検証10

本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘が確認されており、さらには被害報告が確認されているサイト、関東財務局から違法業者として警告が出ているサイトも含まれています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは以下を検証します。


●UTOPIA (ユートピア https://utopia-forex.com/ja/)

●Billion FX (ビリオンFX http://billionfx.asia/index.php)

●mscrest forex (mscrestフォレックス http://mscrest-forex.com/)

●UNIVERSAL FOREX (ユニバーサルフォレックス https://www.universalforex.asia/)

●LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/)

●Asian Trade (アジアントレード https://asian-trade.asia/)

●Bitterz (ビッターズ https://bitterz.com/ja)

●s.o.l forex (s.o.lフォレックス http://www.solforex.io/)

●GMG (http://gmg-global.com/)

●HDG Markets (HDGマーケッツ http://hdglimited.com/)

●HEINERCASH (https://heinercash003.com/)


まず以下のサイトを検証します。

●UTOPIA (ユートピア https://utopia-forex.com/ja/)

これはYahoo知恵袋に出てきた2つの質問投稿で知ったサイトです。まずその2つの投稿を引用します。

2020年12月25日投稿 (その後、削除)

2つの投稿を見比べると一字一句全く同じであることが分かります。しかし2つの投稿の投稿者IDは異なっています。内容も海外FXのUTOPIS (ユートピア)というサイトで投資したら大儲け出来て喜んでいるとか金融ライセンスがあって安心できるとかポジティブな事ばかり書いてあります。これは質問を装っていても実際にはステマ (宣伝) 目的の投稿ではないかと疑わざるを得ません。さらに2件目の投稿では以下のキャプに示すベストアンサーが選択されているのですがこのベストアンサーの内容が3ヶ月で80%近くの利益が得られたなどまた宣伝臭いのです。

その後、詳しい状況が分かりませんがユートピアでの投資を電話で勧誘されたという投稿がやはりYahoo知恵袋に出てきました。勧誘役は株式会社エイトシステムを名乗っていたようです。

2021年6月17日投稿

株式会社エイトシステムを検索してみると電話帳ナビ (https://www.telnavi.jp/) という迷惑電話の情報サイトに株式会社エイトシステムから投資を勧誘する迷惑電話が掛かってきたという口コミ情報が複数あることが確認出来ました。電話番号は東京の03局番から始まっているようで東京都のどこかに拠点があるものと思われます。

さらにこの検証を書き終えた後にやはりYahoo知恵袋に以下に示した被害報告的な投稿が出てきました。

2021年8月14日投稿 (その後削除)

勧誘された経緯など状況がよく分かりませんが投稿者は恐怖さえ感じているようです。

さらにこの検証を書き終えた後ですがやはりYahoo知恵袋に以下の投稿が出てきました。ユートピアで入金したお金を全て失ったようです。さらにこの投稿に対して同様に被害を受けたという回答が2件出ています。質問者 (fuk********さん) の返信と共にかなり長いですがキャプを示します。

2021年12月2日投稿

これらの投稿を見るとSNSで勧誘された、あるいは知人から紹介されたとあるのでマルチ商法的な勧誘が行われている可能性が高いように思います。葉山翼と名乗る人物が主催するImperio Tradeという勧誘の為の組織率いているようです。そして結局は資金が全て失われてしまったようです。入金先として指定された口座の情報が出ています。

>さわやか信用金庫 目黒支店 普通1118144 エスエス(カ

>GMOあおぞらネット銀行 法人第二営業部 普通 1006676 (カ ウンスイテンホウ

ここに出てくる「葉山翼」「Imperio Trade」といった個人名など検索してみましたが既に削除されたのか目ぼしい情報は残念ながら出てきません。とにかく日本国内でも勧誘が行われ、被害が出ているようです。

こうした状況から最初からかなりの疑いを感じながら検証を始めることにしました。まず以下がサイト冒頭のキャプです。

小さくて分かりにくいですが上のキャプのメニューバーの並びにイギリス、日本、韓国の国旗アイコンが並んでいてこのアイコンをクリックすることで表示言語を英語、日本語、韓国語の3つから選択することが出来ます。取引対象は外国為替 (FX) だけでなく、株式指数、商品先物、仮想通貨 (暗号資産)といったものもの取引出来るということになっています。

そしてこのトップページには以下のキャプに示すような記述もあります。

日本語訳に違和感があり、意味がよく分からないのですがとにかく100万人以上の顧客を抱えているらしいこと、50億ドルの累積取引額があると主張しており、かなり大手の投資会社であるという主張と思われます。但しこの主張が正しいかどうかについては後述します。

一方でこのサイトで違和感を感じるのはリアルタイムの相場情報とかチャートが一切見当たらないことです。口座を開設してログインすれば相場情報やチャートが出てくるようになる可能性も否定は出来ませんが多くのFX業者などのサイトでは相場情報やチャートはログインを必要としない設定で公開されているのが普通ですからかなり違和感があります。

相場情報やチャートがない代わりにこのサイトで押し出されているのは以下のキャプに示しましたが自動売買とかAIによる運用、利益を出せるトレーダーの取引を真似するフォロートレード (コピートレード)です。

さらにこういった自動売買やAIに関する運用、コピートレードに関する説明を読むとEAによる自動売買とかコピートレードに関する説明はなく、2種類のAIの説明だけが強調されています。その2種類というのが以下にキャプを示すARISおよびGENIEと名付けられたAIです。この2つのAIに関する説明のキャプを以下に示します。

これらの説明文を読む限りアメリカで開発されたというARISというAIは保守的な運用を行い、香港のRoyal Algo研究センターで開発されたGENIEというAIは積極的な運用を行うAIということになるようです。そして保守的なARISでも月平均3%~5%という運用利回りを目指しているとあります。しかし矛盾しているように思うのですがこの説明文に続いては右のキャプに示した表が出てきます。この表を見る限り、ARISでもGENIEでも1ヶ月平均収益率の下限が15%となっています。上の文章にあったARISは保守的な運用を行うAIであり、月平均3%~5%という利回りを目指すという記述とはかけ離れているとしか思えません。

右の表は目標ではなく実際の運用利回りだとすれば実際に運用してみたところ目標を大きく上回るような運用が出来たということでしょうか?

そしてこの表をよく見ると「1ヶ月平均収益率」と「2ヶ月平均収益率」の関係がおかしいように思います。1ヶ月と2ヶ月の平均収益率の下限が共に15%~となっているのはどういうことなんでしょうか?1ヶ月で最低15%なら2ヶ月では30%~にならないとおかしいように思います。

そして実際にそんなに高利回りの実績があるならもっと具体的に月別の実績など示すべきではないのかと思うのですが具体的な実績については示されていません。そもそも保守的な運用のAIでも毎月15%といった利回りは非現実的としか思えません。またGENIEを開発したという香港のRoyal Algo研究センター (サイトの表示言語を英語にして確認した英語表記はRoyal Algo Reaserch Center) について検索してみましたが全く情報が見つかりませんし、ユートピアのサイトにRoyal Algo研究センターのサイトへのリンクも見当たりません。何故情報が全く見つからないのでしょうか?Royal Algo研究センターは実在するのでしょうか?もう一つのARISというAIについても開発者に関しては「米国シリコンバレー最高開発者」といった漠然とした記述があるだけで具体的な情報が全くありません。どうして開示出来ないのでしょうか?こうなってくるとそもそもAliceとかGENIEといった高利回りを叩き出せるAIが実在するかどうかについても疑問と感じざるを得ません。

次に連絡先情報についてですが、ユートピアのサイトでは連絡先情報が2ヵ所に記されています。まずサイトの下端、脚注の部分に以下のキャプに示した記述があります。

>Company Profile

>Company name : UTOPIA Limited

>Adrdress : Rue de Jargonnant 2 1207 Geneva, Switzerland

>Contact information : info@utopia-forex.com

>Web : https://utopia-forex.com/ja/

>Establishment : 2019

住所はスイスのジュネーブ、電話番号はありませんし、経営者に関する情報もありません。会社創設が2019年と記されています。尚、この住所は2022年2月に再確認したところ、セントビンセント・グレナディーンの住所に変更になっていました。本項の最後にある付記2を参照してください。

さらに「我々について」のページには以下のキャプに示したように5つの住所が記載されています。

▼Switzerland: Rue de Jargonnant 2, 1207 Geneva

▼United Kingdom 5 Lockington Rd, Nine Elms, London SW8 4BE

▼Canada #410- 375 Water St, Vancouver, BC V6B 5C6

▼Hong Kong Room 5A T6, park royale building, 38 town Park road north, New territories

▼Thailand Ratchadamri Rd, Lumphini, Pathum Wan District, Bangkok 10330

5つの住所はスイス、イギリス、カナダ、香港、タイとなっており、やはり住所だけで電話番号はありません。連絡先情報が記されている2ヵ所に共通して記されているスイス・ジュネーブの住所が本社の住所かと思われます。金融ライセンスに関する記述も探してみましたが全く見当たりません。日本で無登録であるだけでなく、海外でも無登録の違法業者である可能性があります。

そしてこのジュネーブの住所を検索してみましたがオフショア会社からの流出文書として有名なパナマ文書dun&bradstreetという会社情報のサイトで見つけた情報によるとこの住所はN.A.T. Services SA という従業員4名の会社の住所と一致するようです (以下のキャプ参照)。

このN.A.T. Services SAという企業に関しては公式サイトも見つからず、情報が乏しいのですがおそらくオフショア会社ではないかと思われます。この住所にユートピア社の事業実体が存在するかどうか相当に疑問です。またスイスに本拠があり、香港やタイにも拠点があるのならばサイトの表示対応言語が英語、日本語、韓国語の3つだけという状況には相当の違和感があります。スイスの公用語であるドイツ語、フランス語、イタリア語さらに香港やタイにも拠点があるなあ中国語、タイ語にも対応していてしかるべきでしょう。逆に日本や韓国に拠点があるとは書いていないのに日本語、韓国語に対応しているというのもおかしいと言えるかもしれません。

そして5つの住所が記されている「我々について」のページの冒頭には以下のような画像があります。

この画像を見ると中央やや右寄りのガラス張りの高層ビルにユートピア社のロゴが見えます。右にそのビルの拡大図を用意しました。ビルの外観にこれだけ大きなロゴが付いているとなればこれはユートピア社が占有しているあるいは床面積の相当部分をユートピア社が占めているビルということとしか思えません。トップページにあった100万人もの顧客を抱えているといった記述が本当であるならこれだけの大規模な自社専用ビル (?) を本拠にしていてもおかしくないかもしれません。ところがこのユートピア社のビルが何処にあるのか分からないのです。

連絡先情報に記されていた5つの住所の内、カナダと香港の住所は住所に部屋番号が含まれているのでこれだけ大きなビルの住所とは思えません。タイの住所は逆にストリートアドレスまでで終わっていて番地がない、不完全な住所と思われるのですが上の画像に見える町並みは雰囲気だけからいえばタイのものとは思えません。普通に考えれば本社と思われるスイス・ジュネーブあるいは街並みの雰囲気から言っても2番目のイギリス・ロンドンではないかと思われるのですがジュネーブとロンドンの住所をGoogle ストリートビューで見てもこのガラス張りの自社ビル (?)は確認出来ません。また本社と思われるジュネーブの住所は既に指摘したようにオフショア会社の住所である可能性があります。

そもそもユートピア社は上で触れたように「100万人の顧客」を抱えて「50億ドルの累積取引額」を誇り、これほど大きな自社ビル (?)に拠点を構えるようなかなりの大手金融機関なのでしょうか?

