ボタニカルアート
ボタニカル[botanical]とは「植物学的」の意味、すなわちボタニカルアートとは「図鑑的絵画」に相当する。実物大で描き、背景と陰影を描かない様式である。
外接矩形▶︎直線的に形をとる
選んだ葉の特徴をとらえるためにまずはタテヨコの比率、大まかな形をとるために葉を囲む長方形を設定しそれを直線的に刻んでいくとうまくいく。
外形と葉脈の構造
直線的外線に丸みをもたせながらこまかい葉のアウトラインを丁寧に描き取る。葉脈の細い幅の輪郭線を極細シャープペンで描く。極めて細く、ゆっくりとした線で丹念に下描きをする。
「緑」について
最初に葉全体の基本色を考える。単純な緑ではない。やがて茶色に変色したり紅葉することを想像すると「緑」の中には赤の成分が含まれるのではないだろうか。
着彩
パレットに色を作ったら、絵具を極めて薄めに溶いて全体に色を塗る。下書きの線を透かし残すように。その後、意識を「塗る」から「描く」へとシフトし、細い筆も使って葉脈に沿って色で描く。葉脈を塗り残す技法を使えばより精細で高解像度の作品が期待できる。
秋期の場合、常緑だけでなく紅葉や枯葉も視野に入れて探してみよう。色彩の変化が実に興味深い。写真は、秋の柿の葉。みどり、きいろ、あかの色味が混じって美しい。
すっかり乾燥しているため、翌週でも色が変わったり形がしなびたりしないという利点もある。一方、割れやすいという欠点もある。