論文が採択されました(2019.4.22)

投稿日: Apr 22, 2019 7:23:58 AM

以下の論文が,「老年社会科学」に掲載されることが決まりました。

田渕恵・三浦麻子 (2019) 創造的課題における高齢者と若年者の世代間相互作用の特徴. 老年社会科学

【要約】

本研究は,高齢者と若年者という異世代が創造的課題に共同で取り組む際の,世代間相互作用の特徴を明らかにすることを目的としたものである。創造的課題として積み木課題を用い,同世代間・異世代間の相互作用場面の会話内容に着目した。高齢者同士・若年者同士・高齢者と若年者の3群の2名集団により実験を行った。先行研究に従い課題遂行中の会話を4つのカテゴリ(「提案の要求」,「新しい提案」,「提案に対する反応」,「相手の行動に対する評価」)に分類し,各カテゴリに関する発話比率が条件間でどのように異なるかを検討した。その結果,高齢者では相手が若年者である場合の方が同世代よりも,「提案の要求(相手に提案を促す発話)」の比率が高く,若年者同士ではそのような傾向は認められなかった。異世代間の特徴として,高齢者が若年者に対して目的遂行のための新奇な行動を促す役割を担うという,世代による役割分担が明確に行われている可能性が考えられた。

キーワード 高齢者,異世代間相互作用,創造的課題,会話行動,実験

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本研究は,Tabuchi & Miura(2018)の追試を行い,積み木課題を用いて異なる世代間の相互作用の特徴を明らかにした研究です。先行研究と同様,高齢者は若年者と組むと,「何を作りたい?」「どうしようか?」といった「相手に提案を促す発話」を多く行っており,異世代集団では世代によって役割分担が行われていることが分かりました。

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