社会的な影響と世代性発達との関連には,性差や人種差がある

投稿日: Mar 28, 2014 6:49:35 AM

Jones, B. K., & McAdams, D. P. 2013 Becoming Generative: Socializing Influences Recalled in Life Stories in Late Midlife. Journal of Adult Development, in press DOI 10.1007/s10804-013-9168-4

(Abstract)

成人の自伝的記憶の内容分析を通して,世代性の発達可能性について研究した。50代後半の白人と黒人158名 を対象に調査を行い,尺度を用いて世代性と社会活動について測定し,その後自伝的記憶を引き出すインタビューを行った。先行研究では,世代性は,政治的あ るいは私的な社会活動や宗教団体における活動と関連していることが報告されている。すべての対象者において,家族や先生,教育組織やその他の社会活動の団 体からポジティブな社会的影響を受けているという語りの量と,世代性の高さが影響していた。しかし,黒人の対象者では,世代性得点やポジティブな社会活動 の影響は白人よりも高いにもかかわらず,社会経済的地位の影響が,社会活動による世代性へのポジティブな影響よりも強かった。本研究の結果より,社会的階 層や周囲の人から受けるポジティブな社会的影響が中年期の世代性を形成するが,その影響は人種や性別により異なることがしめされた。