8月のある暑い日に、僕は引っ越してきた。私鉄沿線、東京近郊の住宅街。お盆で、人気のない街は、余りの暑さに更に死んだように静かで、中学生の僕は寂しい気持ちで新しい家に降り立った。
隣の家の大きな門を抜け入り口を見ると、普通の大きさの1.5倍はある扉が見えた。
その家のお母さんは優に175センチはあった。そして美人。女優のような落ち着いた顔に、思わず見とれてしまった。150センチの自分の母親、158センチの自分がずいぶんと小さく見えた。
バス停で最寄り駅へ行くバスを待つ。
下を向いてマンガを読んでいると、急に雲がかげり手元が暗くなった。
横を見ると、巨大なセーラー服の胸元から下がるリボンの先端が見えた。影はその人影だったのだ。常識では考えられない大きさ。男性でさえこんなに大きい人がいるわけがない。
セーラー服とスカートの間から、お腹が白くのぞく。それが目線のすぐ下なのだ。自分が小柄だとはいえ、男だってばかでかすぎる。
でも、カーテンのように長い長いスカートのさらに下から優に50センチものぞいている長い長い足は、透き通るように真っ白で、どう見ても女性のものだ。
恐怖を覚えながら、ゆっくりと視線を上に上げていく。お腹から、リボン、リボンを伝って胸元。胸の切れ込み。長い長い首筋。いつまでたっても顔に届かない。
ついに顔を見上げる。真上にある太陽が目に飛び込む。しばらくして目が慣れると、真下をのぞき込むような視線と、真上を見上げる視線が交錯する。
さっき見た、隣のお母さんをそのまま子供にしたような幼い小さな顔がはるか遠くから、どぎまぎしたように僕を見下ろしていた。
二人はぼんやりとしばらく見つめ続けていた。
「あ、あの。隣に引っ越してきたひとですか?」
「う、うん。平田慎一郎。中学1年」
「あ、あの、私、高山佳代子です、私も中1」
「えー!、あ、いや、よろしく」
「ど、どうも」
これ以上話が続かず、ふたたび沈黙が流れた。
「私見て、びっくりしたでしょ?」
「う、ううん」
「いいの。うちの一家はこの辺じゃぁ、相当な有名人だから。」
「そうなんだ」
「うん。お母さんが、176センチ、お父さんが187センチ。そして」
「3人兄弟で、高1のお兄ちゃんだけが普通で161センチ。4年生の妹がいて、162センチになっちゃってる」
「そして私が」
といったところでバスが来た。
扉の前に立つ彼女は、歩道の高さを入れるともうバスの天井まで2、30センチのところまで来ている。当然のように大きく大きく体を屈めて、顔を真下に向けるようにして、バスの扉まで身長を下げる。
段差を2段上り、車内へはいると、老婆のように腰を屈めないと立つことさえできない。
対面シートに腰掛ける彼女。バスの通路の半分は彼女の脚ですっかり占領されてしまった。金色のかわいい飾りのついた革靴。でもその大きさは尋常ではなく、
自分の靴がすっぽり入ってしまいそうに見えた。
彼女の体の大きさは相当な威圧感で、少し離れたところに僕も腰掛ける。
「並はずれた長身一家の中でも、私が飛び抜けて大きいの。何センチだと思う?」
「うーん.......」
「分かる訳ないよね。誰にも比べようがないもの。」
「小学4年で160センチ。もう、平田君より大きいでしょ? それが、5年で179センチ。6年で186、中1の4月で192、でとうとう今は201センチ。もうどこまで大きくなるかわかんない。」
「すごいね」
「でも、4年の妹の方が私より伸びかたがすごいの。小4の私より8センチも大きいのよ! どこまで大きくなるのかしら?」
「年に25センチは大きくなってる。去年は140センチ台だったのに」。
「これから学校に行くの?」
「うん、部活の練習」
