鉛筆デッサン:立方体
配付資料を模写
*画用紙タテ
すべて直線のタッチであること。
鉛筆デッサン:立方体
配付資料を模写
*画用紙タテ
すべて直線のタッチであること。
立方体の参考作品を模写すること。
手などでこすってぼかさない。フリーハンドの直線のタッチを重ねる。鉛筆の濃さを変えて、タッチの回数を変えて、シャープペンシルも使って、筆圧を変えれグラデーションの表現はできます。
画用紙タテにおさめる、
ちょうどよい大きさ、
周辺の処理など、
およそ ↓ のような仕上がりを目指す。
かたちを採ります。輪郭線:アウトラインです。立方体、こっちから見えるのは6面のうち3面。その3面を1面ずつ描き足して組むのではなく、シルエット全体像から分割する方法でいく。立方体のシルエットは6角形。画用紙に対して上下左右の余白のバランスの最適を考えます。
六角形シルエットはタテ長か、ヨコ長か調べる。そのために、枠を設定します。
若干、ヨコの方が長いようです。
ヨコ長ということで、両端の位置を先に策定します。タテを先に決めるとヨコが画面に入らなくなる可能性があるからです。
最も手前に見える稜線(面と面の境界線)を決めます。左右の中心より少し右に寄っています。「若干」とか「少し」とか大雑把な物言いで進めていますが5:8などの具体数字で詰めるべきです。ぱっと見た目でわかる感覚こそ大切で、絵がうまい人はそれができます。ですが慣れていない人は手を抜かず確かめて進める方がいいでしょう。
立方体のタテ線は3本。3本とも垂直に描きます。
さらにこまかく、補助線で分割していく。
透視図法について
手前と奥では、手前が大きく、長く、高く、広く、見える。本来同じ長さで、平行であるはずのものが違って見える。それを図に採り込んだものが 線 遠近法(透視図法)です。
構造として3本の線は本当は平行なのですが下の方の線①が角度が強く、上の方③が水平に近く見えます。
...でも今回は、
透視図法よりも対角の位置関係を主眼に、かたちを把握して進めます。まずは左右の対角:高さのズレ。
向かって左の角をA
右の角をBとすると
AとBはどちらが上に
見えるのかという問題。
▼
▼こちらから見える2枚の立面では、右面よりも左面の方が、広く見えています。
ということは:左の角Aの方が右の角Bよりも手前になって置かれている状態です。意味、わかりますか?
上から見たらこうなっている▼のです。
ご覧のとおり、左の角Aの方がBよりもこちらに近いんです。少しだけ。
水平で同じ平面なら、視点に近い方が下に見えます。遠い方が上に見えます。つまり左角の方が下に、右角の方が上に見えるんです。
AよりBが上、A'よりB'が上です。これはとても重要なポイント。
手前に見える角と、奥の角にも注目すると、左右のズレがわかります。手前が右に見えます。
それぞれの角を通過する水平+垂直の補助線で、それぞれの対角のズレを確認しながら正確に「製図」することが必要なのです。フリーハンドで!
立方体の明暗を表現します。陰=SHADEをつけます。こちらに見える3面の明るさの順番を理解します。
序盤は3B鉛筆を寝かせて軽い筆圧で大きな直線タッチで。すべて同じ色にならないように。おおまかな明暗の違いを設定できたら、鉛筆を立てて、ひじ、肩を軸にして、直線のタッチを重ねます。
ひとつの面のなかでも明暗の差があることを意識します。①の方が②よりも暗い。強い。角度を変えてタッチを重ねる、重ねる量を変える。
立方体のみを描くのではなく、それが存在する空間を描くのです。背景も同時進行で描きます。
「陰」=「SHADE」
「影」=「SHADOW」
立方体の面の暗さは「陰」です。土台の平面にできるのは立方体の「影」です。陰と影を見比べてどこをどの順番で暗さを違わせるのか、よく観察します。
暗い方から①、②、③、④
「コントラスト」とは、明暗の差のことです。コントラストが強いと目立ちます。
最も強くしたいのは3面が接する頂点です。面と面の明暗の差が強く表現されています。消しゴムの角、練り消しゴムを角張って整えてエッジの利いた表現をめざしてください。消す、薄くする行為を白いエンピツで描く、と見立てるとよいでしょう。
消しゴムを使ったあとは、その上に少しでもタッチをのせること。立体の面の方向性、動きを表現するために、淡くてもいいから線(タッチ)が必要なのです。
透視図法と、もうひとつ「空気遠近法」があります。色の遠近法です。モノクロームのデッサンにおいてはコントラストがこれに該当します。面と面のコントラストの強弱で手前と奥の違いを表現します。
↑強いと近くに感じます。
色の遠近法にはもうひとつ、タッチの「太さ、濃さ」と「密度」によるコントラストがあります。手前の方には3B鉛筆を立ててタッチを付け、タッチの隙間を広めに採り、補助的にシャープペンシルも立てて使います。そうすることでコントラストの高いストライプの色面表現ができます。奥の方では3B鉛筆を寝かせ気味に、濃くし過ぎないように、さらにHBやシャープペンシルを間隔の狭いタッチを重ねて、茫漠とした空気感を表現できます。練り消しゴムを面的に使うことでさらに柔らかい暗さ、奥行きを演出できます。
↓手前の土台のタッチ:メリハリと粗めの間隔で強い感じ
↓背景のタッチ:暗くても強すぎず淡く密なタッチで弱く見える
最後に全体を見渡して微調整しましょう。まだなにかできることはないか、確かめること。例えば立方体の接地するところにわずかな隙間があること、影のなかにさらに濃い三角形のかたちが見えること。見落としてませんか。
番号と氏名をていねいに、オモテの右下に記しましょう。
▼2022年の最優秀作品