めぐみ・8
性に目覚めて以来、それこそ何年も夢想しつづけてきた理想の女性が、自分の目の前に現れたのだ。
身長が2mもある女性なんて、日本のどこにいても決して現れる事はありえない。メディアの情報でさえも接する事は出来ないのだ。世界でも数えるほどしか存在しない、しかも美しいと呼べる女性は本当に少ない。
そんな夢のような女性。しかも、日本人で、2mをはるかに超える218センチの女性。
いくら強調してもし過ぎる事がない理想の女性がいま何も身に付けず、蒲団に横たわっているのだ。
もう、手を触れる前から、ぼくの体はいきり立ち、下着はぐっしょりと湿るほどに、興奮の極みに達していたのだった。
唇を合わせ、彼女の豊満な乳房を弄ぶだけで、ぼくは簡単に達しそうになってしまった。
「め、めぐみさん、正直に言っていいかい?」
「え、やっぱり、わたしではいや?」
「違うんだよ、全く逆で…」
「? どうしたの」
「あ、あの、始める前から、あ、あんまり興奮しすぎて、我慢できなくなってしまったんだ」
「?」
「つ、つまり、もう、ちょっと刺激しただけで、で、出ちゃいそうなんだ」
「やっぱり、私が嫌ってこと?」
「全然違うんだよ、お願いがあるんだ」
「なに」
「ちょっと、手で、その、手で」
「お手伝い?」
「少しだけ、触ってくれるだけでいいんだ」
長い腕が伸びぼくの股間をまさぐる。もう、どうしようもないくらいに怒張しているそれは、あっという間に、放出してしまった。用意しておいたタオルで咄嗟に覆う。
「ごめん…、最初から出来なかった…。でも、すぐに元気になるから」
「私のこの体に興奮して、こうなっちゃったんでしょう?だったらすごくうれしい。田中さんにとって、とても魅力的だってことだもの。」
「ありがとう、めぐみさんだから、取り繕ったりしないで正直になんでも言えるんだ。ほかの女性なんてぼくには考えられない。 ちょ、ちょっとだけ待っててください…」
急いで体を拭いて、めぐみさんのもとへ、もう、すでに下半身の元気は回復してしまった。
今度はめぐみさんを少しでも喜ばせようと、乏しい知識でいろいろな部分を愛撫する。
本当に女性はなんて柔らかい体をしているのだろう。胸や、おしり、太腿、ふたたび、ぼくの気持ちはグングンと興奮の極みに向かっていく。
めぐみさんも、ひたすら恥らい、棒のように硬直した姿勢から少しづつ気持ちを表すようになっていく。
壮大に大きいめぐみさんの肢体。唇、胸、お尻、太腿、ぼくは場所を変えるたびに大きく移動をしなければならない。唇からふくらはぎなんて、優に2m近い大移動になってしまうのだった。
めぐみさんも、次第にリラックスした声を発し始める。そして、めぐみさんが痛くならないように何度も確かめる。
ようやく、しっとりとし始めたころを見計らって、
「そろそろ…、いいかい」
とめぐみさんに尋ね、彼女はすこし、息を切らしたような声で
「はい」
と答えた。
持参のスキンを手早くつける。
二回目とも思えないほど早く、またぼくは果ててしまった。
「ごめん…」
「いいんです。私でしてくれて、うれしいです。きっと、私一生そんなこと出来ないって思ってたから」
「ありがとう、今度はもっとうまくなります」
部屋のシャワーを順番に浴びてから、二人で外に出てみる。
浴衣ではまだ、肌寒い外の空気も、なんだか新鮮な感じで、めぐみさんもなんだか一仕事終えたようなさわやかな顔をしていた。
男女として、一段階上に上がったような、嬉しい気持ち。それが他ならぬめぐみさん、夢のような理想の女性なんだということに、ぼくはなんだか大きく満たされていたのだった。
「ずっと一緒にいてもいいんですよね?」
「わたしも、聞きたいです」
「ずっと、ぼくと一緒にいてください」
東京の夜空では決して見られない、天の川が空に大きく横たわっていた。
二人で手をつなぎ、しばらくそれを眺めていた。
つづく