そこで気になるのがユートピアのサイトへのアクセス状況です。アクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示したように1日当たりの独立訪問者数は4930人という結果になります。

100万人の顧客がいるにしてはかなり少ないような気がしますが,100万の口座があっても全ての人が毎日アクセスしているとは限りませんし、休眠口座のようなものも存在するかもしれませんからおかしいと言えるほどではありません。しかし下のキャプに示した国別のアクセス状況を見ると明らかに異様です。

要するにアクセスの100%が韓国からという結果が出ます。ユートピア社はスイスに本拠を置き、他にはイギリス、カナダ、香港、タイに拠点があるはずなのにこれは明らかに異様です。さらに以下はこのサイトのWho Is情報のキャプです。

まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録開設日が記されていますが2020年10月5日となっています。上で少し触れていますがサイトの脚注部分にある会社情報には会社の創設が2019年と記載されていましたから矛盾しているように思われます。ユートピアのような投資関係会社で公式サイトが会社創設が2019年の年末であったとしても少なくとも9か月以上は立ち上がっていなかったという状況は考えにくいです。

さらに赤枠で囲った部分にある登録者の情報が問題です。赤枠で囲った部分を以下に書きだします。

>Registrant Name: Whois Privacy Services by gabia

>Registrant Organization: Whois Privacy Services by gabia

>Registrant Street:                      U-Space1 Complex B, 4F, 660, Daewangpangyo-ro,  Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do

>Registrant City: Gyeonggi

>Registrant State/Province:              

>Registrant Postal Code: 13494

>Registrant Country: KR

>Registrant Phone: +82.215444370

Whois Privacy Services by gabia」というのはおそらく本当の開設者に代わってサイトの開設を代行する業者の名称であり、 これが本当の開設者とは思えません。隠さなければならない理由があるとしか思われません。代行業者の住所は韓国です。韓国のGyeonggi-do(京畿道), Seongnam-si(城南市),Bundang-gu(盆唐区)という住所が見えます。また電話番号 (+82.215444370) も国際電話の国番号リストで確認出来ますが韓国の国番号 [+82]から始まっています。

結論としてユートピアのサイトは全く信用出来るとは思えません。金融ライセンス情報が見当たりませんし、スイスに本拠を置いているという主張は真実とは思えず、実際の運営本拠は韓国である可能性が高いように思われます。日本の銀行の口座を入金先として指定していること、本項の冒頭で引用したYahoo知恵袋への投稿などで営業電話など日本で勧誘が行われていること、日本語対応ということで日本のグループによるサイトの可能性も考えましたが、サイトの日本語の記述がかなり不自然であることを説明できません。自動売買で異様な高利回りが可能であるとしていますが非常に危険と考えざるを得ません。

(以下で検証しているビリオンFXというサイトはユートピアのサイトと非常によく似ており、同じ詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが濃いです。ビリオンFXを検証した印象ではビリオンFXのサイトが韓国語には対応していないこともあり、やはり日本語に不自然な部分があるものの日本国内の詐欺グループによるサイトの可能性が高いように思われます。)


※付記1

2022年1月28日付で関東財務局よりユートピアが無登録の違法業者であるという警告が出ました。以下にキャプを示します。

※付記2

既に本文中で書きましたがユートピアのサイトと非常によく似たビリオンFXというサイトが見つかってきました。次項で検証しているので参照してください。また時期は不明ですがサイトの脚注に記されていた住所がスイスのジュネーブからセントビンセント・グレナディーンに変更されたようです。以下にキャプを示します。

>Company Profile

>Company name : UTOPIA Limited

>Address : First Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building james Street Kingstown St. Vincent and the Grenadines

>Contact information : info@utopia-forex.com

>Web : https://utopia-forex.com/ja/

>Establishment : 2019

電話番号がなく、住所が租税回避地として有名なセントビンセント・グレナディーンとなればオフショア会社などを利用した架空住所としか思われません。この住所を検索してみると少なくとも2つのオフショア会社の住所と一致するようです。具体的には左下に示したSt. Vincent Trust & Escrow Ltd (https://truststvincent.com/) の連絡先情報、右下に示したのがEuro-Caribbean Trustees ltd. (ECTL https://mail.ectl-svg.com/) の連絡先情報で住所はユートピアのサイトに記されていたセントビンセント・グレナディーンの新しい住所に一致します。

さらにこの住所はかなり多くのFX業者のサイトなどでこの住所が所在地となっているようであり、それらの中には本サイトで検証対象とした以下のサイトも含まれています。

「検証5」 HASTフォレックス

「検証11」 フォーカスマーケッツ、アキシムトレード

「検証25」 PUプライム (https://jp.puprime.net/)

「検証27」 acx

「検証48」 AMマーケッツ

「検証59」 ウィートレードインターナショナル、モガインターナショナル / モガFX

「検証75」 Glopts、シティFXマーケッツ、Iqマイニングオプション

この住所にユートピアの運営が実在するとは全く思われません。 


※付記3

2023年3月下旬に確認したところ、ユートピアのサイトは閉鎖されているようです。また以下で検証しているmscrest forex (http://mscrest-forex.com/)ユニバーサルフォレックス (https://www.universalforex.asia/)、LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/) は組織的に繋がっている可能性があるように思われます。それぞれの検証を参照してください。


●Billion FX (ビリオンFX http://billionfx.asia/index.php)

これはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトでで検証しているUTOPIA (ユートピア https://utopia-forex.com/ja/) のサイトと極めてよく似ている部分があります。同じテンプレートから作られたサイトと考えられ、同じグループによるサイトである可能性が極めて濃いです。さらに後述しますがビリオンFXと同じIPアドレス上には「検証3」で検証したAngelo Forex (アンジェロ・フォレックス http://anjelo-forex.com/) の検証で関連サイトとして出てきたスクエアリンクファイナンシャルのサイト (http://squarelinkfinancial.com/) や旧サイトの「海外FX業者検証5で検証しLightning-Forex (ライトニングフォレックス https://www.lightning-forex.com/) という被害報告が出ているサイトも共存しています。ここでも組織的な繋がりの可能性が考えられます。尚、のサイトは暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されていないことを示す「http」でURLアドレスが始まっており、その時点で危ないサイトとしか思われません。

まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用しておきます。

2022年1月22日投稿

質問はこれだけで質問の背景など何も分かりません。

その後、この検証を書いてからかなり時間が経過してからですが被害者からと思われる投稿がやはりYahoo知恵袋に出てきました。

2023年4月12日投稿

勧誘された経緯が分かりませんが、LINEの「誠@billionFX 」というアカウントの人物のようです。そして100万円を投資したけどお金が必要になって出金申請をしたけれど対応が悪いとオープンチャットに書き込んだ途端に追放され、口座の残高がゼロになる一方で出金も確認されないという事態に陥ったようです。

さらにこの質問に対して2名の回答者が自分も被害者であるという内容の回答を寄せています。それぞれの回答者と質問の投稿者のやり取りの一部を以下に示します。まず1人目の回答者とのやり取りです。

この回答者も出金に支障が生じているようですが、GOODENOUGHという別の案件を紹介されたとも書いています。このGOODENOUGHというのは「検証7」で検証したグッドイナフFX (https://www.goodenoughtreasure.com/top) というサイトの件かもしれません。

以下は2人目の回答者とのやり取りの一部です。

運営側の人物として「金勝」という名前が出てきていますが、この名前について調べてみるとYahoo知恵袋などに幾つか投稿が見つかり、FXのGODZILLA System (ゴジラシステム) とかTRADE KINGDOM COMMUNITY (トレードキングダムコミュニティ) といった案件に関わっているという情報が出てきます。

FXのGODZILLA System (ゴジラシステム)  に関する質問投稿 (Yahoo知恵袋)

さらに調べてみるとトレードキングダムコミュニティのランディングページ (https://tkdad01.com/yt-lp2-4-2/) を見つけました。以下にこのランディングページの冒頭部および金勝の自己紹介の部分のキャプを示します。

最短30分の作業で日給10万円を目指せるとありますが、作業時間が最短30分とか日給10万円を目指せるというのは保証されたものではないでしょう。1日中作業してもさっぱり儲からないことも有り得る表現としか思えません。金勝という人物は累計運用資金19億円の元海外ファンドチーフディーラーを自称しています。そしてこのランディングページの特定商取引法に基づく表記を左下に示します。この特商法の表記で住所となっている大阪市旭区太子橋3-6-9-102を調べてみると「やわらぎマンション」という不動産会社の情報によれば3階建て、2DK、31.08平米、築51年の賃貸マンションがあることが分かりました、右下にGoogleストリートビューで見たやわらぎマンションの画像を示します。

失礼ながら累計運用資金19億円の元海外ファンドチーフディーラーがこのマンションの1階右側の部屋 (102号室) に本拠を構えているようには見えません。左上の特定商取引法に基づく表記の電話番号は (080) 局番の携帯電話の電話番号ですし、連絡先情報の信頼性にはかなり強い疑いがあります。とにかくこうした自称・元海外ファンドチーフディーラーという人物が勧誘に関わっていてビリオンFXから出金出来ないという被害が相当数発生している可能性があるということになります。

ビリオンFXの検証に戻りますが最初に引用したYahoo知恵袋の質問から検索してみることで表題のビリオンFXのサイトを見つけてきました。以下がサイト冒頭部のキャプ画像です。表示言語は日本語、英語、中国語からの選択になっています。

この冒頭部に続いては以下のキャプに示したような部分があります。

>強力なEA、AI、取引をフォローする

>取引に自信がない場合時間切れになっても心配しないでください自動的にお金を生み出します

といった記述があって自動売買のシステムを提供しているようです。

本項の最初にビリオンFXのサイトは上で検証したユートピアのサイトと非常によく似ていると書きましたが、冒頭部とこの自動売買に関する説明の部分まではビリオンFXとユートピアのサイトで特に似ているようには思われません。しかしこの次に出てくる取引対象を説明する部分では2つのサイトが互いに酷似しています。まずビリオンFXについてユートピアのサイトと区別する為にメニューバーを含む形で取得したキャプ画像を以下に示します。

そしてユートピアのサイトにある取引対象を説明する部分のキャプを以下に示します。やはりメニューバーを含める形でキャプ画像を取得しています。尚この部分は上のユートピアの検証では取り上げなかったので本サイトでの検証では初出になります。

画像部分については2つのサイトで同じものが使われているとしか思われません。テキスト部分は全く同じというわけではありませんが文章の内容は明らかに似通っています。取引対象になっている5項目は商品先物、外国為替、株価指数、株式、暗号資産 (仮想通貨) の5つで共通しています。

取引対象を説明する部分に続いてはビリオンFXでもユートピアでもサイトの特長を説明する部分が出てきます。その特徴を説明する部分についても以下にキャプを示して比較します。ここでも2つのサイトを区別する為にメニューバーを含む形でキャプ画像を取得しています。

2つのキャプ画像を比較すれば明らかですがこのサイトの特長を説明する部分ではイラスト部分、テキスト部分とも互いに全く同じに見えます。

ところがこの特長を説明する部分に続く部分ではビリオンFXでもユートピアでも100万人以上の顧客がいると主張する部分が出てくるのですが、主張する内容は同じでも見かけや文章はかなり異なります。以下にビリオンFXユートピアのサイトからのキャプを順に示します。

