今日はいつものデパートに、グアムで着る水着と洋服を取りに行くそうだ。シンにも水着を見てほしいと、麻衣が誘ったのだ。佳代子が、天文部の合宿に行っているのをいいことに、慎一郎とお出かけするのだ。俺は麻衣が少しでも元気にな
ればと、黙って見送る。佳代子には申し訳ないが、高山家の危機を救ってくれたシンのたっての望みなら黙認せざるを得ないだろう。
シンは本当に超長身好き、超巨乳好きなのだ。だから麻衣はシンにとって最高に好みの女性で、絶対に離れたくないのだろう。そんな嗜好の男性が隣に越してくるなんて、佳代子も麻衣も、本当に運がいいとしかいいようがない。いや、一番運がいいのは、明らかにシンなのだが。
佳代子が戻るのは明日の夜遅く。2人はきっと今日は戻らないに違いない。
シンもようやく免許を取って車で移動することが出来るようになった。勿論、親父さんの車だが、助手席を思い切り後ろに引いて相当リクライニングにすれば麻衣もなんとか乗ることが出来る。脚は思い切り窮屈で、運転席に坐ることは絶対に不可能だろう。
『行ってきまーす!』
普段にもまして明るい声で出かけていく麻衣。シンと出かけることは、親しい彼氏が出来た今も特別なことらしい。
少し複雑な気持ちだが、かわいい妹が元気になったのだから喜ぶべきなのだろう。玄関脇に置かれた、ティッシュボックスより二回りも大きな特注のピンクのスリッパ。小さな時から余りに大きな麻衣の為に、せめて家の中だけでも女の子らしくと、昔から特注の装身具はピンク系の色に統一しているのだ。今でもそれは続いていて、家で一番大きなものは大抵ピンク色をしている。巨大なパジャマやワンピースがアンバランスなピンク色で洗濯物として物干し竿に下がる姿は壮観だ。一枚で竿の半分は占領されてしまう。
佳代子と麻衣の洗濯は、余りの量にそれぞれ一日おきに二人が自分でしている。
その合間を縫って母は残り3人の洗濯をしてくれるのだ。
昨日は麻衣の日。洗面器の直径よりも大きそうなブラのカップ。ハンガーにカップを通して吊り下げるのだが、最早ハンガーにカップを通すことが困難になってきているのだ。常識を超えた大きさは最早ブラジャーに見えないくらい特別な形をしている。ストラップもホックも10センチはある太いベルトのような幅、ストラップはさらにクッションパッドがついているのだ。麻衣の泊まりのお出かけには、必ず巨大なトランクが登場する。麻衣の着替えは到底普通のバッグには納まり切らないのだ。
月にたった一度だけの週末がやってきた。佳代子との約束は『新しい彼氏が出来るまで』だったが、きっと麻衣との関係を無理に終わらせても、陰で続けてしまうに違いないと諦めているんだろう。さすがに頭のいい高山家の長女だ。俺の性癖も麻衣の性格も先刻承知なのだ。
昨日デパートで受け取ったばかりの、誂えた水着と洋服を、宿で俺に見せてくれるらしい。水着姿の麻衣は一段と嫌らしく見える。今から楽しみでしようがない。
すぐ裏の月極駐車場で待ち合わせ。ワクワクしながら待つと、しばらくして背の高い塀など、ないもののように、頭が突き抜けて見えてしまう麻衣の顔が現われる。遠くからすでに覗ける表情。満面の笑みを俺に向けてくれる。大きなスーツケースを引きずって現われたのに、ハーフサイズのスーツケースにしか見えない。決して見慣れることのない余りにも大きな大きな姿態。また胸元が豊かになっているようだ。逢うたびに茫然と麻衣の姿を見つめ続けてしまう。
麻衣にどう思われようと凝視をやめることが出来ない。初々しく恥じらう仕草は麻衣の素晴らしい姿態を更に何十倍も引き立たせるのだ。
『あんまり…じっと見ないで…』
長い長いコートで覆われていても、素晴らしい姿態はそっくり看て取れる。逆にシックなデザインのコート越しの豪快な胸の膨らみは、言いようもない嫌らしさを感じさせる。胸ほどではないが、腰の張り出す様子も、佳代子にはない肉感を
