夏が近づく。だんだんと服装が薄くなり、胸の膨らみが一層リアルに伺える。麻
衣さんの壮大な膨らみは、圧倒的なボリュームでグラグラと揺れ、波打つ。
別の生きもののように暴れる麻衣さんの胸。
『もう、もう少しうまく見て。視線がエッチ過ぎ』
『だって目の前で大暴れしているんだもの』
麻衣さんは顔を真っ赤にしながら、
『もう、自分でもどうしようも出来ないんだから。勝手にゆさゆさしちゃうんだ
から。私こんなに恥ずかしいのに。ひどいよ』
麻衣さんの眼には涙が滲んでいる。
大きな大きなコンプレックスを抱えた麻衣さんの気持ちも考えずに悪い事をして
しまった。
『見るだけの人はいいよ。好きでこんなに大きく育っちゃったんじゃないんだか
ら~、えーん』
大粒の涙が麻衣さんの眼から溢れる。
背丈は信じられない程巨大で、体付きも有り得ないほどに豊満な麻衣さん。でも
心は十代の幼い少女そのままなのだ。
でも、泣きながらしゃくり上げる麻衣さんの動きにあわせてやっぱりバストはい
やらしく揺れ動くのを止めようとはしない。
申し訳ないと思いながらも、コンプレックスに悩む女の子に密かに興奮を抑えき
れない。
遥か上空で涙を拭うこともできない。
『ごめんなさい。お詫びにどこか遊びに行こうよ、海とか一泊二日で』
『えっ!いきなりお泊り?もう、ホントに男の子って、みんなエッチなんだから
ぁ…』
ドキリとする言葉が飛び出したが、麻衣さんはまんざらでもないようで、
『しょうがないなぁ…でも行き先は私が決めていい?』
驚くほどにスムースな展開。とんとん拍子に話が進んでいく。こんなにうまくこ
とが運んでいいのだろうか?戸惑いと興奮がない交ぜになる。
『どこがいいかなぁ…。本当は泳ぐの好きなんだけど、身体が余りにも大き過ぎ
て、負けず劣らず胸が目立ち過ぎちゃって、ここ何年かはどこにも泳ぎに行って
ないの…』
元気な体の動きに合わせて揺れ動く巨大な膨らみ。手を動かすたびに腕が当たり
ゆさゆさと波打つのだ。
『でも、お出かけするのは大好き!私、身体が余りにも大き過ぎて、長い時間ド
ライブすることが出来ないから、あんまり遠出した事ないんだ』
という事は海外には行ったことがないのだろうか?
『国内より海外の方がお得なんだよ。グアムなんてどう?』
『わー!海外!パスポートつくれる!かっこいい!』
初めての海外なら絶対喜ばれるに違いない。しかも、秋でも亜熱帯。水着も堪能
できる。
個人的には水着に非常に興奮するタチなので、絶対にこれは外せないのだ。
『でも、私、飛行機のシートに座れるのかしら?』
俺はと言えば、親と一緒に行ったことがあるだけだが、成田やグアムの記憶はま
だ残っている。英語力も多少はあるつもりだ。第一、麻衣さんの方が英語力は遥
かにあるのだ。
秋の日曜日発。学生の苦しい小遣いと、勿論親にも援助を乞うて、遂に出発の日
を迎えた。早朝に出発する特急電車。バスでは、麻衣さんが座席に座ることが出
来ないのだ。
待ち合わせのJRの駅。麻衣さんに会うたびに毎回目眩のような感覚を覚える。
常識を遥かに超えた長身に世界全体が歪んでしまったような錯覚を起こしてしま
うのだ。どんなに離れても遥かに見上げなければ麻衣さんの顔は見えない。
『私と歩くと首が疲れて大変でしょ』
『それもすごく嬉しいって言ったら引かれちゃうかな?』
『物好きだなぁ、とは思う』
『自分に自信を持っていいのに』
『最近はちょっと持ちはじめてるよ。体の線を出す服も結構着られるようになっ
てきたもん』
『今日もかなり大胆…』
『もう、気にしちゃうんだから…』
駅でも、麻衣さんだけに様々な障害物が現れる。案内板、時計、地下通路では天
井自体ですら頭をこすってしまうのだ。
特急列車には二人用の個室が付いている。新しい車両は落ち着いた内装で、旅の
気分がどんどん高まっていく。
麻衣さんも同じようで、いつになく饒舌だ。
『うわー!かっこいい電車。グリーン個室だってー!』
完全に区切られた個室に向かい合って座席が並ぶ。麻衣さんが座ると、長い長い
脚が俺の膝を超えて互い違いに脚を挟まないと膝がぶつかってしまう。
『ごめんなさい。あんまり長すぎて
電車のシートに座ってても、おばさんから「脚を投げ出さないでちゃんと座りな
さい」って怒られちゃうの。座席にぴったり背中をあてて座ってるのに、膝があ
んまり飛び出してるから
、だらけて座ってるように思っちゃうみたい』
なるほどここまで長い脚を見たら無理に投げ出していると思われても仕方がない
だろう。
麻衣さんの体は何もかもが常識はずれなのだ。
事前に、ツアー会社には麻衣さんの身長の話は連絡しておいた。
予想通り、シートは最前列の席に隣り合って確保されていた。キャビンアテンダ
ントが正面に座る場所なのだ。
『私、飛行機初めてなの…怖くてたまらないの…』
『大丈夫だよ。離陸の時は少し揺れるけど、すぐに安定飛行になるから』
『心臓がこんなにドキドキしてるのにおっばいのせいで触ってもらえない!気絶
しそうな位ドクドクいってるのに!』
それを聞いて今度は俺のほうがドキドキする番だ。
シートに座ってからの長い時間。少し動いては止まる。時々回転数が上がり、ド
キリとさせられるジェットエンジン。
座席から見えるモニターが一斉に滑走路の映像に切り替わる。
遂に離陸準備に入った。
ジェットエンジンがうなりを上げはじめる。遥か上空から不安げな視線で俺を見
下ろす麻衣さん。
『大丈夫、飛び立てばすぐ安定飛行に入るから』
長い長い腕が上空から俺の手を取る。大きな麻衣さんの両手に完全に包み込まれ
てしまう。普段はひんやりとした麻衣さんの手は汗をかき小刻みに震えている。
顔を見上げると今にも泣きそうなかわいい少女の顔。
『怖いよー!』
この飛行機に乗っている何百人もの人の中で、一番大きい麻衣さんが一番の恐が
りなのだ。ギャップ萌えの俺には堪らない瞬間だ。
『あっという間に済んじゃうから、大丈夫だよ』
『ヤダヤダー降りるぅ!』
泣き顔で訴える麻衣さん。今度は麻衣さんの大きな手を俺が掴む。勿論半分も覆
うことは出来ない。
そして、急加速が始まった。麻衣さんの体が、屈み込むように俺のシートの方へ
覆いかかる。大きなバストが俺の肩から胸元にかけてずっしりと覆いかかる。
屈みこみ、長い長い首筋とかわいい顔が近づく。香水ではない自然な女性の香り
が飛び込む。麻衣さんの両手を宙に少し持ち上げる。男性の下半身の自然な行動
を麻衣さんに悟られるわけにはいかない。肩先でグラグラと波打つ大きな膨らみ
が感じ取れ、とてもではないが平常心ではいられないのだ。
つづく