さらにこの部分に続く取引出来高が50億ドル以上と主張する部分についても2つのサイトからのキャプを順に示します。何を意味するのか分からない金色の金具か装飾品と思われるものの画像は2つのサイトで同じものが使われているようです。しかしテキスト部分は意味するところは同じでも文章そのものはかなり異なります。

ビリオンFXについて本当に100万人以上の顧客がいるとか50億ドル以上の取引が行われているのかという点については後述します。

同様に高いセキュリティレベルを主張する部分についてもビリオンFXユートピアからのキャプ画像を以下に順に示します。右側のおそらく金庫の画像は同じものでしょうし、左側のテキストも部分的に一致しています。

次にビリオンFXの連絡先情報を以下に示します。

>会社概要

>会社名:Billion FX

>Adrdress:Palm Chambers. Road Town Tortola英領バージン諸島

>連絡先情報:support@billionfx.asia

>Web:www.billionfx.asia

電話番号がなく、住所は租税回避地として有名な英領バージン諸島です。しかもこの住所は不完全な住所と思われます。オフショア会社などを使った架空住所でほぼ間違いないでしょう。そして上で検証したユートピアのサイトはビリオンFXのサイトと明らかに似ており、同じ組織によるサイトとしか思われないのに所在地は当初はスイスのジュネーブなど、この検証を書いている2022年2月現在ではセントビンセント・グレナディーンなどに変更になっており、ビリオンFXの所在地がユートピアの所在地が全く異なる英領バージン諸島になっているということこれらの連絡先情報が全くあてにならないデタラメ、架空住所であることを示唆しているように思います。尚、ユートピアのサイトにはスイス以外にもイギリス、カナダ、香港、タイの4つの拠点があるという記述がありましたが、ビリオンFXのサイトに記されている住所はセントビンセント・グレナディーンの1ヵ所のみです。

運営元に関する記述がこれしか見当たらないのでさらに運営元に関する情報を求めて例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが、運営元に関する情報は全く開示されていません。以下に一応Who Is 情報のキャプ画像を示します。

黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日は2021年6月22日となっています。ユートピアのサイトのWho Is 情報に記されていたサイトの登録・開設日は2020年10月5日でしたからビリオンFXのサイトの方が8~9ヶ月ほど新しいことが分かります。

それからビリオンFXのサイトへのアクセス状況を調べてみた結果が以下のキャプです。

1日当たりの独立訪問者数とか1ヶ月のアクセス数といった数字がいずれも検出限界以下です。ユートピアの場合と同様、ビリオンFXのサイトには100万人以上の顧客がいるとか50億ドル以上の取引が行われているといった記述があることを上で示しましたが、到底事実とは思われません。

さらにWho Is 情報やアクセス状況を調べていて気が付きましたが、ビリオンFXのサイトと同じIPアドレス上に幾つかの過去に調べたことがあるサイトが共存しているようです。以下はビリオンFXのサイトを基準に同じIPアドレス (167.86.125.13) 上のサイトを調べた結果のキャプです。

ビリオンFXのサイトは他に3つのサイトとIPアドレスを共有していることが分かります。そしてこの3つのサイトが問題です。まず最初のサイトは既に閉鎖されているようですが、Lightning-Forex (ライトニングフォレックス https://www.lightning-forex.com/) というFX業者のサイトです。このライトニングフォレックスについては旧サイトの「海外FX業者検証5で検証していますがやはり運用を一任するMAM口座で高利回りの運用が可能と称して投資を募り、出金出来ない事態に陥ったという詐欺被害の報告が出ているFX業者です。

同じIPアドレス上のサイトとして見つかってきた2番目のサイト、Square Link Financial ( スクエアリンクファイナンシャル http://squarelinkfinancial.com/)というサイト「検証3」で検証したAngelo Forex (アンジェロ・フォレックス http://anjelo-forex.com/) に関連したサイトです。すなわち、Yahoo知恵袋の2020年5月16日付の質問投稿スクエアリンクからアンジェロフォレックスへの投資を勧誘されたという情報が出ているのです。尚、アンジェロ・フォレックスは同じく「検証3」に検証があるギャラクシーマーケッツ、ブリリアントワン・フォレックス、アライアンスメトロフォレックスの3つのサイトと同じグループによる、いずれも詐欺目的と思われるサイトであり、海外のFX業者を装っていても日本のグループによるサイトである疑いが濃厚です。だとすれば同じIPアドレス上にこれだけ似たような詐欺目的の疑いが濃いサイトが集まっているというのは偶然とは思われませんからビリオンFXも海外のFX業者を装っていても実際には日本のグループが運営しているサイトということも考えられるかもしれません。

しかし一方でビリオンFXは上で検証したユートピアと非常に似ている部分があり、同じグループによるサイトの疑いが濃厚です。そして上のユートピアの検証で書きましたが、ユートピアでの投資を勧誘するグループが日本国内にいると思われる一方でサイトの日本語の記述にはかなり不自然な部分があり、日本のグループによるサイトとは考えにくいようにも思われます。そして同じことはビリオンFXのサイトについても言えます。ビリオンFXのサイトの日本語には明らかに不自然な部分があって日本のグループによるサイトとは思えない部分もあるのです。しかし敢えて不自然な日本語の文章を書くことで海外のグループによるサイトであることを演出しているといった可能性もあるかもしれません。最初に引用した投稿の関係で説明したように金勝などと名乗る人物を含む国内に本拠を置いていると思われるグループが勧誘に関わっているとしてもそれらの人物は単なる広告塔役なのかもしれません。結論を出すのは容易なことではありませんが、今のところは日本のグループ、海外のグループが関わっている可能性はいずれも排除出来ません。

そしてビリオンFXのサイトとIPアドレスを共有する3番目のサイトはmscrest forex (http://mscrest-forex.com/) という海外のFX業者のサイトです。このサイトは英語表記にしか対応していませんが、やはり同じグループによる詐欺目的のサイトである可能性が当然考えられます。このサイトに関しても簡単な検証を以下に書きましたので参照してください。

ともかくビリオンFXは被害報告が複数確認されているユートピアと同じグループによるサイトである可能性が高いこと、最初に引用したように2023年になって出金出来ないという被害事例の報告が出ていることなどから非常に危険な詐欺目的のサイトである可能性がやはり濃厚であると考えます。投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


※付記1

次項で検証しているmscrest forex (http://mscrest-forex.com/) 以外にもビリオンFXと組織的に繋がっている可能性のあるサイトが見つかってきました。以下で検証しているユニバーサルフォレックス (https://www.universalforex.asia/)、LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/) の項目を参照してください。


※付記2

2023年5月31日付で関東財務局から無登録の違法業者であるとしてビリオンFXに対して警告が出ました。以下を参照してください。


●mscrest forex (mscrestフォレックス http://mscrest-forex.com/)

これは上で検証したビリオンFXなどのサイトとIPアドレス (167.86.125.13) を共有していることで見つかってきたサイトです。見つかってきた経緯は上のビリオンFXの検証の最後の部分で説明してあるので参照してください。日本語に対応しているわけでもなく、勧誘されたとか出金出来なくなったといった報告が確認されているわけでもないのですが、全く無関係なFX業者のサイトが複数同じIPアドレス上に集中しているというのは偶然とは思われず、ビリオンFX同じグループによる詐欺サイトの疑いがあるということで簡単に検証してみることにしました。まず以下にサイト冒頭部のキャプ画像を示します。

表示言語を切り替える選択肢は用意されておらず、英語表記にしか対応しているいないようです。そして上のキャプ画像の中に「Open Live Account (口座開設) 」「Open Demo Account (デモ口座開設) 」と書いてある部分が見えますが、非常に奇妙なことにこれらの部分をクリックしてみると以下に示したようなエラーメッセージが出てきます。

要するにこのmscrestフォレックスでは現状において口座開設が出来ない状況になっているようです。一体どういうことなのか全く分かりません。

とにかくトップページの続きを見ていきます。以下は取引対象を説明している部分のキャプ画像です。

外国為替 (FX) の他、為替先物、貴金属先物、原油や天然ガスなどのエネルギー、株式指数、トウモロコシや大豆などの農産物なども取引出来るとなっていますが、全般的に説明不足です。例えばFX取引が可能となっていても具体的に取引出来る通貨ペアの種類とか取引単位といった基本的な情報がないのです。リアルタイムの相場情報とかチャートも見当たりません。口座を開設してログインすればそうした情報が出てくるようになるのかもしれませんが、既に説明したようにこの検証を書いている2022年2月時点では口座開設が出来ない状況になっています。

次に連絡先情報を探しましたが殆ど情報がありません。わずかに脚注部分に右のキャプ画像に示したメールアドレスが1つあるだけです。

>Contact Us

>support@mscrest-forex.com

これでは話にならないので例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが、やはり運営元に関する情報は何も公開されていません。以下に示したキャプの黄色の枠で囲った部分を見ると2020年3月14日にサイトが登録・開設されています。

2021年6月22日に登録・開設されているビリオンFXのサイトなどよりもよほど古いサイトということになります。口座開設が出来ない状況になっているのはサイトが未完成だからということではなさそうです。

とにかく連絡先などの開示が殆どされておらず、当然金融ライセンスに関する記述もないというサイトが信頼出来るとは全く思えません。さらに上で検証したビリオンFXとIPアドレスを共有していて同じグループによる運営の可能性もあるとなればよほどの理由がない限り、このサイトでの投資は推奨できるものではありません。


●UNIVERSAL FOREX (ユニバーサルフォレックス https://www.universalforex.asia/)

●LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/)

ユニバーサルフォレックスはYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトで検索してみると副業名目などでの勧誘が行われているようです。もう1つのLEGAREAFXはユニバーサルフォレックスのサイトと同じIPアドレス上にあることで見つかってきたサイトで同じグループによるサイトであり、日本語表示に対応しているので検証対象とすることにしました。さらにこれらのサイトを調べてみると上で検証したビリオンFXなどのサイトと組織的な繋がりがあることが示唆されたのでここで検証することにしました。

まずユニバーサルフォレックスについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年3月23日投稿

ユニバーサルフォレックスというサイトが詐欺ではないか?「例の件」と類似しているのではないかという動画をリンクしてやばいですかね?というだけの質問投稿です。リンクされている動画を確認してみましたが、ユニバーサルフォレックスのMAM (自動売買口座) に投資すると数字の上では増えているけど結局出金できないという口コミが来ているとか「例の件」と似ているとか詐欺と疑う根拠が明確に示されないのが残念です。「例の件」が何を指しているのかも分かりません。

とにかくユニバーサルフォレックスについて検索してみると他にも出金出来ないといったネット書き込みが幾つか見つかります。信頼できるサイトの情報かどうか怪しいのでリンクはしませんが株式会社Rat (ラット https://rat-inc.info/) という会社が電話で勧誘してきた「在宅副業ワーク」とか合同会社Life Supportという会社が運営する「かんたん副業」という中身が不明の案件に申し込んだらユニバーサルフォレックスでの自動売買運用だったといった情報が出てきます。これらの内、株式会社Rat (ラット https://rat-inc.info/) についてはサイトが閉鎖されていますが「かんたん副業」についてはランディングページ (https://rich-rk2022.com/cart/) が確認されました。以下にそのランディングページの冒頭部のキャプを示します。

「最高日給20万円可能!!」とか「知識経験は一切必要無し」などと書いてありますがどういう仕組みで高額収入が得られるかについては説明がありません。さらに以下には特定商取引法のページの冒頭部を示します。

