はじめに:
色相環を地図に見立てて、色と色を線でつなげばそのあいだの色ができることを理解できる。しかし原色と原色を混ぜる場合は特殊。
普通色の直線と原色の曲線:
▼図の、大きい3色はどちらも120°程度ひらいていてそれぞれを混ぜ合わせる。右図のオレンジとグリーンでは中間点が黄色とゼロの中点、つまり黄色+黒のような色ができることを示している。2つの色のあいだに線を引けば混色結果ができる。しかし左の3原色では事情が違う。2色のあいだでは鮮やかな色を成し、ほとんど色相環といってよい鮮やかな色をつくり得る。つまり直線ではなくグッとカーブした線を描くのである。
▼オレンジ --- 緑 --- 紫 をそれぞれ混ぜてできる色は暗くに濁っていて、それらの色を色相環に配置するとおよそ下図のようになる。中心の無彩色に近づく。これがふつう。
▼しかし原色 C---M---Y ではさほど濁らず、円周に近い鮮やかな色ができる。
そこで考えたのが「色の成分ⓒⓜⓨ」である。イエローⓨ、シアンⓒ、マゼンタⓜ、それぞれひとつの成分を持つとする。赤はどうかというとマゼンタとイエローのあいだの色なのでⓜⓨ、オレンジ=ⓜⓨ、緑=ⓨⓒ、紫=ⓜⓒ、となる。
▼その考えでもう一度、オレンジ--緑--紫の3色で展開した色を見直してみると、それぞれを混ぜてできたあいだの色にはⓒⓜⓨが3つとも含まれることが判った。
成分ⓒⓜⓨを3つとも含むということ...そういえば原色3色を均等に混ぜてできる色は無彩色(中心⓪)だった。無彩色こそ彩度低下の要因。
原色の2色を混ぜたのではⓒⓜⓨのうち2つしか含まないことになり、黒味、灰色味が発生しないのである。
まとめ:
以上のことから、色相環に直線を引いてできる色を予想する混色の理論が有用、ただし原色同士を除く。これをとりあえず『特殊混色理論』とでもしておくことにする。