鉛筆デッサン:まるいかたち
練り消しゴムを丸めて それを描く
*画用紙タテ
鉛筆デッサン:まるいかたち
練り消しゴムを丸めて それを描く
*画用紙タテ
はじめに:
新品の練り消しゴムを切り分けて5分の4程度を使い、こねて丸めて饅頭のようなかたちをつくる。これを暗めの色の折紙などに置いて見ると、白く丸いかたちのシルエットがきわだつ。これをデッサンする。画面の中央、少し大きめに描く。
画用紙 (タテ型) の 中央に、実物より少し大きめに鉛筆で描く。
① 新品の練り消しゴム、練って丸いかたちに整える。
② 黒画用紙の上に置いて見る。ひなたと日陰のバランス。
③ アウトラインを大まかにとらえる。
④ 白い画用紙に「暗さ」を描き込む、ということ。最初は鉛筆を寝かせて描く。
⑤ 表面の流れを考えて鉛筆を立てて編み目のようにタッチを重ねる。
⑥ 明暗の変化が強く感じるところ(出っ張っているところ)をしっかりと描く。
⑦ 白いかたちが浮かび上がるように背景の暗さをしっかり描く(塗るのではない)。
まずは光と陰のバランスを考える。
▲ ぼんやりしている
▲ スマホのライトで立体感
左からの光、シャドウが右に伸びる状態が最適
描きかた:
輪郭線は存在しない。
線幅ゼロmm、物体と背景の境界、内と外。
とはいえ、最初はしかたなく丸いかたちを描くことになる。物体の中身を描くために囲んだ線は最終的には消えてなくなり、暗い背景との色の差だけで成立するように仕上げる。最初の輪郭線は、地球の大気圏のつもりで描くとよい。線の内側こそが「かたち」であるということ。
背景より明るい色の丸いかたち、その内側の陰を描くときは3B鉛筆で濃くし過ぎないように注意する。かたち表面の流れを考えて、鉛筆を立ててタッチをのせる。シャープペンシルも併せて使うとよい。手前にせりだしている所は強調してしっかりと描く。
指などでこすらずにタッチだけでぼかす表現を試みる。表面の流れに乗ったタッチで立体感を表現する。
日陰の奥は、周りからの反射光を浴びてほの明るく見える。日向(ひなた)ほどは明るいわけではなく少し明るく見える程度。奥に引っ込んで見えてほしいところ。練りゴムで押さえて少し明るくしてシャープペンシルで細いタッチを描き込む。
とても明るいところと暗いところは、表面の質感(細かい凸凹)があまりよく見えない。よく見えないところ淡い鉛筆で重ねると遠くに見える。質感がよく見えるところは日向から日陰に変わる直前の部分。メリハリのきいたタッチを描き込むことでこちらにグッと迫って見える。白い鉛筆で描く気持ちで消しゴムを使うとうまくいく。
▼2021年:高校生優秀作品