>販売事業者:合同会社Life Support

>運営責任者:中島健斗

>所在地:東京都渋谷区円山町5-5Navi渋谷V3階

>電話番号:03-6869-5085

>メールアドレス:info1fksservice@gmail.com

東京都渋谷区の住所はアントレサロン渋谷 (https://entre-salon.com/salon/shibuya/) というレンタルオフィス・バーチャルオフィス業者の住所に一致しており、架空住所の可能性が濃厚です。またメールアドレスは無料登録出来るgmailのアドレスです。またサイトが閉鎖されている株式会社Rat (ラット) についても合同会社Life Support (ライフサポート) についても国税庁の法人番号公表サイトで法人登録を探してみましたが該当すると思われる法人登録が見つかりません。合同会社ライフサポートについては住所が異なる法人登録 (法人番号:9030003005885) が見つかりますが関連は不明です。ちなみにこの関係不明の法人登録の住所 (東京都渋谷区代々木1丁目30番15号天翔オフィス518号室) も1室のスペースが3平米ほどのシェアオフィスですし、法人名の変更や住所変更を繰り返しています。さらにサイトが既に閉鎖されている株式会社Rat (ラット https://rat-inc.info/) についても

>東京都豊島区東池袋1-34-5 いちご東池袋ビル6階

という住所を表示していたようですが、これも池袋アントレサロン (https://entre-salon.com/salon/ikebukuro/) というレンタルオフィス・バーチャルオフィス業者の住所のようです。

そしてネット上の複数の書き込みによれば株式会社Rat (ラット) についても合同会社Life Supportについてもお金もうけの仕組みはユニバーサルフォレックスでの自動売買ということになっているようです。

こうした勧誘が行われているユニバーサルフォレックスのサイト、さらにユニバーサルフォレックスのサイトと同じIPアドレス上にあることで見つかってきたLEGAREAFXというサイトを本項では検証します。以下はユニバーサルフォレックスのサイト (https://www.universalforex.asia/) を基準にして同じIPアドレス上にあるサイトを探した結果です。

5つのサイトが検出されていますが、3番目 (https://ja.legareaforex.com/) が本項で検証するLEGAREAFXの日本語サイト、4番目 (https://legareaforex.com/) が同じくLEGAREAFXの英語サイトです。それ以外にFazoFX (https://fazofxcorp.com/)、Gtcfxmarket (GtcFXマーケット https://gtcfxmarket.com/)、Bigbull Markets (ビッグブルマーケッツ https://bigbullmarkets.com/) という3つのサイトが同じIPアドレス上のサイトとして検出されていますがいずれも基本的に日本語非対応ということで簡単に触れるだけにします。(当初、GtcFXマーケットのサイトは既に閉鎖されているようだったのですが、後になって復活したようなので検証を加えました。)

まず本項で検証する2つのサイトについてサイト冒頭部のキャプ画像を順に示します。

▼ユニバーサルフォレックス (https://www.universalforex.asia/) [表示言語:日本語のみ]

ユニバーサルフォレックスのサイトは一見するとメニューバーから日本語表示あるいは英語表示を選択出来るようになっています。しかし実際には「English」を選択しても何も起こらず、事実上日本語表示にしか対応していません。

▼LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/) [表示言語:日本語、英語]

LEGAREAFXは英語と日本語に対応しています

これら2つのサイトの冒頭部は互いに似ているようには見えませんし、これまでに検証してきたサイトと比べても似ているようには思えません。さらにこれら2つのサイトは冒頭部に続く部分を見ても互いに似ているようには思えません。例えば以下はユニバーサルフォレックスのサイトの「選ばれる理由」と題された部分のキャプ画像です。サイトの4つの特長が説明されています。

一方で以下はLEGAREAFXの「私たちを選ぶ理由」と題されたやはりサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分のキャプ画像です。

比べてみても互いに似ているような部分は見当たりません。「選ばれる理由」というタイトルは似ていますが、添えられている画像は明らかに違いますし、4つの特長として挙げられている項目も似ていません。

ところがこれら2つのサイトが互いに明らかに似ている部分が見つかりました。それが以下に示した口座開設画面です。ユニバーサルフォレックスの口座開設画面 (https://secure.universalforex.asia/#/login) → LEGAREAFXの口座開設画面 (https://traderroom.legareaforex.com/#/signup) の順でキャプを示します。

左側の背景画像は明らかに同じものですし、

>Your access to the global financial markets

>Invest in hundreds of US stocks commission free

という文章も全く同じです。やはりこれら2つのサイトが同じIPアドレス上にあるのは偶然ではなく、同じグループによるサイトだからである可能性が高いと思われます。

さらにここで気が付いたのですが、上で検証したビリオンFX (http://billionfx.asia/index.php) の口座開設画面 (https://secure.billionfx.asia/#/login) も明らかに似ています。以下にキャプを示します。

特にユニバーサルフォレックスの口座開設画面とビリオンFXの口座開設画面は右側の記入欄がメールアドレスとパスワードの2つだけで非常によく似ています。

さらに以下はユニバーサルフォレックスやLEGAREAFXと同じIPアドレスを共有していることで見つかってきていたFazoFX (https://fazofxcorp.com/) の口座開設画面 (https://traderroom.fazofxcorp.com/#/signup)、Bigbull Markets (ビッグブルマーケッツ https://bigbullmarkets.com/) の口座開設画面 (https://traderroom.bigbullmarkets.com/#/signup) です。

これら2つのサイトの口座開設画面は右側の記入欄が氏名、メールアドレス、電話番号、紹介コードの4つとなっていてLEGAREAFXの口座開設画面と似ています。これだけ似ているとなればビリオンFXやビッグブルマーケッツはユニバーサルフォレックスやLEGAREAFXと同じグループによるサイトである可能性が高いと考えられます。

次にユニバーサルフォレックス、LEGAREAFXのサイトで連絡先情報を探しましたが開示されている情報はわずかです。まずユニバーサルフォレックスの場合ですが脚注部分に住所とメールアドレスのみ記されています。

>Universal Forex Limited

>Level 23, Boulevard Plaza 2 Sheikh Mohammed bin Rashid Boulevard - Dubai

>Inquiry with us:

>support@universalforex.asia

>https://universalforex.asia

住所とメールアドレスだけで電話番号はありません。そして住所はアラブ首長国連邦のドバイですがこの住所を検索すると以下に示したSERVCORPというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致します。

そもそもユニバーサルフォレックスの本拠がアラブ首長国連邦・ドバイにあるのならばサイトがアラビア語に対応していないのはおかしいでしょう。この住所は全く信頼出来ません。

次にLEGAREAFXの連絡先情報ですが、やはり脚注部分に以下のような記述があります。

まず上のキャプの左下にFacebook、TwitterなどSNSの公式アカウントのリンクになっているように見えるアイコンが並んでいます。しかしこれらのアイコンをクリックしてみるとLEGAREAFXのサイト自体にリンクされているという奇妙なことになっています。実際には存在しないSNSの公式アカウントが存在するように見せかけているとしか思えません。そして右端に連絡先情報らしきものが記されています。その部分を書き出します。

>コンタクト

>城道517号143号

>+81 123 456 789

>support@legareaforex.com

この連絡先情報は理解不能です。「城道517号143号」というのが住所かと思われますが、どこの国の住所なのかも不明です。また電話番号は[+81]という日本の国番号から始まっていますがその後が「123 456 789」というのは冗談としか思えません。

そこで英語版の脚注部分を確認しました。以下にキャプを示します。

左下にSNSの公式アカウントへのリンクに見えるアイコンが並んでいるのは日本語版と同じです。しかし右端に記されている連絡先情報は日本語版と大きく異なります。

>Contact

>3046 Gold Coast Highway, Surfers Paradise QLD 4217

>+61 479 392 076

>support@legareaforex.com

日本語版と比較するとメールアドレスだけは同じですが、住所と電話番号は全く異なります。電話番号は[+61]というオーストラリアの国番号から始まっており、住所もオーストラリアのクイーンズランド州の住所です。そこでオーストラリアの法人登録を調べられるABN Lookup (https://abr.business.gov.au/) というサイトでLEGAREAFXの法人登録を探してみましたが、該当すると思われるような法人登録は見つかりません。そもそも日本語版と英語版で記されている連絡先情報が全く異なるというのは理解不能で信頼できる情報とは思えません。

さらにここで上で少し説明したユニバーサルフォレックスLEGAREAFXと同じIPアドレス上にある他の3つのサイト、FazoFX (https://fazofxcorp.com/)GtcFXマーケット https://gtcfxmarket.com/)Bigbull Markets (ビッグブルマーケッツ https://bigbullmarkets.com/) について簡単に触れることにします。FazoFXとビッグブルマーケッツについては既に口座開設画面がユニバーサルフォレックス、LEGAREAFXの口座開設画面と似ていることだけ上で示しています。

まず以下にFazoFX、GtcFXマーケット、ビッグブルマーケッツのサイト冒頭のキャプを順に示します。

FazoFX (https://fazofxcorp.com/) [表示言語:英語のみ]

GtcFXマーケット (https://gtcfxmarket.com/) [表示言語:英語のみ]

ビッグブルマーケッツ (https://bigbullmarkets.com/) [表示言語:英語のみ]

これら3つのサイトもこの冒頭部だけを見る限りではIPアドレスを共有するユニバーサルフォレックス、LEGAREAFXあるいはこれまでに検証してきたサイトのいずれにも特に似ているようには見えません。またいずれも表示言語は英語のみです。GtcFXマーケットの場合のみメニューバーに言語選択メニューのようなものがあるのですが、実際には言語選択メニューとして機能していないようです。

そしてFazoFXとビッグブルマーケッツの口座開設画面がユニバーサルフォレックス、LEGAREAFXの口座開設画面に似ていることは上で示しましたが、残りのGtcFXマーケットの口座開設画面 (https://client.gtcfxmarket.com/register) を以下に示します。

この口座開設画面は他のサイトと全く異なっていますが、驚いたことに日本語で書かれていて他の言語に切り替える選択肢も用意されていません。GtcFXマーケットのサイト (https://gtcfxmarket.com/) 自体は英語のみで書かれているのに口座開設画面は日本語のみというのは異様な状況です。GtcFXマーケットはサイト自体は英語のみ対応でも実際には日本のグループによって日本人を標的に立ち上げられたサイトである可能性が充分に考えられます。そしてサイトに特に似ている点が見つからなくてもこれだけFX業者のサイトばかり幾つも同じIPアドレス上に存在するというのも偶然とは思えません。これらのサイトは同じグループによるサイトでほぼ間違いないものと考えます。

次にFazoFXのサイトの所在地情報は以下のようになっています。

>FazoFX Liquidity Corp Limited is registered by St. Vincent and the Grenadines., License number  26812 BC 2022.