「一緒にいっていい?学校見てみたい」
「いいわよ」
駅から5キロは離れた住宅街から中学校にはバスで通うしかないようだ。
「まもなく東中学校前〜東中学校前です」
「ここからバス停3つで駅よ」
そういいながら佳代子は立ち上がった。立ち上がり始めたとたんに顔にかかる吊革を、のれんのように手で払い、中腰のまま天井に手をかけた。
それから頭を真下に向けたままゆっくりゆっくりと立ち上がった。
バスが止まり、後部ドアが開くと佳代子は屈めた体を更に90度ちかく曲げて開いたドアの上に手をかけドアをくぐり抜けた。
僕は、佳代子のその余りにも大きな姿態に激しく興奮しているのに気付いた。今まで考えたこともない唐突な感情だった。
自分は大きな女性に惹かれる男なのだ。胸の大きな女性に惹かれる男性は多いけれど、大きな女性に惹かれる男性というのは聞いたことがない。でも、自分はそうなのだ。今まで女性を見て興奮したことなどなかった僕は、初めての感情にどぎまぎしていた。
同じクラスになり、何度か会ううちに僕と佳代子は急速に親しくなった。好きなミュージシャンのCDのやりとりから始まって、マンガ、ビデオ、小説、僕たちはことごとく趣味が合うのだ。
佳代子はいつも学校ではクラスメイトの女の子と話していて僕には話しかけてこない。何か話があるときは決まってメールをよこすのだ。部活に顔を出す佳代子より先に家に帰ると、しばらくして携帯のメール着信音が聞こえるのだ。
うきうきして階段を下り、佳代子のうちへ急ぐ。
玄関から見上げる佳代子は僕の遙か上空でにっこり笑っている。
「今日どうだった? 身体検査」
「もう。想像通りよ! 5ヶ月で5センチも伸びちゃった」
「2m6cm!」
「うん...でもね...麻衣はもっと凄い」
「5センチ?」
「ならいいんだけど、8センチも大きくなっちゃった」
「じゃあ」
「179cmよ! かわいそうに学校からずーっと泣きっぱなしで今も部屋でえんえん泣いてるの」
妹の麻衣は小学4年生。3学期が始まったばかりだというのにもう9月から8センチも大きくなってしまったのだ。
でも、妹の麻衣はそれからもさらに巨大な成長を遂げてしまっていた。
小学5年の夏で187センチだった麻衣は、6年の4月で198センチ、卒業時には2mを遙かに超えてしまったのだ。
初めてあったときに、もうすでに167センチになってしまっていた麻衣は、その後もグングン大きくなり続 けた。小学校へ通う彼女は、いつも友達4、5人と連れだって登校していた。4年生、179センチの彼女と歩いていく同級生たちは彼女の胸元に届かず、小さ い子になると彼女のおへそくらいなのだ。赤いランドセルは同級生たちの遙か上空に浮かんでいた。
そして6年生になると、2メートルを超えていた佳代子の巨体にグングンと近づいていった。
去年と同じ同級生たちが、去年よりもグンと小さくなって、みんな彼女のお尻の位置に縮んでしまっていた。そして、赤いランドセルを背負った彼女の体は更に 新たな成長を遂げ始めていた。胸やお尻がグングンと目立つようになっていったのだ。春、小学校の卒業間際には身長は2メートル、バストはおそらくEカップ を超えていたろう。
体操着姿の彼女は、あまりにも壮大な眺めだった。同級生たちよりも小さいほどの顔から、余りにも長すぎる首がすらりと伸び、体の半分を優に超えるほど長すぎる脚、お尻も丸みを帯び、そして小さな胴にはアンバランスに巨大な胸が波打つ。
高校2年生になったお兄さんは165センチ。お母さんは175センチ、お父さんも187センチ。超特大の佳代子を除いて、小学6年生の彼女は長身一家の家族全員の身長を軽く追い抜いてしまったのだ。
