鉛筆デッサン:ドーナツ
各自、ドーナツを買ってくる
*画用紙タテ
鉛筆デッサン:ドーナツ
各自、ドーナツを買ってくる
*画用紙タテ
白い紙を敷いて、光源と影のよい角度に設定する。
厚みのある、歪んだ円形。横から見ると、上面と底面が水平に近い感じがする。
カチッとしたかたちの工業製品と見比べて構造を考える。テープのかたちには直線的要素が含まれている。上面と底面は水平で平行、側面は垂直である。
ドーナツは丸っこい。しかしよく見ると、少しばかり角ばったような、特徴的なポイントがいくつも存在していることがわかる。
基本構造をとらえながら、かたちの変わるポイントを探る。そのやや角ばったようなポイントをつなぐ線、すなわちひなたと日陰の境目の線。その線のことをエッジ(稜線:りょうせん)という。稜線をたよりに陰影の差をつけるとかたちの量感が表現できる。面でパキパキと分割したようにとらえてよい。あとでそれらを縫い合わせるようにシャープペンシルでタッチをつけると適度なグラデーションが表現できる。
↓夏みかんの皮を面取りした状態。面分割することで立体をつかみやすくなる。
ポイントを探り、線をつなぐ。鉛筆を寝かせて軽いタッチで直線的に、やや角張ったかたちとしてとらえる。稜線が見えると陰影の適切がわかってくる。
かたちに沿って陰と影をつける。鉛筆を寝かせたタッチで。ここではおよその暗さを定着させるという意識で取り組む。稜線を意識してエリア分割する。
かたちの「動き」を考えてみる。陰影の色だけではかたちの特徴を表現できない。ここからは鉛筆を立てて斜線の連続でタッチをつける。シャープペンシルも使う。先ほどのおおまかな陰影のときとはタッチの方向がちがう。縫い合わせるような感覚のようなもの。
濃すぎたらネリゴムで弱める。そしてまたタッチをのせる。こすったりしてぼかさない、表面の方向性を考えて表現することがなによりも大切。暗さを強めるには鉛筆を使って、筆圧と速さを変えることで表現の幅も広がる。あまり濃く暗くしたくないけれどかたちの動きを表現するのには、シャープペンシルが適している。芯の濃さの違いで諧調が増えて、空気感まで表現できたら最高である。
▼かぼちゃのデッサンの過程図版を掲載。ドーナツと似た形状なので描きかたの参考にするとよい。