投稿日: Mar 22, 2016 2:54:15 PM
Metcalfe, J., Casal-Roscum, L., Radin, A., & Friedman, D. (2016) On Teaching Old Dogs New Tricks. Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615597912
(Abstract)
学習課題においては,高齢者はめったに若者よりもよい成績をとることはできないが,本研究では,高齢者の方が一般意味記憶課題により多く回答できたのみならず,一度間違った問題においてより多く正解することもできた。若者と高齢者では,若者の方がより「過剰修正効果」(=確実性の低い,つまり自信がもともとなかった間違いよりも,自信があって間違ってしまったものに対してより修正する,という効果)が大きかった。自信があった問題に対する間違いの修正は高齢者と若者で同程度であった一方,高齢者の方が若者よりも,自信のなかった問題の間違いの修正がちゃんとできていた。これを注意機能が関わる脳波の動きによっても説明ができた:自信のあった問題に対する間違いのフィードバックに対しては,高齢者も若者も,注意に関連して活性化するP3aの強い反応が見られたが,自信のなかった問題に対する間違いのフィードバックに対しては,高齢者でのみP3aの強い反応が見られた。高齢者は,自分の答えが間違っているかに関する自信や,答えがよく知っているものかどうか,ということに関わらず,自分たちの注意資源を繰り返し使うことが出来る,ということがわかった。