まずセントビンセント・グレナディーンに登録があると書いてあります。しかし単にセントビンセント・グレナディーンという国名とライセンス番号らしきものが書いてあるだけで完全な住所はありません。セントビンセント・グレナディーンは簡単にペーパーカンパニーが作れる租税回避地ですし、登録があるという書き方はこれが名目だけの所在地であることを意味しているように思われます。

>Administrative Physical office : NO/5 Keela Sanathi Street, opposite to old court, Near Seemati Silks, Thiruvarur, India – 612001

2つ目はインドのティルヴァルールという都市です。しかしこの住所を検索しても殆ど何も出てきません。実在の住所かどうかさえ分かりません。そしていずれの拠点についても電話番号はありません。

さらにこのFazoFXについては以下のTwitterアカウント (https://twitter.com/FazoFXLiquidity) へのリンクが存在します。

しかしこのTwitterアカウントの記述では上のキャプに見えるように所在地が(アラブ首長国連邦の)ドバイとなっていますし、FazoFXのリンクがここで説明しているFazoFXのURLアドレス (https://fazofxcorp.com/) とは異なるURLアドレス

>https://fazofx.com/

となっています。さらにこのURLアドレスにアクセスしてみると既に閉鎖されているようです。一体どういうことなのか分かりませんが、FazoFXというサイトが2つ存在していて一方は既に閉鎖されているということになるものと思われます。

次はGtcFXマーケット (https://gtcfxmarket.com/) の脚注に記されている連絡先情報などを示します。

まずメールアドレスとFacebook、Instagramのアカウントへのリンクがあります。

メールアドレス: support@gtcfxmarket.com

Facebook: https://www.facebook.com/profile.php?id=100092212009089

Instagram: https://www.instagram.com/gtcfx01/

住所とか電話番号といった連絡先情報は見当たりません。Facebookのアカウントはアクセスできますが、目ぼしい情報はなく、Instagramのアカウントは理由は不明ですが閉鎖されているようです。

それ以外にはセントビンセント・グレナディーンで設立されたとかFinacial Services Authority (FSA) で登録を得ているといったことが書いてあって以下の住所が示されています。

>Griffith Corporate Centre, PO Box 1510, Beachmont Kingstown, St Vincent and the Grenadines.

しかしここに出てくるGriffith Corporate Centre (https://griffithcorporatecentre.com/) はバーチャルオフィス業務なども提供するオフショア会社です。この住所GtcFXマーケットが実在するとは到底思えません。

次はビッグブルマーケッツの所在地情報です。以下に示した脚注部分の右側に連絡先情報らしき記述があります。

連絡先情報の部分を以下に書き出します。

>CONTACT

>place8 Avery Hill Rd, Avery house, New Eltham, London SE9 2BD, UK.

>mailsupport@bigbullmarkets.com

>phone_iphone +447520640499

住所はイギリスのロンドン、電話番号もイギリスの国番号である[+44]から始まっています。しかしこのイギリスの住所を検索すると以下に示したPritchard Fellows & Co. (http://www.pritchardfellows.com/index.php) という公認会計士事務所の住所と一致していることが分かりました。

この会計事務所の業務内容を見ると「Company Secretarial Services」という項目があって会社の設立などの業務を行っているとあるのでBigbull Markets (ビッグブルマーケッツ) はこの会計事務所を利用して立ち上げられたペーパーカンパニーではないかと考えてイギリスの法人登録情報を検索できるサイト (https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/) で検索してみましたが該当すると思われるような法人登録は見つかりません。本当にビッグブルマーケッツの事業実体がイギリスに存在するかどうかは疑問です。

ここまで出てきたサイトの内、特にユニバーサルフォレックスLEGAREAFX、GtcFXマーケット、ビッグブルマーケッツの4つのサイトはIPアドレスを共有しており、さらに口座開設画面が極めて似ていることなどから同じグループによるサイトの可能性が濃厚です。また上で検証したビリオンfxはIPアドレスは別ですが口座開設画面はよく似ていますし、FazoFXの口座開設画面は全く異なりますが、IPアドレスが一致しています。

さらにビリオンFXと明らかに似ている部分が認められるユートピアやビリオンFXとIPアドレスを共有しているmscrestフォレックスといった上で検証してきたサイトも同じグループの可能性が高いです。

しかしこれらのサイトに記されている所在地情報は全く一致していません。以下の表にまとめてみます。

サイト名 (URLアドレス) サイトに記されている所在地

ユニバーサルフォレックス (www.universalforex.asia) アラブ首長国連邦・ドバイ

LEGAREAFX (ja.legareaforex.com) オーストラリア・クイーンズランド州

FazoFX (fazofxcorp.com) インド・ティルヴァルール

FazoFX (fazofx.com) アラブ首長国連邦・ドバイ

GtcFXマーケット (gtcfxmarket.com) セントビンセント・グレナディーン

ビッグブルマーケッツ (bigbullmarkets.com) イギリス・ロンドン

ユートピア (utopia-forex.com) セントビンセント・グレナディーン

ビリオンFX (billionfx.asia) 英領・バージン諸島

mscrestフォレックス (mscrest-forex.com) 記載なし


所在地情報は見事なくらいにバラバラです。これらの情報はデタラメとしか思えません。そこで例によってWho Is 情報を確認しました。しかしいずれのサイトでも登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日のみ関連する可能性があるサイトと一緒に以下にまとめます。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日

ユニバーサルフォレックス (www.universalforex.asia) 2022年3月17日

LEGAREAFX (ja.legareaforex.com) 2022年11月9日

FazoFX (fazofxcorp.com) 2021年9月13日

FazoFX (fazofx.com) 2021年9月13日

GtcFXマーケット (gtcfxmarket.com) 2022年10月8日

ビッグブルマーケッツ (bigbullmarkets.com) 2021年10月22日

ユートピア (utopia-forex.com) 2020年10月5日

ビリオンFX (billionfx.asia) 2021年6月22日

mscrestフォレックス (mscrest-forex.com) 2020年3月14日

URLアドレスが異なる2つのFazoFXのサイトは同じ2021年9月13日に登録・開設されています。同じグループによるサイトの可能性が高いものと思われます。またこれら9つのサイトの内、この検証を書いている2023年3月下旬現在でFazoFX (fazofx.com)、ユートピア (utopia-forex.com)、mscrestフォレックス (mscrest-forex.com) の3つのサイトは何の告知もなく閉鎖されているようです。これらのサイトは全て同じグループによるサイトの可能性があり、既に3つが告知なしで閉鎖されているとなれば本項の検証対象であるユニバーサルフォレックスやLEGAREAFXについても突然告知なしで閉鎖される可能性があるかもしれないということになります。

またこの検証で示してきたようにユニバーサルフォレックスやLEGAREAFXのサイトの情報開示が明らかに不適切、不充分ですし、記述内容の信頼性にも大きな疑問があります。金融ライセンスも全く確認出来ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても応じないことを推奨します。


※付記

以下で検証しているAsian Trade (アジアントレード https://asian-trade.asia/) というサイトも上で検証したビリオンFXや本項で検証した一連のサイトと同じグループによるサイトである可能性が濃厚です。参照してください。


●Asian Trade (アジアントレード https://asian-trade.asia/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで調べてみると上で検証したビリオンFX以下のサイトと共通する点が見つかり、同じグループによるサイトの可能性が濃厚です。まずYahoo知恵袋に出てきたこのサイトに関する質問投稿を引用します。

2023年6月1日投稿 

「知人」から紹介されたMoon Global LLC (ムーングローバル https://company.exvestor.site/) が提供する自動売買システムで運用するという投資の勧誘に乗ってしまったようです。運用先のFX業者が本項の検証対象であるアジアントレードということになります。まずムーングローバルのサイトの冒頭部を以下に示します。

このムーングローバルというサイトは情報量が非常に乏しいサイトなのですが、以下の記述を見ると自動売買システムを提供しているようです。

さらに「News」という項目には以下のような記述があります。

>2022年3月

>自動売買システム「EXVESTOR(エクスベスター)」のアップデートが完了しました。

とあるので少なくとも2022年3月からムーングローバルが営業していてエクスベスターという自動売買システムを提供していることになります。

さらに以下はムーングローバルのサイトのメニューバーにある「Service」という項目がリンクされているエクスベスターのサイト (https://exvestor.site/) に記されているエクスベスターによる運用実績の説明の一部です。

2022年6月~8月の利益率が+28.3%、+10,3%、+11.4%となっており、どれほどの期間での数字なのか分かりませんが「利益実績213.9%」という数字も示されています。しかしこれだけの高利回りの実績が実際にあるのかどうかは疑問です。以下はこのエクスベクターのサイト (https://exvestor.site/) のWho Is 情報を示します。 

黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2022年11月7日になっています。2022年6月~8月の利益率が+28.3%、+10,3%、+11.4%という実績は明らかにサイトが開設される前の「実績」ということになります。そもそも毎月10%以上といった利回りが現実のものとは思えません。こうした「実績」が現実の実績なのかどうか極めて疑問と考えざるを得ません。

次に連絡先情報です。特定商取引法に基づく表記は以下のようになっています。

>事業者の名称 Moon Global LLC

>代表者 佐野 満

>所在地 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング

>お問い合わせ先 03-6709-3873

>販売価格 販売価格は、購入手続きの際に画面に表示された金額(表示価格)といたします。

まず「販売価格」という項目を見ると価格は明示されていませんが自動売買システムを有料で提供していることが分かります。こうした業務を行うには金融庁に金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要と思われます。

さらに住所となっている日本橋一丁目三井ビルディングは地上20階、地下4階という大きなオフィスビルです。住所に階数とか部屋番号が示されていないことに違和感があります。日本橋一丁目三井ビルディングのテナント情報も見つかりましたが、テナントのリストの中にムーングローバルは見当たりません。

そこで住所確認の意味もあって法人登録を探してみると以下に示すムーングローバルの法人登録情報が見つかってきました。

法人名はムーングローバル合同会社でさらに東京都中央区日本橋の住所は上に示したムーングローバルのサイトの特定商取引法のページに記されていた住所と一致しています。これがここで取り上げているムーングローバルの法人登録としか思えません。しかしこの法人登録は平成27年 (2015年) 10月5日以前に登録されており、上のキャプの赤枠で囲った部分に記されているように令和2年 (2020年) 9月1日付で京都市下京区を所在地とす株式会社宿やふみという法人 (法人番号:4130001060910) に吸収合併されて解散しているということになっています。つまりこのムーングローバルの法人登録は既に存在しないということになります。そして吸収合併した宿やふみという法人について調べてみましたが、法人登録以外にほぼ情報がありません。宿やふみの京都市下京区の住所について調べてみると「B&B 宇凪院」という宿泊施設があるようですが宿やふみとの関連は不明です。さらに同じ京都の住所に株式会社FlyingDragonの法人登録があることが分かりましたが、こちらも情報が見つかりません。いずれにしろ既に解散扱いになっている法人登録の法人が存在していて自動売買システムを提供しているという状況は異様です。またムーングローバルは自動売買システムをそれも提供価格は不明ですが有料で提供しているのですから金融商品取引業者 (投資助言代理業) の登録が必要と思われますが登録業者のリストにムーングローバルと思われる登録は見当たりません。違法な無登録業者と思われます。

そしてムーングローバルのサイトのメニューから選択出来る「Business」のサブページには以下に示す「パートナーシップ」という項目があります。

5つの海外FX業者と契約して正規代理店として活動しているとあります。ムーングローバルが提供する「EXVESTOR(エクスベスター)」という自動売買システムの運用先としてこれらの業者を推奨しているということと思われます。そしてここで示されているのはロゴの画像データーだけでリンクにはなっていませんが5つの海外FX業者は以下の5つと思われます。

▼XMトレーディング (https://www.xmtrading.com/jp/) → 旧サイト海外FX業者検証9で検証済み

▼ビッグボスファイナンシャル (https://www.bigboss-financial.com/) → 旧サイト海外FX業者検証1で検証済み

▼アジアントレード (https://asian-trade.asia/) → 本項の検証対象

▼グローリーフォレックス (https://glory-forex.com/) → 未検証

▼FXGT (https://fxgt.com/ja) → 旧サイト海外FX業者検証3で検証済み

これらの内、2番目のビッグボスファイナンシャルと最後のFXGTは海外のFX業者を自称していますが、実際には日本のグループによって運営されている可能性が高いサイトです。日本のグループによるサイトである可能性が高いと考えられる理由についてはそれぞれの検証を参照してください。