そして中学生になった麻衣は更に激しく急激な「成長」を身長の伸びと一緒にはじめていった。Eカップの胸 が見る見る大きくなり始めていったのだ。かわいいセーラー服の制服は、胸元のラインがすっかり露わになってしまう。2mの麻衣の胸元は普通の男性にはちょ うど目線のあたりにある。春には、太めの同級生の中には同じくらいの女の子もいたバストサイズが、夏を迎える頃には目を見張るほどの大きさ、誰よりも大き な胸に成長していたのだ。Gを超えIカップに成長していたのだ。それなのに、ウエストは佳代子と変わらないかむしろ細いくらい。そして、身長も210セン チを超えて、212センチだった佳代子にすっかり追いついてしまったのだ。17才の佳代子と中1の麻衣。それなのに体型は、小枝のように細い佳代子と、余 りにもボリューム感が溢れる麻衣。姉妹が逆転してしまっていた。でも、すっかり女らしくなっていた佳代子にくらべて、麻衣は少女そのままの顔なのだ。
そして、中学2年生。常識を超えた長身は更に速度を上げて成長を続けていた。さらに麻衣を苦しめる2次性徴は、麻衣を誰もみたこともないアンバランスな 姿態に変貌させていた。麻衣のバストサイズは、佳代子の内緒話によると、128センチのNカップ。セーラー服の上はおなかのあたりが余りの胸の成長に追い つけず、ウエストから大きく浮いて、小さい子供が見上げるとすっかりブラが丸見えになってしまうのだ。
佳代子もそうだが麻衣もまるでモデルのように小さい顔で、その顔がちょっとほかでは見られない位かわいいと 来ているから始末に負えない。佳代子はほっそりしたシャープな美人。麻衣は佳代子よりふっくらした童顔。そして顔より長いんじゃないかという程の細い首。 ただそこから下は二人は際だって違うのだ。佳代子はふつうの女性がそのまま細く細くのびたようなスリムな体型。麻衣は肩幅もちょっとあって二の腕もボ リューム満点だ。そしてどんなに厚着をしても決して隠せない巨大な胸。真横から見ると佳代子はすっかり隠れてしまう。でもウエストは二人ともほぼ一緒。そ してヒップ、横幅は佳代子の2倍近い。佳代子のウエストよりも太い麻衣の太股。余りにも激しくくびれている麻衣のウエスト。身長が一緒なら当然共有できた はずの二人の洋服もこれだけ激しく体型が違うために、麻衣のGパンをはくと佳代子は二人入りそう、実際片方の脚に両足が軽く入ってしまう。佳代子のGパン は逆に普通の女性用のGパンをそのまままっすぐ2倍に引き延ばしたようなサイズ、ようやく160センチになった僕の胸元を超える長さだ。バストのせいで当 然上半身もあまりに違いすぎるサイズ。ブラは佳代子の100倍に見えるそうだ。シャツも寝間着も麻衣のものはブカブカで佳代子には大きすぎる。
「おにいちゃん私これ以上大きくなりたくないよう」
佳代子の家に遊びに行くとよく麻衣が佳代子の部屋に遊びに来た。最初に会った時はまだ僕より大きかったと いってもわずか4センチ、しかも針金のように細かった。でも彼女は見るたびにグングングングン大きくなっていった。身長は10センチ20センチと見上げる ほど大きくなり、体型もグングンと豊満にいやらしくなっていったのだ。
その時には高校2年生の僕は身長164センチ、48キロ。麻衣は中学2年生、210センチ115キロ、特注のセーラー服は縦も横もグングン大きくなる麻衣の成長に付いていけず麻衣の体にぴったりとくっついてしまっている。
平田家と高山家は、私たちが引っ越してきて以来、家族ぐるみのつきあいが続いていた。月に一回くらいは連れだって外食にいったり、年に一回は旅行にも出かけたりしたものだった。今年は、夏休みに伊豆へ二泊三日の旅行に行くことになった。当然海にも行く。
