PART3:着彩
色調を判断するための原本は、元のカラー写真か、タブレットのWEB画像か。
着彩の手順は以下の通り。
1)眼
2)唇
3)皮膚の暗い所
4)皮膚の明るい所
5)3と4のあいだ
今回の制作における着彩はひとつひとつの囲まれたエリアを塗り分ける作業。原本写真の色を分析する。ひとつひとつが色彩テストの発展型である。トレースの線が塗り消される程度に絵具の濃度:水分を調整する。ウラ紙に試し塗りすること。筆の行き先は、パレット→ウラ紙→ケント紙。この流れを常に守ること。
▶︎眼の周辺
眼から描き始める理由は
1)画面の中央付近であるため利き手で画面を汚さずにすむ
2)眼の中は明暗差が大きい、画面全体の明暗の幅の感得
3)上手に描けると気分がいい
▲生徒作品(絵具:3原色+白)
▶︎黒と白について
まつ毛、眉毛は黒ではない。拡大して詳しく見るとよくわかるが、もともと真っ黒ではないし、光が当たって明るく見える部分もある。1本のまつ毛でさえ1色ではない。そもそも画面全体に真っ黒も真っ白も存在しない。反射光として見えるものを絵画で再現する場合、すべて部分に灰味が含まれる。いいかえれば絵具を混ぜずに使う箇所はどこにも無い。
▲生徒作品(絵具:3原色+白)
白眼、歯は白ではない。おおよそどちらも陰になって暗いし、そもそも真っ白ではない。「白」という言葉で思い込みがちになる。そのものをじかにみること、直観すること。
▶︎細部の省略
今回のイラストレーション制作では、面と色で区分けして塗りわける様式なので、あまり詳しくまつ毛眉毛を描かないようにする。生えている様子として大きくまとめる方がよい。
▲こまかい部分は適度に省略
▲拡大してみてみよう