(信仰心により)他者を許せば社会的つながりが回復して受刑者の人生評価が上がる

投稿日: Mar 28, 2014 7:4:44 AM

Randall , G. K. & Bishop, A. J. Direct and indirect effects of religiosity onvaluation of life through forgiveness and social provisions among older incarceratedmales. The Gerontologist, 53(1), 51-59. doi:10.1093/geront/gns070

(Abstract)

個々人の宗教性や許し,社会的供給が人生評価(VOL)に与える影響については,ほとんど検討されてこなかった。ここでは,Heartland Forgiveness Scaleの3つの下位尺度(自分自身,他者,状況への許し)と社会的供給を通して宗教性が人生評価に与える影響を検討した。8つの州立刑務所における261名の男性の受刑者(45-82歳)を対象とした,横断調査を行った。対象者は,刑務所の全数調査データベースから抽出された。精神科などの病院に入院しているもの,独房監禁されているもの,死刑囚監房に入っているものはデータベースから抽出の際に除外された。モデルの検討を行った結果,VOLの説明率は57%であり,χ 2 ( N = 261; df = 3) = 7.40; p = .06, CFI=.99, RMSEA=.08, SRMR=.02であった。他人を許すことや社会的供給を介した宗教心から人生評価,および他人を許すことを介した宗教心から社会的供給への間接効果が有意となった。分析は,年齢・人種・学歴・主観健康観・抑うつを統制したものであった。本研究の結果は,受刑者のケアに関わる人たち,特に許しのプロセスモデルを含む治療的介入を行う人たちにとって影響力があると考えられる。