「シンはいいわよね。ちょっとデパートいけば既製品が山のように売ってて。私たちは、もうなにを買うにも特注、特注。デパートに行っても何にも買うことが出来ないんだもん。」
「水着、どうするの?」
「もちろんオーダーしたわよ。麻衣ちゃんと一緒に。だって去年のなんて二人とも着用不可能だもの」
「麻衣ちゃんはそうだけど、佳代子はそんなに大きくなってないでしょ」
「デザインが古いもの」
「そんな贅沢な、洋服代で家計破綻だっておばさん泣いてたよ」
「だってただでさえ目立つ体型なんだもん、ちょっとはおしゃれしないと恥ずかしいわ」
海の家の更衣室は当然のように、二人にとっては小さすぎる代物だった。二人が更衣室に入っても肩から上はそのまま外から丸見えになってしまう。
「おにーちゃん、見ないで。恥ずかしい...」
麻衣は、飛び出した顔を真っ赤にしながら怒る。
「そうよ、シン。見ないでよ」
仕方がないので海の方を向くことにする。麻衣の希望でなるべく人の少ない海水浴場を目指して奥まった場所を選んだにもかかわらず、人出は相当なものだ。
「おまたせ。泳ご。」
二人が現れた。僕は息をのんだ。二人の余りの圧倒的なスタイルに。
佳代子はその時215センチ、バスト102センチ、ウエスト68センチ、ヒップ110センチ。ファッションモデルをそのまま40センチ大きくしたような均整のとれたスタイル。細い細い足は体の半分を超えている。
そして麻衣。佳代子の成長を遙かに上回るのスピードで大きくなり続け、ついに身長も佳代子を抜いてしまっ た。218センチ。でも身長を上回る圧倒的なボリュームが麻衣に、佳代子とは全く違う魅力を与えていた。バストが余りにも大きく育ち過ぎていた。雑誌でも 見たことのない驚くほどの大きさ。佳代子の水着のブラの布地を10枚以上使っても麻衣のブラには小さ過ぎる。特注で作ってもらったはずなのに、ビキニのブ ラは麻衣のバストより少し小さいようで胸の谷間はバスト同士がぴったりとくっついてしまった上に小山のように盛り上がり、息をするたびに大きく盛り上がっ てしまうのだった。そしてそんな巨大な二つの山脈があふれ出すバストから下は信じられないほどに細く細くくびれたウエストが続いている。どんなに太った女 性ですらあり得ないような巨大なバストを抱えてしまった女の子にもかかわらず、バストとバストの間からおへそに向かってまっすぐ縦に線が走り、余分な脂肪 は一切付いていないのがいやでもよく分かる。佳代子と同じサイズのウエストのはずなのに、佳代子よりさらに細く細く見えるのは、バストのせいだけではな かった。ヒップもバストに負けず劣らず豊かに成長してしまっていたのだ。133センチ。バストより10センチほど小さいが横幅は佳代子の倍もあるように見 える。そして太股。
二人が海辺に現れると、ほとんど全員の視線が二人に注がれた。
スポーツウーマンらしく堂々と大股を開いて歩いていく佳代子。小走りでも僕はとてもついていけない。反対 に、これ以上ないほどゆっくりゆっくり歩く麻衣。それでも胸元は大きく激しくたっぷんたっぷんと揺れてしまって、麻衣は顔が真っ赤になってしまう。頑丈に 大きなバストを包み込むように作られたブラもあまりに大きく揺れる胸のなすがままに上下左右に揺れ動く。
「おねーちゃん!待ってよー。そんなに早くいかないでー!」
小走りで佳代子を追いかける麻衣。少し走っただけでバストは激しく上下左右に揺れ、お尻も揺れ動く。周りからため息とも歓声とも付かない声が漏れ、顔を真っ赤にした麻衣は立ち止まってしまった。
バストに比べれば小さいお尻もふつうの女性に比べれば10倍も大きく見える。水着からはみ出したお肉はやっぱり大きくたぷんたぷんと波打ってしまうのだった。
