メインの研究テーマは,高齢者の次世代に対する利他的行動,Generativity(世代性),世代間相互作用,世代間コミュニケーションです.
その他にも,関心があり,携わってきた研究テーマがいくつかあります.
~なぜ,高齢者が若い世代を助けたいと感じ,行動するのか?~
高齢の方々は,時に,身体的なリスクを負っても若い世代を助けようとされます.
かつては,「被援助者」とみなされることの多かった高齢の方々が,今や次世代を支える存在として,
家庭内や地域など,いろいろな場で活躍されています.
このように,次世代を支える高齢の方々の,心理的な背景に興味を持ちました.
そこで,「高齢の方々が,なぜ,子どもや若い人を助けたいと感じ,行動するのか」という問いを立てて,研究を続けております.
その中で重要な概念として抽出されたのが,「Generativity(世代性)」というものです.
これは,エリクソンによって提唱された中年期の発達課題であり,
「次世代を確立し導くことへの関心(the concern in establishing and guiding the next generation. )」とされています.
このGenerativityという概念を研究のKey Wordとし,調査・実験・介入を用いた研究を行いて,
高齢者の若者への利他的行動,世代性,世代間相互作用の関係性について調べています。
(1)縦断調査,実験室実験によるモデルの検証
3時点縦断調査によるパネルデータを用い,高齢者の「世代性」が若者との相互作用により発達,あるいは停滞することについて検討しています。
現在は,実験室実験にて,世代間相互作用が高齢者の心理的発達に与える影響について検討しています。
(2)介入研究,現場への応用
「高齢者による地域子育て支援」という取り組みに参加させていただき,介入研究をさせていただいております。
ボランティアとして若い世代の支援,援助に取り組む高齢者の利他性,世代性と,その継続について探ります。
現場の皆様はいつもとても明るく親切です!いつもお世話になっております!
その他,興味のある研究
・高齢者の健康長寿とGenerativityに関する研究
・祖父母・親・子どもの3世代間関係に関する研究
・自伝的記憶の再構成に関する研究
・写真投影法と心理的居場所に関する研究