NUMBER:
数の意味するもの
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数の意味するもの
数について語ろうとすると数学的なことになってしまいます、が、ここではVISUAL的なことして考えます。数字というより数の意味合いと云うべきかもしれません。
アフリカのどこかの部族、彼らはものを数えるのに「1、2、3、4、.....あとはもう、たくさん」と、本当なのか疑わしい話を聞いたことがあります。動物とか果物とか4までなら数えられるけどそれ以上はもう「とにかく多い」とあきらめる感じなのか?ということでしょうか。
図像的に数について考えるとき、1から4までの数にはイメージと直結するところかあります。ここでもやはり4までで充分5以上はもういい、という点で同じです。以下、見ていきましょう。
1 は「象徴」です。ぽつねん*と単独でそこに在るという、「神話の始まり」のように見立てたらどうでしょう。(そういえば近年この単語をあまり聞かなくなりました。あらためて「ぽつねん」について調べてみるのもいいでしょう)一神教における「神」、平地にそびえ立つ高い塔、そしてなによりも「太陽」。圧倒的な存在。
そういえば日本国における天皇は憲法により「象徴」とされております。
2は「対称」です。意味が割と似ているけど違う同音意義語がいくつかあります(対象、対照)、ご注意ください。ここでは左右対称のタイショウです。
「ひとつ」にはなかったことが「ふたつ」には、他者つまり比較対照の対象が発生します。関係性の出現です。映画のなかでもホラー、サスペンスの要素として多く使用されるイメージです。鏡とかもうひとりの自分とか「幻惑」「妄想」のメタファー。
下の画像は1980年公開ゴシックホラーの傑作、スタンリーキューブリック監督『SHINING』に出てくる双子のシーン。この映画では鏡のシーンがあったり、REDRUMという書き文字(鏡像反転するとMURDER=殺人になります)があったり、そして厳密なシンメトリーの構図で主人公の男がどんどん堕ちていく「狂気」を表現しています。
ちなみにシンメトリーは「FRONTAL=正面性」を示唆します。わたしたちの顔も正面を向いた状態だとほぼ左右対称であることでも得心します。
3は「体系」です。トップダウン的:関係性に序列がついたり、ジャンケンのように回り始めたりします。川に架かる鉄橋を見ると三角形を発見できます。トラス構造です。強固な関係と活性化、の3です。毛利元就の三本の矢は有名ですね。
4は「宇宙」です。4点で形成される正方形は同形で繰り返して隙間なく広がる図形です。四角形でようやく対角線も出現します。つまり、複雑化の最小単位と言えます。
ちなみに、同形反復で隙間なく広がる正多角形は 正三角形と正方形と正六角形だけです。正六角形についていろいろ調べると実におもしろいですよ。
数学の「次元=dimention」の場合、1は「線」、2は「面」、3は「空間(立体)」です。0は、あえていうと「点」なのかな。原点を示す「O」は「ORIGIN」のオーです。
上記の件とは、また別の話です。