ふたりとも比べるものがなければ超モデル体型。佳代子は超スーパーモデル、麻衣は超グラマーグラビアモデルだ。ただし周りに一人でも人が現れると、その余りの大きさに身長のこと以外は吹き飛んでしまうのだ。
普通の人が上で横になる特大のドーナツ型の浮き輪にかろうじて体を縦に入れて、遠くまで泳いでいく麻衣。無邪気に遊ぶ麻衣の顔はまるで小学生のよう だ。でも彼女はどんどん沖へ行ってしまう。僕には怖くていけないような先も、麻衣には足のつく浅瀬なのだ。遙か彼方、米粒のように小さくなるまで泳いで いってしまった。人の目を気にせず自由に無邪気に遊べるなんて麻衣には滅多に出来ないことなのだ。佳代子も麻衣のところまで泳いで行ってしまった。しかた なく家族のビーチパラソルの所まで戻る。
普段余り話さない麻衣と佳代子のお兄さん、裕樹さんと話す。
「家にいると俺、まるで幼稚園児みたいなんだ。食卓に座ってても麻衣や佳代子のこと見上げてるし、もちろん立ったら妹二人は遙か上空で話してるし、 両親だってずいぶん目線が上の方になっちゃう。ちょっと喧嘩でもすると佳代子なんか、あんな性格だからすぐ怒って俺の大事なものを家具の上やら高い棚に上 げちゃって、俺が踏み台を持っていくとすぐに長い手を伸ばして場所を変えちゃうんだ、ひどいだろ。」
「麻衣はおとなしくていいけど、俺の帰りが遅くなって麻衣が先にお風呂に入っちゃうと、風呂のお湯が全くなくなってるんだよ。1/3位になっちゃっ てるんだ。昔は俺が抱えて風呂に入れたこともあるのに、年々グングン大きくなって今じゃ俺より55センチも大きくなっちまった。体重は俺の4倍。ちょっと 前に家で、麻衣が俺がいるのに気づかないで屈んだら、麻衣のお尻がぶつかって、俺、2メートルも吹っ飛ばされたんだぜ。壁に思い切りぶつかって気絶しそう になったよ。」
「二人と一緒に暮らすのって大変ですね」
「いつも二人の近くを通るときは、『通るぞ』って声をかけてるんだ。立ってると二人の遙か下に俺がいるんで、本当に視界の外で気づかないらしい…。 二人が寝転がってると本当に邪魔だ。特に麻衣は占める面積が大きすぎて跨いで渡れないんだ。隣の部屋に行くにも長い長い防波堤が横たわって特にお尻のあた りはジャンプしても越えにくい。」
「洋服もつい最近まで男女共用のものは麻衣か佳代子のお下がりだったんだぜ。でも、もう、二人があんまりにも大きくなりすぎたせいでそれはなくなったけどね。二人の洋服はまるで大男の服みたいに大きいんだ。麻衣のブラなんてバスケットボールが二つだぜ。」
「でも二人ともかわいそうだよ、俺がいうのも変だけど、あんなにかわいい顔の二人なんだから本当なら男どもが集まって仕方ない位だったろうに、あの大きさじゃ男どもは怖がってよりつきゃしない。シン、よろしく頼むよ。」
麻衣は中学に入ってからも更に加速度をつけてぐんぐんと成長し続けた。
中学生、セーラー服の女の子なのに、天井にぶつかる巨大な姿態。
佳代子のような大人の女性の美しさではなく、小学生のようなかわいい童顔。でもそこから伸びる首筋は顔よりも長く、身体も細い。
10何頭身あるか分からないその姿態の、半分を遙かに超えた長い足は、俺の身長に比べると、胸元まで届いてしまいそうだ。
余りにも大きな大きな麻衣の姿態は、小枝のように細い母親や、佳代子に比べて明らかに違っていた。
身長に比べれば細すぎる佳代子の身体に比べて、麻衣はスリムな姿態はそのままに、バスト138センチ、ヒップ123センチと、224センチの身長に負けないくらいの肉感的な身体なのだ。
それでいてウエストは佳代子よりも細い67センチ。
