフ(回路図は+側)

・入力電圧を分圧して測定、3端子レギュレータで5V変換

・リセットSWで測定メニュの切り替え

・測定端子は、下の抵抗の先に、左から1、2、3端子

・液晶の左側の抵抗は、文字の明るさ調整

・右側は、液晶のバックライトの明るさ調整

2.使用した部品(基本回路に必要な部品)

  LCRメータに使用した部品は以下のとおりです。

(主な電子部品の調達は、AliExpressでしました。)

・Arduino Pro Mini (328p 5V 16M)x1

・LCDキャラクタディスプレイモジュール

(16X2行バックライト付)

・抵抗 1/4w 680Ω x3 測定端子用

1/4w 470KΩ x3 測定端子用

1/4w 22KΩ x1 リセットSW用

1/4w 10KΩ x1 分圧VCC側

1/4w 3.3KΩ x1 分圧GND側

1/4w 330Ω x1(回路図では100Ω)

・可変抵抗 10KΩ (固定の場合は、GND間に1〜2K程度)

・三端子レギュレータ TA7805AP(回路図は7805L)足ピンに注意

・3Pスイッチ 電源スイッチ用x1

・プッシュスイッチ(リセットSW:できればSW付ロータリエンコーダがよい)x1

・外部電源用3Pソケット

・プリント基板 10X10cm程度x2枚

・測定用端子x3 (陸式ソケットを使用した)

・ピンソケット(メス) 1x40P(h10mm) x2

・ピンヘッダー(オス) 1x40p 液晶、IC用 x1

・液晶止め用ビスナット(3mmx12)x8 ケース厚を考慮

・スペーサ15mm程度x4

(液晶の片側をPinソケットで固定する場合はx2)

・自作ケース 必要に応じて材料+ビスナット(3mm)、スペーサ等

・AVRライター USBASP AVR Programmer (必要に応じて)

3.部品配置の検討

  自作ケース作りを含めて部品の配置を検討します。

使用した材料は、ホームセンターの3mm厚90x90cmのMDFボード(木目模様)です。

  表、裏ケースをビス止めにするため、プリント基板の大きさや配置を決めます。部品位置や穴あけ配置を鉛筆等でマーキングしておきます。

  最終的に必要な部品(リチウム充電池仕様)を含めた構成で余裕のある配置にするため、サイズは、どうもキットより大き目になりそうです。


(注)最終版用にプリント基板は分割し、基板のスペースにリチウム充電池を収めることにした。

また、下の基板は、測定端子用のICユニバーサルソケットと充電用ICとDCーDCコンバータ用のスペースを空けている。

4.基本回路の作成.

  動作確認のため基本的な回路に必要な部品構成で組み立てて見ます。なおPro Miniや液晶等の部品は、後から交換も出来るようソケットを付けて組み立てます。

  外部電源用のコネクタは、マイナス切り方式のため+電源は、内部電池とも共通で、マイナス(ー)側を電源のON/OFFにします。

  外部から電源接続しない時は、内部電池の利用になります。

  液晶の表示文字を調整するために、10KΩの可変抵抗器を使いますが、適当に実験したら2K程度(個人の好みによる)の抵抗でよかったので最終的には固定抵抗にしました。

また、ICソケットには、ケース組み込み後でもファーム変更が可能なようにISP端子分(6Pin)を追加しておくと便利です。

(注)A5の端子は、Pro Miniの縦側にあります。取外し用のためピンソケットを付けます。(写真は無しの状態)

5.動作確認.

(1) 回路の配線が間違いないか、確認します。

  液晶とICを入れない状態で、6Vの外部電源からVccに5V程度の電圧が出ているか、確認した後、液晶及びPro Miniをブレッドボードで日本語化(カタカナ)で焼いたものを方向を間違えないようにソケット差し込んで、電源をONにして動作確認をします。日本語化ファーム(Arduino5v専用v1.12Kr690)の例

書き込みソフトとドライバー の例

  (追補)日本語化ファームは独自改造分です。なお入力電圧の調整のためMakeファイルの適宜変更が必要かも知れません。また、Arduino用のファームは、Makeファイルのコメントから変更方法が分かります。(電圧校正回路がない)

(2) 操作説明

  操作説明は、このHPのLCRメータの作成で紹介した説明書を参考にして下さい。(キャリブレーションの方法等)

 

  リセットスイッチを3秒以上、長押しすることでメニュー表示画面になります。

電源オフは、自動オフが無効なため電源SWで行います。

通常使うには、キャリブレーションを行って下さい。

(3) 動作確認

  キャリブレーション前ですが、一応すべてのメニュー表示の確認し動くことを確認しました。このLCRメータは、液晶の表示調整以外では、基板上では調整することは、特にありません。

(備考) なお、Pro Miniを元のArduino仕様のファームに戻したい場合は、AVRISPmk2で、Arduino−IDEからブートローダを書き換えれば、元に戻ります。(USBASPでは正常に書き込みができません。)


6.その他.

  参考的にプリント基板図を作ってみました。配線はそれほど多くないので、基板からの直付けが簡単かも知れません。

  基本回路でのケース状況です。

  Pro MiniのVCCとGNDの配線(プリント配線図にはない)、及び電池+ーの端子(取り外しができる用に)は、配線をします。また、液晶とPro Miniとの結線も直接ソケットの端子間を配線します。

  最終版(リチウム充電池、ロータリーエンコーダ、周波数カウンター等)の機能を追加装備します

(注)写真は、測定用3端子とリセットSW(ロータリエンコーダSW付)を表ケース板に取り付けるため配線で結線しています。

  ロータリーエンコーダ、リチウム充電池仕様等の機能追加の改造は、便利ツールのLCRメータの作成記事を参照下さい。

  なおArduino用の日本語化ファームは、リチウム電池仕様(回路の若干の改造とMakeファイルの測定電圧の変更が必要)を除き、最終形態でも、機能はすべて含んだものになっています。

ファームの更新に慣れてきたら、Makeファイルの修正、ソースプログラム(最新はネットから「AVR Transistortester」独語等で検索入手)で変更等が可能です。

1..参考資料: AVRTransistorTesterV1.13K(英文)

2.コンパイル方法(Ubuntu例 6.ファームの変更