そして最初に引用したYahoo知恵袋への投稿では運用先としてアジアントレードでの口座開設を指示されて、200万円も入金してしまい、結局連絡が途絶えてしまった、つまりは入金した200万円をしゅっきんすることが出来なくなったという状況が示されていました。ようやく本項の検証対象であるアジアントレードのサイトの検証が始まることになりますが、まずはアジアントレードのサイト冒頭のキャプ画像を以下に示します。

このサイトは基本的に英語でのみ書かれているのですが、上のキャプの左上にある「文A」と書かれている部分をクリックするとGoogle翻訳を利用して記されている文章を多数の言語に翻訳して表示することが出来るようになっています。日本語表示を選択するとこの冒頭部が以下のようになります。

基本的に英語で書かれていて日本語を含む他の言語についてはGoogle翻訳で対応しているというサイトは日本のグループではなく、海外のグループによるサイトと考えるのが普通なのですが、このサイトに関しては根拠については後述しますが日本のグループによるサイトである可能性も考えられるようです。また本項の最初で書きましたがこのアジアントレードのサイトは上で検証したビリオンFX以下のサイトと似ている部分があります。

まずビリオンFXなどのサイトと似ている部分ですが、口座開設画面が似ているのです。以下に示したのはアジアントレードの口座開設画面 (https://crm.asian-trade.asia/#/login) の画像です。

そして以下は比較の為に再掲したビリオンFXの口座開設画面 (https://secure.billionfx.asia/#/login) ですが非常によく似ています。

この口座開設画面は上で示した

ユニバーサルフォレックスの口座開設画面 (https://secure.universalforex.asia/#/login)

LEGAREAFXの口座開設画面 (https://traderroom.legareaforex.com/#/signup)

ビッグブルマーケッツの口座開設画面 (https://traderroom.bigbullmarkets.com/#/signup)

とも非常によく似ています。これらのサイトが同じグループによるサイトである可能性が当然考えられました。さらに以下はアジアントレードのサイトと同一IPアドレス (103.175.163.85) 上のサイトを調べた結果です。

アジアントレードのサイトは上で検証してきた以下のサイトとIPアドレスを共有していることが分かります。

ユニバーサルフォレックス (https://www.universalforex.asia/)

FazoFX (https://fazofxcorp.com/)

GtcFXマーケット (https://gtcfxmarket.com/)

LEGAREAFX (https://ja.legareaforex.com/)

ビッグブルマーケッツ (https://bigbullmarkets.com/)

さらに既に示したようにアジアントレードの口座開設画面はビリオンFX、ユニバーサルフォレックス、LEGAREAFX、ビッグブルマーケッツの口座開設画面と明らかに似ています。これらのサイトは同じグループによるサイトである可能性が濃厚と考えます。

トップページに戻って以下はアジアントレードの3種類のアカウントを説明している部分です。Trader Account (トレーダーアカウント)、ECN Account (ECNアカウント)、Micro Account (マイクロアカウント) の3種類が用意されているようです。

そして3つのアカウントではMinimum Deposit (最低入金額) と書いてある場合とMinimum investment (最低投資額) と書いてある部分があって意味がよく分からないのですが、とにかくこの部分に違和感があります。「100 JPY」「500 JPY」「100 JPY」と書いてありますが、ここで「JPY」というのは日本円 (Japanese Yen) のこととしか思われないのです。このアジアントレードのサイトは既に説明したようにGoogle翻訳で多言語に対応しているのですが、この部分を日本語表示にしてみると以下のようになります。

やはり「100 JPY」「500 JPY」「100 JPY」の部分は「100円」「500円」「100円」と訳されています。これは異様です。ここでもアジアントレードは英語で書かれたサイトであっても実際に運営しているのは日本のグループではないかと疑わざるを得ません。

次に連絡先情報ですがまずサイトの脚注部分に以下のような記述があります。

>OFFICE: Vana turg 2, 10140 Tallinn, Estonia

>Mail us: Drop E-mail at support@asian-trade.info

>Our Support: Connect With us support@asian-trade.info

エストニアの首都であるタリンの住所、そして同一のメールアドレス (support@asian-trade.info) が2回書いてあるだけで電話番号はありません。メールアドレスのドメイン名が「asian-trade.info」となっていてサイトのURLアドレスのドメイン名「asian-trade.asia」と一致しないのが気になりますが、この点についてはまた後述します。

エストニアの住所を検索してみるとどういうことなのかよく分かりませんが、Scheeli というレストランの住所と一致するようです。レストランの公式サイト (https://www.scheeliresto.com/en-gb) や以下に示したInstagramのアカウント (https://www.instagram.com/scheelirestoran/) でもこの住所を確認出来ます。

そもそもアジアントレードというサイト名からすればアジアに拠点があると考えるのが普通でしょう。エストニアの住所にアジアントレードの本拠が実在するかどうかは疑問です。

また「Contact Us」のサブページには以下のような記述があります。

まず左側のGoogle Mapはイギリスのロンドンの地図のようで左上にロンドンの住所が記されています。

>St Swithin's Ln, London EC4N, UK

しかしこの住所には番地の部分がなく、不完全な住所になっています。イギリスのロンドンの住所が出てきたのでアジアントレードはイギリスに本拠があるのかと考えてイギリスの法人登録を検索してみると「Asian Trade」を含む名称の法人登録は10件以上出てくるのですが住所が一致するものは見つかりません。電話番号が記されていないこともあってイギリスに本当に事業実体があるのかはやはり疑問です。

そして上のキャプの右側にはまずメールアドレスが記されています。

>support@asian-trade.info

これはサイトの脚注に記されていた既に上で示したメールアドレスと同じです。問題はその次です。

>Asian Trade FX Office

>japan

とあります。この「japan」とは何の意味があるのか全く分かりません。そしてさらにアジアントレードについて検索していたら時々引用してきたWikiFX (https://www.wikifx.com/ja/) という口コミ情報サイトで以下に示したアジアントレードの情報を見つけました。

当初は示されているロゴが一致しているし、タイムマシーンというサブページに示されているサイトの画像もここで検証しているサイトと一致しているということで同じサイトの情報なのかと思っていたのですが、上のキャプには

>登録国 日本

と何の迷いもなく記されています。

さらによく見ると右のキャプ画像の一番下に示されているこのアジアントレードのURLアドレス

https://asian-trade.info/

が本項で検証しているアジアントレードのURLアドレス

https://asian-trade.asia/

と異なることに気が付きました。

調べてみると既に閉鎖されているようですが確かに

https://asian-trade.info/

というURLアドレスのサイトのWho Is 情報は確認出るので以前にアジアントレード (https://asian-trade.info/) というサイトが実在していたことは間違いないようです。ちなみにWho Is 情報によればサイトが閉鎖されているアジアントレード (https://asian-trade.info/) の登録・開設日は2022年7月6日、本項で検証しているアジアントレード (https://asian-trade.asia/) の登録・開設日は2023年1月26日となっています。

何しろ閉鎖されたサイトなので確認しようもありませんが、WikiFXで閉鎖されたアジアントレード (https://asian-trade.info/) の登録国と明記されているのはこの閉鎖されたサイトに日本の住所などが記されていたからかもしれません。だとすればやはりここで検証しているアジアントレード (https://asian-trade.asia/) についても日本のグループによるサイトである可能性がますます高くなったように思われます。

総合的に判断してアジアントレードの信頼性は高く評価できません。最初に引用したようにYahoo知恵袋には自動売買で運用すれば高利回りの運用ができるという勧誘でアジアントレードに入金してしまい、出金出来なくなったうえに連絡も出来なくなったという投稿が出ていますし、アジアントレードは日本語にはGoogle翻訳で対応するなどの状況から日本国内のグループによるサイトとは思えないものの調べてみるとやはり日本のグループによるサイトの可能性が示唆されるといった状況は極めて不可解です。さらに複数の被害者が出ているビリオンFXなどのサイトと口座開設画面の共通性やIPアドレスが共有されているといった状況からもアジアントレードは日本のグループによるサイトである可能性がますます濃厚ですし、詐欺目的で立ち上げられたサイトである疑いも濃いです。またアジアントレードやムーングローバルは日本だけでなくあらゆる国での有効な金融ライセンスを確認出来ません。

アジアントレードあるいはムーングローバルでの投資を勧誘されても応じないことを強く推奨します。


●Bitterz (ビッターズ https://bitterz.com/ja)

Yahoo知恵袋へのステマと思われる投稿やTwitterでの宣伝投稿で気が付いた業者です。アフィリエイト目的のサイトでも取り上げられています。FXだけでなく仮想通貨も取引されており、むしろ仮想通貨取引所の方に重点があると思われますがここではFX業者として検証します。まずYahoo知恵袋やTwitterで見つけた勧誘投稿を引用します。Yahoo知恵袋の投稿に貼り付けられていたリンクはアフィリエイトリンクと思われる形式になっており、質問を装ったアフィリエイト報酬狙いの宣伝投稿だったと思われます。

2020年10月24日Yahoo知恵袋投稿 (削除済み)

上のTwitter投稿で非常に気になったのは以下の記述です。

>海外取引所では珍しい完全日本製の仮想通貨取引所!

敢えてリンクはしませんがアフィリエイト報酬目的と思われる比較サイトにもビッターズに関して以下のような記述があるのを確認しました。

>所在地は海外でありながら、会社役員は全員日本人、株主も全員日本人という、非常に日本人向けの仮想通貨業者として、注目されています。

経営陣が日本人でありながら海外に拠点を置いているというのは日本の法律や規制を逃れる為としか思えません。とにかくこうしたネット投稿からサイトにアクセスしてみました。

表示対応言語は日本語、英語、中国語、香港語、韓国語となっています。そしてこの冒頭部に続いては左下のキャプに示しましたが「安心して取引を続けられる環境」と題して以下の記述があります。

>海外取引所では珍しい完全日本製の仮想通貨取引所です。

「完全日本製の仮想通貨取引所」という記述は意味がよく分かりません。しかし相当部分を英語版で見ると右上にキャプを示しましたが

>Bitterz is a trading platform founded by a team from Japan (ビッターズは日本のチームによって設立された取引所である)

と明記されています。やはりTwitterの宣伝投稿などに記されていたことは事実でビッターズは日本人が経営、運営している取引所ということで間違いなさそうです。しかし日本人のチームとあるだけでこれ以上の具体的な情報はありません。会社概要の項目で公開されているのは以下にある情報だけです。

>会社名 Bitterz LLC

>本社 Hinds Building, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines

>台湾サポートセンター 705,No.45, Sec.1, Fu Xing S. Rd., Song Shan Dist., Taipei City 105056, Taiwan (R.O.C )

>電話番号 +(886)-2-27772700 ※お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。

本社がセントビンセント・グレナディーンでその他に台湾にサポートセンターがあるとなっています。住所が2つあるのに電話番号は1つしかなく、国番号[+886]から始まっていて国際電話の国番号リストから調べると台湾の電話番号のようです。また電話での問い合わせは受け付けていないとありますからこの電話番号も意味があるかどうか疑問です。