それもそのはずで2m16センチに伸びていた佳代子が見上げるほど、更に上にも大きく大きく成長をしてしまったのだ。
中1で208、中2で佳代子を軽く追い越して216、とうとう中3では、224センチになってしまった。
まだたったの14才。童顔というよりも少女そのものの麻衣の小さな小さな幼い顔は、そこから下へ続く、顔 よりも長い首、余りにも巨大なバスト、急激にくびれたウエスト、バストより遙かに小さいけれども普通の女の子に比べたら余りにも大きな大きなヒップ、そし て同級生の身長を超えるほどに長い長い、余りにも長すぎる脚、40センチにも届こうとしている靴のサイズ。そして、その全ての体のパーツを積み上げた顔の 位置は、同級生の小さな女の子たちの70センチも上空に聳え立ってしまっていたのだ。
見上げれば、麻衣の巨大な胸の下しか見えない。正面を見ればウエストかスカート、少し下を見れば中1の時に作った 特注の長い長いスカートをあっという間に押し上げてしまった、余りにも長過ぎる太股、更に下を見ればみんなのお尻の辺りまで伸びきってしまった膝小僧。そして足下には、長さはどう見ても2倍、大きさは4倍もある革靴が横たわっているのだ。
「麻衣、本当にかわいそう。私だってこんなにこーんなに大きくて大きくて苦労ばっかりしているのに、中2で学校の天井にぶつかっちゃうくらいにバカでっかくなっちゃった.....。もちろん家では私も背を屈めないと天井に当たっちゃうけど.....」
「絶対日本一背が高い女性だよね」
「うん。去年まではきっと私だったけど.....。でも、もう8センチも私より大きくなっちゃった。どこに いても、窮屈そう。イスも、机もベッドも。でもトイレが一番大変みたい。洋式だから腰掛けると膝がドアに当たっちゃうの。お風呂も麻衣のあとはお湯が3分 の1しか残ってないのよ。それでも胸まで入れなくて、いつも半身浴。」
「テレビの取材がひっきりなしに来てるけど、全部断ってるの。ただでさえ街中の有名人、一日中誰かの視線を気にしてなきゃならないのに、これ以上私達のことが知れ渡ったら本当に麻衣がひきこもりになっちゃう」
「インターネットで話題になってるみたいで、ストーカーみたいなのが朝夕、学校とか家の前にいるのよ。背の高いのが好きな連中でカメラもってて。昔は私が追っかけられていたけど、今は麻衣がダントツの人気ね。」
僕が引っ越してきてから7年経ち佳代子と僕は20才になっていた。156センチだった僕も少しは大きくなった。でも背の低い両親に似て、167センチですっかり成長が止まってしまった。佳代子は209センチから、さらに成長して214になってしまった。
麻衣も高校生になっていた。中学2年生でおそらく日本一長身の女性になってしまっていた麻衣はそれからも成長を続けていた。同級生たちより一回り小さな顔はそのままなのに、その他の体は全てまた一回り大きく長く成長を遂げてしまっていた。
「おにーちゃん」
麻衣はいまだに僕のことをこう呼ぶ。高校2年生になって、この辺ではかわいいと有名な制服の学校に通って いる。中学校卒業時に224センチという信じられない程に大きく育ってしまっていた麻衣はみんなの心配をよそに更に大きくなって229センチ、まだ成長は 止まらない。初めて僕が会ったとき余りの大きさに卒倒しそうになった佳代子も、麻衣と比べると20センチ、頭一つ分小さくなってしまった。童顔で小学生の ようだった中学時代の麻衣から、今ではすっかり大人の雰囲気、美人姉妹という感じになってきた。しかし、その身長はずば抜けて大きく、人混みの中に立って も、遙か彼方からでも上半身が浮いているように二人は見えてしまうのだ。
続く