絵を描く、立体をつくる、平面構成、いずれにせよ「かたち」の理解の基礎として「平面視」を知る必要がある。
立体を見るとき、「シルエット」で見る。そのシルエットを矩形(=長方形のこと)の枠でとらえる。そうすると枠内にシルエットの余白ができることに注目する。
見たいもの=「ポジティブスペース」
余白=「ネガティブスペース」
両方が在ることで、矩形を成す。これが「構成=COMPOSITION」の原点である。
かたちを見る
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輪郭線を描きたい
しかし一発でサッと描くのは...至難のワザ
枠の設定
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定規でおよその長さを測ったり
片目で鉛筆と比較してタテヨコ比率を算出
平面的に見る=シルエット
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枠内の余白のかたち(青)に注目
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目的はポジのかたち
逆にネガのかたちに注意をはらうのがコツ
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例えば:下図の向き合う横顔を描こうとするとき
余白のかたちワイングラスに注目すると
結果的に上手に描ける
むしろネガのかたちに集中する
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ポジとネガの両方を等価値に見る
「地と図」という言葉があります。私たちは白を下地として考えがちですので上図では黒いかたちを「図」として見る、すると、【向き合う横顔】としての意味を見出すことができます。一方で余白は無意味と見なして気に留めないのが普通です。しかし上図では白いスペースのほうにも【グラスのかたち】としての意味を見ることができるので、注目しないわけにはいかない。ではどちらが「地」でどちらが「図」なのか。...これを「ふしぎな絵」として片付けるのではなくて、
「地」も「図」も等価値で見る。意味があろうとなかろうと、常にネガとポジの両方に注目してかたちと構成の調和を実現しようとする脳のはたらきが大切です。
↓実際にやってみましょう。
向き合う横顔を描き足したい。しかし脳内では左右対称の白いグラスをメインに見ながら、描く。
そのほうが結果としてうまく描けます。そう、ポジとネガを反転してモノを見るトレーニングです。
女の子の横顔を模写する。ついつい注目してしまう顔のあたりから描きたくなります。ダメです。詳しく見るのは後回しにして、全体を見る、シルエットで見るんです。
そしてポジとネガを入れ替えて見る
そのほうが冷静にかたちを採ることができてうまくいきます。冷静さとは、ただかたちを追いかけている という気の持ち方です。人物を描いているという動機を完全に捨てること。
4つの黒いかたちがあります
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黒いかたちはダミーでした。白いスキマのほうに意味が発生してしまった、ネガポジ逆転劇。