セントビンセント・グレナディーンの住所を検索するとセントビンセント・グレナディーンのFINANCIAL SERVICES AUTHORITY (FSA、金融サービス機構)の公式サイトにあるSERVICE PROVIDER (オフショア会社)のリストの中に登録があるDELANY & ASSOCIATES CORPORATION SERVICES LTD.の住所 (右のキャプ参照) と一致することが判明しました。セントビンセント・グレナディーンの住所はこのオフショア会社の住所である可能性が高いです。つまりこの本社の住所にはビッターズの事業実体が存在しない可能性が高いです。

台湾の住所も同様に検索してみると右のキャプに示したMeetsBiz (台湾美通商有限公司) というレンタルオフィス / バーチャルオフィス業者の3rd Branch  (第三支店) の住所に一致するようです。

そもそも本社が租税回避地として有名であり、カリブ海に浮かぶセントビンセント・グレナディーンでサポートセンターが台湾というのが意味が分かりません。

この住所にもビッターズの拠点が実在するかどうかは極めて疑問と考えざるを得ません。

ビッターズが日本のグループによるサイトであっても特に中国語圏の顧客が多いというのならば中国語圏の顧客に対応する為に台湾にサポートセンターを置くのは合理的かもしれません。しかしアクセス状況を解析出来るサイトでビッターズへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したようにアクセスの87.8%が日本からのアクセスになっており、他にはインドから8,4%のアクセスがあるだけでそれ以外の国、特に中国語圏の国からのアクセスは検出限界以下です。

こうした状況を考えるとセントビンセント・グレナディーンや台湾の拠点は名目だけで実際の拠点は日本にある可能性が高いように思われます。連絡先情報の情報開示は不適切と考えます。

取り扱い対象について少し触れておきます。以下が取引されている仮想通貨ペア、FXの通貨ペアの一覧になっています。

仮想通貨はビットコイン (BTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、リップル (XRP)の5種類について米ドル建て、ユーロ建て、円建ての取引が可能になっており、FX取引はユーロ・円、ユーロ・米ドル、米ドル・円というわずか3つの通貨ペアが取引可能になっています。

仮想通貨と外貨FXの両方が取引対象になっており、日本人が運営しているうえに日本人を主な顧客としている実態があると考えられるので日本の金融庁で金融商品取引業者と暗号資産交換業者の登録が必要のはずです。しかし金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリスト暗号資産交換業者のリストを確認しましたがビッターズの登録は見当たりません。またビッターズのサイトには金融ライセンス関係の記述が全く見当たりません。日本で無登録の違法業者であるだけでなく、世界中いずれの国でもライセンスを受けていない無登録の違法業者と思われます。むしろはっきりと日本のグループが運営していると明言しているのに敢えて海外にまず間違いなく名目だけの拠点を置いているのは日本の規制を逃れようとしているとしか思われません。情報開示も著しく不適切、不充分であり到底信用出来る業者とは思えません。口座開設は推奨出来ません。


※付記

ビッターズが以下に示したように2023年5月1日付でサービスを終了したという告知を出していることに気が付きました。アカウントの引継ぎなどに関する情報とか閉鎖後の連絡先に関する情報は示されていません。


●s.o.l forex (s.o.lフォレックス http://www.solforex.io/)

●GMG (http://gmg-global.com/)

●HDG Markets (HDGマーケッツ http://hdglimited.com/)

●HEINERCASH (https://heinercash003.com/)

これら4つのサイトは互いに酷似しており、同じグループによる可能性が高いように思われるのでまとめて検証します。まず指摘しておきますが4つのサイトの中で最後のHEINRCASHを除く3つのサイトはURLアドレスが暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されていないことを示す「http」で始まっています。情報漏洩に最大の注意を払うことが当然のFXのサイトでは有り得ないことであってこれだけで非常に危険なサイトとも言えます。

そしてこれら4つのサイトは当初は勧誘の経緯などから日本のグループによって運営されている可能性が高いと思われたのですが調べていくと中国系の運営であると思われるような部分もあり、運営の正体についてはよく分かりません。

これらの4つのサイトはまず最初のs.o.l フォレックスというサイトについてSNSへの投稿を偶然見つけたことで知ることになりました。それ以外の3つのサイトはs.o.l フォレックスのサイトからの画像検索で関連サイトとして見つけてきたサイトです。まずこれらのサイトを知る端緒になったs.o.l フォレックスに関する2020年11月5日付のFacebookの投稿を引用します。

あまり詳しい状況は分かりませんが「ex-fundの黒田」と名乗る人物に勧誘されてs.o.l フォレックスに入金しておそらく順調に資金が増えていたように見えたものの結局は出金出来なくなって勧誘してきた「黒田」という人物との連絡も途絶えたということのようです。サーバー情報に「Sakura Online Securities-Live (さくら証券株式会社)」という運営元が記されていたということも書いてありますがこの件については後述します。とにかくこの投稿で詐欺サイトと指摘されているSolforexを検索して出てきたのが表題の最初のサイトです。以下にそのサイトの冒頭部のキャプを示します。

表示言語の選択肢はキャプ右上のプルダウンメニューに選択肢が見えますが中国語、香港語、英語、韓国語、日本語、アラビア語の6つになっています。そして最初に説明した通り、このサイトと似た3つのサイトが画像検索によって見つかってきました。以下にそれら3つのサイトの冒頭部のキャプを表題と同じGMG→HDGマーケッツ→HEINERCASHの順で並べます。

説明するまでもなく4つのサイトは互いに非常によく似ています。表示言語の選択肢も中国語、香港語、英語、韓国語、日本語、アラビア語の6つで同じです。4つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下は取引対象を説明する部分の比較ですがこれも表題と同じs.o.lフォレックス→GMG→HDGマーケッツ→HEINERCASHの順でキャプを並べてみます。

4つのサイトはこの部分でも明らかに互いに似ています。最後のHEINERCASHだけが少し取引商品が異なるようで「海外株式」と「天然ガス」の代わりに「CFD」と「オーバーナイト金利」という項目が入っていますが外国為替 (FX)、貴金属、海外先物、暗号通貨といった項目は共通して取引されているようです。

次は連絡先情報の部分を比較してみます。これも表題と同じs.o.lフォレックス→GMG→HDGマーケッツ→HEINERCASHの順でキャプを並べてみます。

▼s.o.lフォレックス

>United Kingdom

>事務所住所:  25 Hatton Garden, London, United Kingdom, EC1N 8BQ

>電話番号 :  +4418 6560 0086

>メールアドレス :  customer.sol@mbox.re

s.o.lフォレックスの住所はイギリスのロンドンになっています。電話番号もイギリスの国番号[+44]から始まっています。しかし国番号に続く(1865)の部分はイギリスのエリアコード (市外局番) の一覧と見比べるとロンドンではなくオックスフォードの電話番号ではないかと思われます。住所と電話番号が矛盾している可能性があります。

▼GMG

>Hong Kong

>事務所住所:  RM502C 5/F HK KING COMM CTR 2-16 FAYUEN ST MONGKOK KL HK

>電話番号 :  +852 9608 5645

>メールアドレス :  support@gmg-global.com

GMGの住所は香港になっています。電話番号も香港の国番号[+852]から始まっています。

HDGマーケッツ

>United Kingdom

>事務所住所:  Unit G25 Waterfront Studios 1 Dock Road London United Kingdom E16 1AH

>メールアドレス :  support@hdglimited.com

>電話番号 :  +44 2081234767

>郵便番号 :  CF37 2RR

HDGマーケッツの住所はイギリスのロンドンになっています。但しs.o.lフォレックスの住所とは同じロンドンでも異なる住所です。電話番号もイギリスの国番号[+44]から始まっており、市外局番の部分もイギリスのエリアコード (市外局番) の一覧と見比べるとロンドンの市外局番 (020) で住所と矛盾がないように思われます。しかし分からないのは最後の「郵便番号 :  CF37 2RR」という部分です。「CF」というのはCardiff (カーディフ) という地域の郵便番号でロンドンの郵便番号ではないようですし、1行目の住所にロンドンの郵便番号である「E16 1AH」という部分が含まれています。意味が分かりません。

▼HEINERCASH

>米国

>事務所住所:  30 Broad ST, New York City, NY 10004

>電話番号 :  +157 1260 6765

>メールアドレス :  usa@heinercash.com

>イギリス

>事務所住所:  Unit G25, Waterfront Studios, London, England, United Kingdom E16 1AH

>電話番号 :  +44 7937 430 459

>メールアドレス :  uk@heinercash.com

HEINERCASHの連絡先はアメリカのニューヨークとイギリス・ロンドンの2ヵ所になっています。国番号はアメリカが[+1]、イギリスが[+44]ですから矛盾がありませんがイギリスの国番号に続く[79]という番号はイギリスのエリアコード (市外局番) の一覧と見比べると携帯電話の番号のようです。会社の電話番号として違和感があります。またイギリスの住所はHDGマーケッツの住所と酷似していますが比べてみると途中の「1 Dock Road 」の部分が抜けています。

HDGマーケッツのイギリスの住所:Unit G25 Waterfront Studios 1 Dock Road London United Kingdom E16 1AH

HEINERCASHのイギリスの住所:Unit G25, Waterfront Studios, London, England, United Kingdom E16 1AH

検索してみると「1 Dock Road 」の部分は実在の住所では含まれているようです。つまりHEINERCASHのサイトに記されているイギリスの住所は一部が欠落した住所になっているようです。さらにこの住所は検索してみるとイギリスの法人登録で非常に多くの法人の所在地とされている住所であることが分かりました。本サイトで検証しているサイトの中にもこの住所が幾つか法人登録上の住所とされているサイトがかなりあります。特に「検証13」以降で検証している中国系の詐欺グループによると思われる詐欺サイトでこの住所が法人登録上の住所などとして頻繁に登場しています。具体的にこの住所を所在地としている業者については検証13」Gold 8 Services (ゴールド エイト サービシーズ ) の項目を参照してください。

こうした状況から判断してHDGマーケッツやHEINERCASHのイギリスの住所はオフショア会社などを利用した架空住所の可能性が高いと思われます。

ともかく明らかに互いに酷似したサイトで同じグループによって運営されている可能性が高いサイトなのにその所在地は以下のように分散しています。

▼s.o.lフォレックス-イギリス

▼GMG-香港

HDGマーケッツ-イギリス

▼HEINERCASH-アメリカ、イギリス

住所が一応一致しているのはHDGマーケッツとHEINERCASHのイギリスの住所だけです。しかもその2つのサイトで一致しているイギリスの住所はオフショア会社などを利用した架空住所の疑いが濃厚です。この時点でこれらの連絡先情報の信頼性は疑わしいと考えざるを得ません。それでも4つのサイトの内、3つのサイトでイギリスの所在地が記されていたということでイギリスに住所がないGMGを含めて4つ全てについてイギリスの法人登録があるかどうか探してみました。

まずs.o.lフォレックスについては「SOL FOREX LTD」という法人の登録が見つかるのですが2013年に法人登録されて2015年4月には解散 (Dissolved) になっていますし、法人登録上の住所

>601 International House, 223 Regent Street Mayfair, London, London, England, W1B2QD