感じさせる。
スーツケースは衣類ばかりなのでなんとか俺でも持ち上げることが出来る。
荷物ひとつで車のトランクがあっという間に満杯になってしまった。
当然そうなることはわかっているので、俺の荷物は少なめにして、後部座席に置いてあるのだ。
麻衣が傍にいる。ただそれだけで余りの興奮に無口になる。月に一度の朝はいつも少し緊張してしまうのだ。今にも押し倒したい気持ちを懸命に抑えつけているせいかもしれない。
俺の身長より長いコートを脱ぐ麻衣。息を呑む。去年誂えたワンピースが明らかに小さくなってしまっている。谷間から盛り上がる胸。去年の服がもうタイトになってしまう麻衣の余りにも激しい肉感。
『また、育っちゃった…胸も背も…もう、いや!こんなカラダ…』
敢えてそれには答えず、
『さ、出発しよう』
と、急かす。
『うん』
小さなドアの中へ懸命に入り込もうとする、大きな大きな麻衣。
まず頭から車内に入り、シートを一番奥へ移動する。次にリクライニングを半分以上倒して、一度外へ出るのだ。そして背面飛びのような格好でのけぞったまま入り、最後に長い長い脚を折り畳んで何とか全身が車内に収まるのだ。バストの膨らみが車の天井にぶつかる。
『よいしょっと。はー!やっと入れた!』
普通の女性なら決してあり得ない苦労をして、漸くシートに腰掛ける。
折り曲げた膝はどんなに広いスペースをとっても、ダッシュボードの上に飛び出してしまう。太もものボリュームは空間をすっかり埋めてしまって、ドアミラーを見るのも難かしくしてしまう。
車を走らせる。佳代子の好きな曲をかけると麻衣が拗ねてしまうので、あらかじめ外してある。
高速のインターまでしばらくかかる。いつも途中のコンビニに寄って買い物をするのだ。麻衣のリクエストのおにぎりやサンドイッチを訊いて俺が1人で店に行く。好奇の視線を麻衣は嫌うのだ。
『電車でお出かけするのもいいけど、沢山の人に見られちゃうのがいや。それだけでぐったり疲れちゃう』
『確かに、麻衣への視線は佳代子とも違って、男性も女性も更に興味津々の目が凄いからなぁ』
『もう、こんなおっぱいのどこがいいの?確かに男の子はおっぱい好きなのねって言う人も多いけど、女性の視線が半端なく怖いの。露骨に敵がい心を感じちゃう』
『でも、学校でも彼氏が出来てうまくやれてるみたいじゃないか』
『友達も出来たし、シン兄ちゃんの学校でホントよかったよー』
リラックスした麻衣の表情につられて、訊いてみる。
『俺のことは武藤くんは知ってるんだろ?』
『うん。学校でも意識してシン兄ちゃんのことは避けてるみたい』
『それでいいの?』
『うん。千佳ちゃんからいろいろ聞いてて、今まで一言も訊いてこないから、私も何も言ってないの』
『ふーん』
佳代子や武藤くんに少し後ろめたい気がするが、その程度のことでは、麻衣への強い気持ちは全く揺らがない。麻衣も今の関係は維持したい気持ちは一緒のようだ。
車を走らせる。高速の入り口が標識に現われ、麻衣も、すっかり旅行気分に切り替わった。
麻衣の胸元は、車の震動を受けて、常にゆさゆさと波打つ。敏感に視線を捉えて、麻衣は語りだした。
『見たり、触ったりだけの人は判らないと思うけど、私たち姉妹は、ただ普通に生活するだけでも物凄い負荷が体にかかるのよ』
『だからかならず毎日のストレッチと、最近は週末にはフィットネスクラブで、水泳と運動もしているんだよ』
『お姉ちゃんはまだいいのサボったって。痩せてて体の負荷はそれ程でもないから』
『問題は私。食事制限をして、エクササイズまでして、結果バストが2センチも増えてた時は本当に泣きたくなっちゃった』
