PART4:色彩設定
▶︎アプリ「色しらべ」
原本の写真画像をもとに色判断ができるすぐれた無料アプリ。構成色の一覧がカラーパレットで表示される機能もある。しつこいようだが、ぜひ活用しよう。
青い瞳に見えるが実はほぼ灰色、という事実。
周りの色に影響されて実際より派手に感じてしまう現象:色彩対比。この美術では時間が足りないので下記のサイトを読んでみてください。
▶︎皮膚の色
【はだいろ】とは色の名前であり、オレンジ+白でできた色。リアルな皮膚の色とは違う。皮膚の色には、青み、灰味が含まれる。オレンジ+黄色+白+黒を基本とし、それに青や緑を加えて深みを出す。
それをふまえてまず皮膚の基本色を作る。それに黒や青、緑を混ぜて暗い陰の肌色を作り、白や黄色を混ぜて明るい光の肌色を作る。ほほあたりの血色のよいところは赤、オレンジ、マゼンタを少し加えるとうまくいく。
右の色には青味が含まれている▲
▶︎絵具とパレット
パレットに苦労して作った色は、絵具が乾いて固まっても水で溶かして再利用すればよい。パレットはなるべく洗わない。ただし使用する絵具がアクリルガッシュなど耐水性の場合、いったん固まったら溶けないので毎度パレットを洗わなければならないので混色に費やした時間が少しもったいない感じがする。
▶︎明るい箇所と暗い箇所
あごの下など、暗い皮膚の色をある程度塗ったら目先を変えて、明るい箇所:ひたい、鼻筋などへ移る。その後で明と暗のあいだの色を埋めてつなぐ。明るい箇所から地続きに塗り進めると色の感覚が麻痺して暗い部分の色も実際よりかなり明るく仕上げてしまいがち。奥行きのない顔になってしまう。原本と自分の作品を並べてモノクロカメラで見てみると明度の狂いがよくわかる。集中するのはよいが、同じ色を他でも使えないか全体を見渡す冷静さも忘れずに。
頭髪は大きくブロックで区分けしてとらえる。髪の基本色、明部、暗部、3色を作っておいてさらに分化してくとよい。こまかい毛の一本一本は省略する方がむしろ量感を表現できる。
▲生徒作品(絵具:3原色+白)
▲生徒作品(絵具:3原色+白)
▶︎仕上げ
制作が進んでいよいよ枠線の際まで塗り進んだら、枠の周囲にマスキングテープを貼る。
マスキングテープを貼ったら、上からはみ出すように枠の外まで塗る。
絵具が乾いたらテープを剥がしてできあがり。もし絵具が滲んで枠線よりはみ出していたら白の絵具をそっと載せるように塗って修正すればよい。
画面右下にクラス番号氏名をていねいに記す。