はサイトに記載されている住所

>25 Hatton Garden, London, United Kingdom, EC1N 8BQ

とは同じロンドンでも全く異なる住所です。

2番目のGMGについてはサイトにイギリスではなく香港の住所が記されていましたし、イギリスの法人登録を探してもそれらしき登録は見つかりません。

それらしき登録が見つかってきたのはHDGマーケッツとHEINERCASHの2つです。まず以下がHDGマーケッツのものと思われる法人登録です。

社名がHDG Markets Limitedで一致しているだけでなく、住所 (Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road, London, United Kingdom, E16 1AH) もサイト記載の住所と一致しています。法人登録は2017年7月3日となっていますが、2018年6月13日までは社名がCAXTON GLOBAL LIMITEDで、それから現在のHDG Marketsに社名変更しています。そしてこのHDG Markets Limitedの法人登録の経営者情報を見ると2019年8月30日に就任した現経営者 (Director) はPENG, Xiaという中国国籍、中国在住の人物です (以下のキャプ参照)。

さらに法人登録時から現経営者に交代する2019年8月30日まで経営者だったLIU, Junxinという人物も同じく中国国籍、中国在住の人物です。

さらに現経営者 (Director) となっているPENG, Xiaという人物の名前は以下のキャプに示したサイトのWho Is情報にも出てきます。

赤枠で囲った部分に登録者に関する情報がありますが法人登録上で現経営者となっているXIA PENGという中国人の名前が出ています。そして所属機関であるHDG Markets Limitedの住所が記されていますがここに書かれている住所はサイトの連絡先情報や法人登録に記されていた

>Unit G25 Waterfront Studios 1 Dock Road London United Kingdom E16 1AH

という住所ではなく、以下のような住所になっています。

>9 Pantygraigwen Road, Pontypridd, Mid Glamorgan, United Kingdom, CF37 2RR

この住所の郵便番号の部分「CF37 2RR」はHDGマーケッツのサイトの連絡先情報の項目に郵便番号だけ記されていた郵便番号と一致します。これはイギリスにある第2の拠点の住所なのでしょうか?意味不明で分からないことが多いですが、こうした情報からはHDGマーケッツの運営者は中国人の可能性が高いように思います。

次にHEINERCASHのものと思われるイギリスの法人登録です。

法人登録は2020年7月3日と新しく、住所はHEINERCASHのサイトに記されていた住所と同じです。

>Unit G25, Waterfront Studios, London, England, United Kingdom E16 1AH

実際の住所と比べて欠落していると思われた「1 Dock Road 」の部分がこの法人登録上の住所でも欠落していてこれは間違いなく本項で検証しているHEINERCASHの法人登録でしょう。この法人登録で経営者情報を見ると以下のようになっています。

経営者として登録されているSAY, Thearaという人物はカンボジア国籍、カンボジア在住となっています。少し気になるのが1998年8月生まれということでこの検証を書いている2021年2月の時点でまだ22歳という若さです。名目だけではない、本当の経営者かどうかは疑問かもしれません。いずれにしろこれではやはりイギリスの法人登録は名目だけで本当の本拠は別の場所にある可能性が高いように思います。

そしてHEINERCASHについてはまとめて検証している4つのサイトの中で唯一脚注部分に金融ライセンスなどに関する記述があります (以下のキャプ参照)。

活字が小さいこともあって読みにくいので記述内容を書き出します。

>HEINERCASH LTD 当社の流動性は、重合技術を採用しており、CFHは、集約されたLPにも含まれます。 また、いくつかの銀行に接続されています。 スプレッドの利点は、単一のCFHアクセスよりも優れており、市場の深さが深く、スリッページは容易ではありません。

>顧客資金分離

>HEINERCASH LTDは世界150カ国以上の150万人以上のお客様にサービスを提供しています。私達は一貫して厳格に監督管理規定を守っています。お客様の投資を保護することが私達の一番の任務です。私たちは取引先全体に信頼できる取引環境を提供することに力を尽くしています。

>監督する

>ヘイナ匯銀株式会社はオーストラリア証券投資委員会(ASIC)の監督、ライセンス番号00283163と米国金融サービス委員会(MSB)の監督、ライセンス番号31007109191を受けています。私たちは全世界のトレーダーから信頼されています。彼らの資金は独立銀行口座に預けて、本当に安心して取引できるように確保します。

特に最初の文節など日本語の訳がおかしいようで意味がよく分かりません。太字で強調したライセンスに関する文章には「匯銀」といった日本語では見たことがないような漢字が登場しているので中国系の人物が運営しているのではないかという感触があります。少なくとも日本人が運営しているようには思えません。また世界150ヵ国以上の150万人以上のお客様にサービスを提供しているという部分がありますが、実際問題としてアクセス状況を解析出来るサイトでHEINERCASHのサイトへのアクセス数を調べてみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかありません。

またGoogleで「HEINERCASH」を検索しても検索結果に示されるのは30~40件ほどです。とてもではありませんが世界に150万人の顧客がいるとは思えません。ちなみにキャプは省略しますが本項で検証している4つのサイトはいずれも同様に検出限界以下のアクセスしかないようです。

HEINERCASHの脚注の記述に戻りますが、ライセンスについてまずオーストラリアの金融ライセンスを得ている件を確認しようとしましたが確認出来ません。金融ライセンス以前にオーストラリアの法人番号、Australian Business Number (ABN)を検索出来るサイトで探してみましたが見つからないのです。

一方でアメリカの金融ライセンスについては複雑です。アメリカのMSB (Money Services Business) で金融ライセンス (ライセンス番号 31007109191)を得ているということでMSBのライセンスを検索出来るサイトで示されているライセンス番号を探してみましたが該当がありません。MSBのライセンス番号であるという11桁の数字「31007109191」を入力して検索してみるとMSBのライセンス番号は14桁であるというエラーメッセージが出てくるのです。そこで「HEINERCASH」という社名で検索してみると今度はそれらしき登録が見つかります (以下のキャプ参照)。

但しこの登録には幾つか疑問があります。まず登録番号が14桁の「31000171094191」となっていてHEINERCASHのサイトに書かれていた11桁の登録番号「31007109191」と部分的に似ている部分もあるのですが桁数からして異なるのです。これでは登録番号の検索でエラーになったのも当然です。さらに上の登録内容をよく見ると住所がイギリスの法人登録にあったイギリスの住所になっています。アメリカのライセンスなのにイギリスの住所で登録可能なのでしょうか?HEINERCASHのサイトにはアメリカ・ニューヨーク州の住所 (30 Broad ST, New York City, NY 10004)も書かれていましたがどうしてイギリスの住所で登録されているのでしょうか?そして最大の問題点はこのライセンスを出しているMSBという組織はそもそもアメリカでFX業者などのライセンスを司っている組織なのかという点です。日本の金融庁に相当するアメリカの組織と言えばU.S. Securities and Exchange Commission (SEC、米国証券取引委員会)のはずですが調べてみるとInvestopediaという金融関係の情報サイトでアメリカでFX業者を監督・規制する組織に関する記事を見つけました。記事原文は英語ですが以下にはGoogle翻訳の結果を示します。

この記事によればアメリカ国外に本拠があるFX業者がアメリカでも営業する場合には消費先物取引委員会 (Commodity Futures Trading Commission (CFTC), https://www.cftc.gov/)、アメリカに本拠があるFX業者ならば全米先物協会  (National Futures Association (NFA), https://www.nfa.futures.org/index.html)に登録が必要ということのようです。

本項で検証しているHEINERCASHなど4つの業者はそもそも本拠が何処なのか曖昧ですし、外国為替以外に先物なども扱っているようなので果たしてこれでよいのかよく分からないのですが、とにかくCFTCとNFAのサイトでHEINERCASHの登録を探してみたものの確認出来ません。そもそもHEINERCASHがCFTCやNFAで登録を得ているのならばその件に関してサイトで触れない理由があるとは思えません。

またHEINERCASHはイギリスに法人登録があったのですから金融ライセンスの登録があるとすればイギリスにあるのではないかとも考えてイギリスの金融ライセンスを管理しているFCA (Financial Conduct Authority) のサイトHEINERCASHの登録を検索してみましたがやはり該当なしです。イギリスに法人登録が見つかったHDGマーケッツについてもFCAの登録を探しましたが同じく該当なしです。

つまり本項で検証している4つのサイトはいずれも日本だけでなく、世界の何処かの国で金融ライセンスを得ていない無登録の違法業者であることが疑われます。

最後に本項の最初に引用したs.o.lフォレックスに関するFacebookの投稿に関係しますがs.o.lフォレックスのサイトのWho Is情報を以下に示します。

黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日は2020年1月8日となっています。そして赤枠で囲った部分に断片的ですがサイトの登録者情報があります。

>Registrant Organization: Sakura Online Securities Limited

>Registrant State/Province: HIROSHIMA

>Registrant Country: JP

登録者はSakura Online Securities Limited (さくらオンライン証券)となっており、所在地は日本の広島となっています。この記述がどれほど信頼出来るか分かりませんがs.o.lフォレックスのサイトは日本のグループが運営している可能性があることになります。

そこでここに出てきた「さくらオンライン証券」を検索してみるとさくらオンライン証券のものと思われるFacebookのアカウントが見つかりました (以下のキャプ参照)。

但し最終更新日は2014年10月29日と6年以上も前でフェイスブックを休止してそれまで投稿したコンテンツを全て削除したと書かれており、それ以外はさくら証券オンラインのサイトのURLアドレスとメールアドレスが記されているだけです。

>本サイトへのリンク: https://sakurashoken.com/

>アフィリエイト: http://affiliates.sakurashoken.com/

>カスタマーサポート: support@sakurashoken.com

またこのさくらオンライン証券のサイトも既に閉鎖されているようです。但しこのさくらオンライン証券という名称には聞き覚えがあって手元の記録によればさくらオンライン証券のサイトはバイナリーオプションのサイトだったはずです。金融庁のサイトで公表されている「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」というPDFファイルを見ると以下の抜粋にあるように平成26年 (2016年) 11月付でさくらオンライン証券が無登録の違法業者として警告対象になっていたことが確認出来ます。

この警告にもありますがさくらオンライン証券の会社情報は以下のようになっていました。

>商号 さくらオンライン証券株式会社 (Sakura Online Securities Limited.) 

>資本金 USD 50,000,000 

>住所 NovaSage Chambers, P.O. Box 4389, Road Town, Tortola, British Virgin Islands

電話番号はなく、住所は租税回避地の英領バージン諸島です。ほぼ間違いなくオフショア会社を利用した架空住所でしょう。さくらオンライン証券という名称からも日本国内に拠点がある可能性が高いですが、国税庁の法人番号公表サイトで探してもさくらオンライン証券の法人登録は見つかりません。

とにかくs.o.lフォレックスについては最初に引用したFacebookへの投稿でも黒田と名乗る人物に勧誘されたとされていることなどからも日本国内のグループが運営している可能性が高いように思われます。s.o.lフォレックスについては日本語の文章にも違和感を感じるところがなく、日本人が運営しているという可能性に矛盾しません。

しかし一方で例えばHEINERCASHのサイトなどは既に指摘したように記されている日本語の文章がしばしば意味不明なほど不自然です。4つのサイトは一見して互いに非常によく似ており、同じグループが運営しているように思われたのですが、サイトを構築した業者と運営者は別でしかも運営者は日本のグループと中国など海外のグループを含む複数のグループに分かれているのかもしれません。

いずれにしろこれらのサイトは全く信用出来るようには思われません。これらのサイトでの投資勧誘を受けても決して応じないことを推奨します。


※付記

以下のキャプに示した通り、2021年9月15日付で関東財務局からs.o.lフォレックスに対して無登録の違法業者であるという警告が出ました。またGMG、HDGマーケッツ、HEINERCASHの3つのサイトは閉鎖されたようです。