『最近はバストが物凄く重たくて肩や背中がいつも凝っているの』
『眠るのも大変、寝返りを打つと、下側の腕が痺れて血行不良になっちゃうから、腕を広げて脇の間に胸を挟んでるの』
自分の体についての愚痴は言える人が限られてしまう。姉妹でも微妙な関係にある佳代子とは勿論、友人にも気楽に話せる話題ではないのだろう。
深刻そうな顔をしてひたすら聞き役に徹するのだが、下半身は毎回パンパンに固くなり、カウパー腺は思い切り活動してしまうのだ。
『今日はどこへ連れていってくれる?』
月に一度の泊まりのお出かけ、ホテルにすぐでは麻衣は満足してくれない。それだけの関係と思われるのはまずい。上手くそのことを隠せるイベントを用意せざるを得ないのだ。
学生にとって泊まりの旅行は結構な負担だが、麻衣と一緒にいて何もなしは有り得ない。今日はドライブの後に貸し切りの露天風呂のついた宿に向かう。そこで水着をしっかり拝む予定だ。
車内はまだ寒く、くしゃみをする麻衣。麻衣のくしゃみは口を押さえながら高い声でクシュンとする。女の子らしい愛らしい仕草なのだ。そんな仕草にも堪らなくいとおしさを感じてしまう。
本当に、月に一度の麻衣との二日間は俺にとって何にも代えがたい至福の時間なのだ。
佳代子との間は良好で何も不満はない。いや、ただ一つ不満がある。男にとって最大級の問題なのだ。
淡泊な佳代子は週に一度、俺の自室でするだけで、行為もあっさりしたものだ。
もっと、濃厚なつきあいを欲しても、佳代子はさっと着替えて、眠りに就いてしまう。
欲求不満を抱えた俺は、その思いの丈を、そのまま麻衣にぶつけてしまうのだ。
見るたびに、感嘆を禁じ得ない麻衣の姿態。215センチもある佳代子と比べてさえ、絶対的な大きさも、ボリュームも違い過ぎるのだ。しかも、今もグングンと肉感を増していく。もう抱き締めても腕が回らない程に豊か過ぎるバスト。月
にたった一度だけの密会。不倫のような罪悪感を感じながらも、どうすることも出来ない激しい衝動に、自分自身が翻弄されてしまうのだ。
だが、宿までは我慢だ。チェックインしたらすぐに、と決めているが、まだ昼前だ。インターから高速に入り、3つも買ったおにぎりを、美味しいを連発しながらパクつく、麻衣の無邪気な笑顔。それを見て、こちらも嬉しい気分にさせられる。
普段は行かない関越方面へ今日は遠出しようと思う。雪が心配だが、一面真っ白な世界を麻衣に見せたい。チェーン規制が解除され漸くスタッドレスで走れるようになったばかり、少し不安だが、無邪気に雪に期待する麻衣を心配させるわけにはいかない。
関越トンネルの前からすっかり一面の雪景色になってしまった。大はしゃぎの麻衣。
パーキングエリアで小休止。長時間リクライニングのままだと、麻衣が疲れてしまうのだ。
一面雪景色のパーキングエリアに降り立つ麻衣。
『うーん!』
腕を上に挙げて背伸びする麻衣は3メートルを超える。
『うわー!寒いねー』
楽しそうな麻衣の様子にこちらの気分も盛り上がる。2人で雪合戦。立て続けに雪玉を麻衣に当てると、
『こんなに大きいんだから仕方ないんだもん。シン兄ちゃんが小さ過ぎるから当たらないんだよ。麻衣のせいじゃないんだから』
強がる麻衣。小さい時から、背を更に伸ばしてしまう運動は、意識して避けてきた麻衣は、スポーツ全般苦手だ。数限りないバレーボール、バスケットボールの勧誘は全て断り続けた。未だに姉妹とも実業団からスカウターが来るのだが当然断っている。
温かいコーヒーでも飲もうとパーキングエリアのレストランに入る。固定の椅子で麻衣が腰掛けられない。
仕方がないので壁側の席のテーブルとテーブルの間に腰掛けさせる。テーブルの高さを超えて飛び出してしまう麻衣の膝小僧。
雪深いインターを出て、ナビに従ってゆっくりと進む。
つづく